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「うそでしょ…」夫から自宅2,000万円分の贈与を受けた60代妻→数ヶ月後、届いた“1通の通知”に絶句したワケ【現役FPは見た】

  • 2026.9.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

長年連れ添った夫婦のなかには、「夫だけの名義になっている自宅を、妻にも一部渡しておきたい」と考える人もいるでしょう。

こうした場合に使える制度の一つが、婚姻期間20年以上の夫婦を対象とした「贈与税の配偶者控除」です。一定の条件を満たせば、通常の基礎控除110万円とは別に、最高2,000万円まで贈与税の計算から差し引けます。

ただし、「2,000万円まで贈与税がかからないなら、家の名義を変えても税金はかからない」と考えるのは注意が必要です。

今回は、自宅の一部を妻へ贈与した60代夫婦が、数か月後に思わぬ税金を知った事例を紹介します。

「2,000万円までなら大丈夫」妻にも家の一部を渡すことに

67歳のNさん(仮名)と64歳の妻は、結婚35年。25年前に購入した一戸建てで暮らしています。自宅は購入したときからNさん一人の名義でした。

子どもはすでに独立し、住宅ローンも数年前に完済。60代になってからは、夫婦で「これから家や財産をどうしていくか」を話す機会が増えていたそうです。

そんななか、Nさんが気になったのが自宅の名義でした。

「今は家が全部自分の名義だけど、妻にも一部を渡しておいた方がいいのではないか」

そこで調べてみると、結婚して20年以上の夫婦には、自宅などを贈与するときに使える「贈与税の配偶者控除」があることを知りました。

自宅の土地と建物を贈与税のルールに沿って評価すると、妻へ渡そうとしている部分は約2,000万円相当でした。

Nさんは「2,000万円まで控除できるなら、今回の贈与には税金がかからない」と考えます。さらに、通常の基礎控除110万円もあるため、「この金額なら大丈夫そうだ」と安心したそうです。

夫婦で相談した結果、自宅の一部を妻へ贈与することを決めました。その後、法務局で名義変更の手続きを済ませ、自宅は夫婦2人で所有する形になりました。

「これで妻にも家を残せたし、老後の準備も一つ進んだ」

Nさん夫婦は、そう考えていたそうです。

贈与税についても、ほかに贈与がなければ、翌年に必要な申告をして配偶者控除を使うことで税額は0円になる見込みでした。

数か月後に届いた通知 「税金は0円じゃなかったの?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが、名義変更から数か月後、妻のもとに都道府県から封筒が届きました。中に入っていたのは、「不動産取得税」に関する書類です。

妻は絶句しました。

「うそでしょ…。これって、家の名義を変えたから届いたの?」

Nさんも驚きます。

「2,000万円まで税金はかからないんじゃなかったの?」

そこで改めて確認すると、Nさんが勘違いしていたことが分かりました。

2,000万円まで控除できる制度は、あくまで「贈与税」の制度です。一方、妻は今回の贈与によって自宅の一部を新たに取得したため、原則として「不動産取得税」という別の税金の対象になります。

つまり、「贈与税が0円」と「自宅の名義変更にかかる税金がすべて0円」は同じ意味ではありません。

Nさんは、「贈与税がかからないなら、ほかの税金もないと思っていました」と驚いたそうです。

また、この配偶者控除は、結婚20年以上なら自動的に使えるわけではありません。贈与された自宅に住むことなどの条件があり、贈与税が0円になる場合でも申告が必要です。

「贈与税0円」だけで考えない

夫婦間で自宅を贈与すると、贈与税が0円でも、名義変更では原則として登録免許税がかかります。不動産取得税も原則として課税されますが、住宅や土地の条件によっては軽減される場合があります。

自宅を贈与するときは、「贈与税がかかるか」だけでなく、名義変更に伴う税金や手続きの費用までまとめて確認しておくことが大切です。

※プライバシーの観点から内容を一部調整しています。

※税制・税率は2026年8月時点。実際の税額は不動産の所在地や評価額、軽減措置の適用状況などによって異なります。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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