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長岡花火後に「最終の東京行き新幹線」乗れず…帰宅困難者が続出→「臨時列車を出せばいい」が難しいワケ

  • 2026.8.11
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

全国各地で開催される大型イベントや花火大会。多くの人で賑わう一方で、楽しい時間の終わりに帰りの電車に乗れないという事態が発生することがあります。

2026年8月2日、3日に開催された、新潟県の長岡まつり大花火大会の終了後、会場に近いJR長岡駅が花火帰りの客で大混雑し、最終の東京行き新幹線などに多くの人が乗り切れず積み残しとなってしまった事象が大きな話題となりました。今回は、イベントでの混雑時の鉄道会社の対策とその限界、そして、私たちができる自衛策についてご紹介します。

鉄道会社の対策とその限界

大型イベントが予定されている場合、鉄道会社は事前に体制を整えます。他の駅などから応援の人員を配置して誘導体制を強化したり、わかりやすい案内表記を増やしたり、あらかじめ需要を予測して臨時列車を運行したりと、さまざまな混雑対策を行います。

しかし、電車に乗せられる人数には限界があり、同時に駅構内で待機できるスペースにも限界があります。乗客を改札内に入れてしまえば、電車に乗り切れない人がホームに溢れ返り、群衆雪崩や線路への転落といった大事故につながる恐れがあります。そのため駅員は、安全を確保するために改札で入場制限を行い、列車の到着に合わせて少しずつ乗客を誘導するのです。

特に夜のイベントでは、安全のために駅や駅の外で待たせることと最終電車までに全員を乗せ切ることの匙加減が非常に難しくなります。ダイヤ調整をもってしても、イベント自体の開始・終了時刻が遅延したり、天候の急変で一斉に客が駅へ押し寄せたりすると、この誘導のバランスが崩れ、結果として積み残しが発生してしまうことがあるのです。

「臨時列車を出せばいい」が難しい理由

万が一積み残しが発生した場合、過去の事例では鉄道会社が救済用の代行バスを手配したり、駅構内で毛布や軽食を配布したりしたケースもあります。しかし、これらはあくまで状況に応じた特例であり、必ずしも救済措置があるとは限りません。自力で始発まで耐えしのばなければならないリスクは常にあります。

SNS上では「人が溢れているなら、臨時列車をもっと出せばいいのに」という意見も散見されますが、臨時列車は決して無限に用意できるものではありません。

大きな理由は乗務員の確保です。列車を動かすためには物理的な車両だけでなく、運転士や車掌が必要です。鉄道乗務員は過労状態での乗務を防ぐため、法律や社内規程によって乗務時間や休憩時間が定められています。突発的に混雑したからといって、翌日以降の勤務などを無視して乗務員を働かせることは安全上できないのです。

帰宅困難者にならないための自衛策

長岡花火で帰宅困難者が多く発生した一件を受けて、SNS上では「イベントの日程が決まった時点で宿泊先を予約しておくべき」「参加者も早めに会場を出るなど自衛しておいたほうがいい」といった声が多く見受けられました。利用者側の自衛策は非常に重要です。

まず、新幹線や特急列車のように予約ができる列車を利用する場合、イベントへの参加の予定が決まった段階、もしくは乗車券の発売日を迎えた段階で、早めに帰りの指定席を確保しておきましょう。

また、夜遅くに終了することがあらかじめわかっている場合は、無理にその日のうちに帰ろうとするのではなく、宿泊を検討してみてください。会場近くのホテルが満室でも、路線図を見て少し離れた地域まで目を向ければ、宿泊施設の選択肢はぐっと広がります。

そして、「〇時〇分には必ず会場を出る」という帰宅のためのタイムリミットを事前に定めておきましょう。混雑を避けるため、場合によってはイベントの最後までの参加をあきらめ、早めに駅へ向かう勇気も必要です。

イベントの素晴らしい思い出を、最後まで楽しい記憶のまま持ち帰ることができるよう、ご自身の安全を守る余裕を持った計画づくりをぜひお願いします。


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、同業界に15年以上従事。鉄道部門だけでなく、タクシーやバス、小売りといった関連事業にも幅広く携わる。現在はWebライターとしても、広報を担当した経験を活かし、コラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


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