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高速道路で急に『バーン!』50代男性が「本当に驚きました」と語った“真夏の恐怖体験”

  • 2026.8.13
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

タイヤ交換の目安として「溝」を気にする方は多いでしょう。しかし、真夏の高速道路では、溝が十分残っていてもバーストが起きることがあります。

実は、タイヤの安全性は溝だけで決まるものではありません。空気圧やタイヤの経年劣化も重要な判断材料です。今回は、私が自動車整備工場に勤務していた頃にレッカー搬送されてきたお客様、Tさん(50代男性)の事例をご紹介します。

「溝は残っていたのに」突然起きた高速道路でのバースト

ある夏の日、高速道路でタイヤが突然バーストしたという車両がレッカーで入庫しました。運転されていたのは50代男性のTさんです。幸い車両のコントロールを失うことはなく、大きな事故には至りませんでしたが、自走はできず、そのまま搬送されてきました。車を確認すると、左後輪のタイヤは大きく破裂していました。

「急に『バーン』という大きな音がして、ハンドルを取られそうになりました。本当に驚きました」

とTさん。詳しくタイヤを点検すると、残り溝は十分にありました。一方で、他のタイヤの空気圧は規定値よりかなり低く、タイヤ側面には細かなひび割れも確認できました。製造年を調べると、約6年が経過していたのです。

「溝はまだあったので、交換はまだ先だと思っていました」

そう話すTさんは、タイヤの寿命を溝だけで判断していたそうです。

真夏の高速道路では「空気圧不足」が大きな危険になる

バーストの原因として考えられたのは、空気圧不足と経年劣化、そして真夏の高速道路という厳しい条件が重なったことでした。タイヤは空気圧が不足すると、本来より大きくたわみながら回転します。すると内部ではゴムや補強材が何度も変形を繰り返し、そのたびに熱が発生します。

この日は気温35℃を超える猛暑日で、路面温度は60℃近くまで上昇していたと推測されます。また、高速道路を長時間走行したことで、タイヤ内部の温度はさらに上昇しました。加えて、約6年使用されたタイヤはゴムが少しずつ硬化し、側面には細かなひび割れも発生していました。こうした複数の条件が重なった結果、タイヤが耐えきれずバーストした可能性が高いと考えられました。

タイヤのトラブルは徐々に進行していても、実際に破裂する瞬間は前触れなく訪れることがあります。だからこそ、「まだ走れる」という感覚だけで判断するのは非常に危険なのです。

タイヤは「溝・空気圧・年数」の3つを必ず確認しよう

今回の事例で最もお伝えしたいのは、「溝が残っている=安全」ではないということです。タイヤを点検する際は、まず残り溝を確認することはもちろん大切ですが、それだけでは十分ではありません。空気圧が適正か、サイドウォールにひび割れはないか、製造からどのくらい年数が経過しているかも併せて確認する必要があります。

特に帰省や旅行などで高速道路を利用する前は、タイヤが冷えている状態で空気圧を点検しましょう。空気圧の確認と調整は、多くのガソリンスタンドや整備工場で数分程度あれば実施できます。また、荷物をたくさん積んで長距離を走る場合は、車種によって推奨空気圧が変わることもあるため、運転席ドア付近の表示や取扱説明書を確認するとより安心です。

さらに、タイヤは走行距離が少なくても年数とともに劣化します。一般的には5~6年を過ぎたタイヤは状態をよく確認し、ひび割れや硬化が見られる場合は交換を検討することをおすすめします。

タイヤは車と路面をつなぐ唯一の部品です。「まだ溝があるから大丈夫」と思い込まず、「溝」「空気圧」「年数」の3つをセットで確認する習慣をつけることが、夏の高速道路での思わぬトラブルを防ぐ大切なポイントになります。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。

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