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お盆の帰省中「少し出かけるだけだから」と実家のクルマを運転した30代男性。母親の言葉で知った“思わぬリスク”

  • 2026.8.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

お盆や年末年始などの長期休暇には久しぶりに実家へ帰省し、家族のクルマを借りて買い物や食事へ出かける人もいるのではないでしょうか。

その際、「学生時代から運転していたクルマだから問題ない」「家族のクルマなのだから保険も使えるはず」と考えて運転している人は少なくありません。

しかし、結婚や独立などで生活環境が変わると、以前は補償されていた人でも自動車保険の対象外になっていることもあるのです。万一事故を起こした場合、高額な修理費や損害賠償を自分で負担しなければならないケースもあるため注意が必要です。

学生時代と同じ感覚で実家のクルマを運転してしまった

結婚後、初めてお盆休みに実家へ帰省したYさん(30代・男性)は、家族との夕食前に近くのコンビニまで買い物へ行くことにしました。

実家のクルマは大学時代から何度も運転していたため、「少し出かけるだけだから問題ない」と考え、両親へすぐ戻ることだけ伝えてそのまま運転しました。無事に帰宅すると、母親から青ざめた顔で「あなたは結婚して家を出たから、もう自動車保険の対象じゃないかもしれないよ」と言われたのです。

Yさんは初めてその事実を知り、大きな衝撃を受けました。

幸い事故はありませんでしたが、もしコンビニまでの短い距離で事故を起こしていたら、自動車保険が使えず、自分で相手への損害賠償やクルマの修理費を負担しなければならなかった可能性もありました。「家族だから補償される」と思い込んでいたことが、思わぬリスクにつながるところだったのです。

ライフスタイルの変化で補償対象が変わる

自動車保険には、年齢条件や運転者限定、運転者の範囲など、契約ごとにさまざまな条件が設けられています。

その中でも見落とされやすいのが、「子どもの同居・別居」と「既婚・未婚」による補償範囲の違いです。

例えば、家族限定を付けている契約では、24歳で一人暮らしをしている未婚の子どもであれば、契約の運転者年齢条件が「35歳以上補償」であっても補償の対象になるケースがあります。これは、別居の未婚の子どもは年齢条件の適用対象外とされているためです。

一方、同じ24歳でも結婚して新しい世帯を持つと、「別居している既婚の子ども」となり、家族限定の対象から外れるため補償の対象外となります。

このような契約条件は普段意識する機会が少ないため、「学生時代は運転できたから今回も大丈夫」「去年の帰省では問題なかった」という記憶だけで判断してしまう人も少なくありません。しかし、就職や結婚、独立など家族構成が変わると、以前と同じ補償が受けられるとは限りません。

帰省先で実家のクルマを運転する予定がある場合は、「家族だから補償されるだろう」と思い込まず、保険証券や契約内容を確認し、不明な点があれば保険会社や代理店へ相談しておくことが安心につながります。

帰省前に確認しておけば防げるトラブルもある

お盆や年末年始は、久しぶりに実家のクルマを運転する人もいるでしょう。その際は、「少し運転するだけだから大丈夫」と考えず、出発前に補償内容を確認しておくことが大切です。

もし帰省中に実家のクルマを運転する予定がある場合は、保険会社や代理店へ相談しておきましょう。契約内容によっては、運転者の範囲を変更したり、一日自動車保険を利用したりすることで補償を確保できる場合があります。

また、契約内容の変更には手続きが必要なケースもあるため、帰省してから慌てて確認するのではなく、余裕を持って準備しておくことが安心につながります。

実際、帰省シーズンになると「結婚した子どもが運転する予定ですが補償されますか」「数日だけ帰省するのですが手続きは必要ですか」といった相談は少なくありません。

少し確認するだけで防げるトラブルは意外と多いものです。帰省前の準備の一つとして、自動車保険の補償内容もチェックしておくと安心してハンドルを握ることができるでしょう。

自分の保険で補償される「他車運転特約」が使える場合もある

もう一つ知っておきたいのが、「他車運転特約」です。

これは、自分が加入している自動車保険の契約内容によっては、一時的に借りた他人のクルマを運転中に事故を起こした場合でも、自分の保険で補償を受けられる可能性がある特約です。

例えば、Yさん自身がクルマを所有し、自動車保険へ加入していた場合には、実家のクルマを運転中の事故でも、この特約が利用できた可能性があります。

ただし、補償される範囲は契約内容によって異なります。例えば、相手への賠償は補償されても、借りた実家のクルマの修理費については、Yさんの契約に車両保険が付いていなければ補償対象外となるケースがあります。また、他車運転特約にも適用条件があるため、すべてのケースで適用されることは難しいでしょう。

帰省先で家族のクルマを借りることは珍しいことではありません。しかし、「実家のクルマだから」「家族だから」という思い込みだけで運転すると、万一の際に思わぬ自己負担が発生する可能性があります。

お盆や年末年始にハンドルを握る前に、実家の自動車保険で自分が補償対象になっているか、また自分の契約に他車運転特約が付帯されているかを確認しておくことが、安心して帰省を楽しむための大切な備えといえるでしょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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