1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「使ってもいないのになぜ…」口座に“数万円”入れたまま放置した50代女性、3年後に通帳を記帳して“目を疑ったワケ”【現役FPは見た】

「使ってもいないのになぜ…」口座に“数万円”入れたまま放置した50代女性、3年後に通帳を記帳して“目を疑ったワケ”【現役FPは見た】

  • 2026.9.9
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで家計の棚卸しをお手伝いしている柴田です。

「銀行に置いてあるお金は、使わなければ減らない」。そう信じている方に、今日は少し嫌な汗をかく話をします。

数年間放置した口座の残高照会をして絶句した、50代のAさんのお話です。

2021年に作った前の勤め先の「指定口座」をそのまま放置

Aさん(50代・女性)は転職した際、前の勤め先から給与振込用に地方銀行の口座を指定されて作りました。

その後さらに転職し、地方銀行を使う機会が激減。最後の給与の残り数万円を入れたまま3年ほど放置。「まあ、置いておけば減らないし」と、通帳は引き出しの奥で眠っていました。

先日、家の整理でその通帳を発掘したAさん。記帳して残高を確認したところ、目を疑いました。ここ数年、毎年1,320円が「管理手数料」として引き落とされていたのです。数万円あったはずの残高は、目に見えて目減りしていました。「使ってもいないのになぜ減るの?」という疑問から、私のところへ相談に来られました。

「未利用口座」には手数料がかかる時代

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

種明かしをすると、これは「未利用口座管理手数料」です。一定期間(多くは2年)入出金のない口座を「未利用口座」として扱い、年1,320円(税込)程度の手数料を引き落とす銀行が増えています。

ここで注意したいのは、この手数料の対象となるのは「2020年〜2021年以降に新規開設された口座」が主流であるという点です。10年前(2016年頃など)に作られた古い口座に、この手数料が適用されるケースは一般的ではありません。

しかし、「昔の口座なら放置しても安心」というわけでもありません。 2020〜2021年以降の口座は残高が手数料に満たなくなると自動的に解約扱いになる銀行がある一方、開設時期にかかわらず10年間まったく取引がないと、今度は休眠預金等活用法により、お金は預金保険機構へ移管されます。

こうした「休眠預金」は毎年1,000億円を超える規模で発生しており、公益活動の財源に活用される仕組みです。移管後も手続きをすれば引き出せますが、通帳や届出印、本人確認書類をそろえて窓口へ出向く手間がかかります。

なお、休眠預金になりそうな口座には事前の公告や通知が行われますが、残高1万円未満だと郵送通知は来ません。また、引っ越して住所変更をしていなければ、1万円以上でも通知は届きません。放置口座ほど、気づく機会も失われているのです。

心当たりを探すべき「危ない口座」3つ

私の経験上、特に手数料や休眠化の温床になりやすいのは次の3つです。

  1. 学生時代に地元で作った口座(筆者にも1つありました…)
  2. 勤務先の指定で作らされた口座
  3. 結婚前の旧姓のままの口座

転職・転居・改姓を経験した人ほど、心当たりがあるはずです。旧姓口座は放置年数が長くなりがちなうえ、いざ引き出すときに姓の変更手続きから始まるので、手間も倍かかります。心当たりの通帳を見つけたら、まず記帳。現状を知ることが棚卸しの第一歩です。

まとめ

対象の口座かどうかは、銀行の窓口担当者に聞けばその場でわかります。そして使っていない口座への一番確実な対処は、残高を移して解約してしまうことです。口座は財布と同じで、持っている数だけ管理の手間とコストがかかります。

ちなみにAさんはその後、解約のために銀行の窓口へ行き、「お届け印が違います」「旧住所のままです」と二度手間、三度手間を経験しました。放置期間が長いほど、解約の手続きも重くなります。

それでもAさんいわく、「腹は立ったけど、あのまま残高がゼロになって強制解約されるまで放っておいたら…と思えば」とのこと。この週末、引き出しの奥の通帳を発掘してみてください。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ