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満席の機内で母親の“膝に座る”明らかに大きなお子様→「今何歳なの?」確認すると対象年齢を超えていて…CAがとった苦渋の決断

  • 2026.9.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

夏休みの機内は、ご旅行や帰省されるお客様の笑顔であふれかえります。

私たちCAも、空の旅をお手伝いできるよう笑顔でお迎えしますが、同時に「保安要員」としての役割を果たさなければなりません。

様々なお客様が搭乗される機内では、ほとんどのお客様がルールを守りフライトを楽しまれる一方で、時として、少しなら大丈夫だろうとルールを軽視してしまう方や、規定を誤認されている方がいらっしゃるのも現実です。

今回は、私が現役時代に遭遇した、「膝上抱っこ」への違和感と、「安全」を守るために下さざるを得なかった決断の舞台裏をお話しします。

満席の機内での「違和感」

それは、夏休みにリゾート地へ向かう、満席の国内線での出来事でした。

搭乗中、お客様のお手伝いをしていると、ある光景に目が留まりました。

あるご家族のお子様がお母様に抱っこされていたのですが、明らかに膝に収まりきっておらず、私たちCAの誰もが違和感を覚えたのです。

航空会社により規定は異なりますが通常、2~3歳以上のお子様は「小児」として座席の確保が必要です。

もちろん、年齢よりも体格が大きいお子様もいらっしゃるため、私たちも確認の際には慎重になります。

しかし今回は、抱っこで搭乗できる年齢よりも明らかに大きく見えたため、ご両親に配慮しつつ、年齢を確認せざるを得ませんでした。

失礼のないよう、まずは自然な会話の流れで、ご両親に「お子様の座席はこちらでお間違えないですか?」と伺い、本来であれば搭乗前に公的な書類で年齢を確認すべきですが、出発時刻が迫る機内という特殊な状況下であったため、

苦肉の策としてお子様に「おしゃべり上手だね!今何歳なの?」と、直接話しかけさせていただきました。

すると、ご両親が困ったように黙り込むなか、お子様が嬉しそうに「5歳!」と答えてくれたのです。

その瞬間、ご両親の表情が凍りつきました。

やはり、対象年齢を明らかに超えていることが判明したのでした。

一変してしまった家族旅行

私たちはすぐにグランドスタッフへ報告し、対応を依頼しました。

思い返せば、搭乗された際はお父様に抱っこされていたため、グランドスタッフも私たちCAも、年齢の違和感にすぐ気づくことができなかったのです。

しかし実際の年齢が判明した以上、安全面はもちろんのこと、ルールとしてお子様の分の座席をお取りいただく必要があります。 

とはいえ、機内はあいにくの満席でした。

出発時刻が迫るなか、「事情により搭乗されないお客様がいて、空席が出ればご案内できるかもしれない」と、私たちは固唾をのんで見守るしかありませんでした。

しかし、やはり満席という状況は変わらず、そのご家族には飛行機から降りていただくことになったのです。

ご家族のショックや焦りは痛いほど伝わってきましたが、保安要員として「安全」を最優先にしなければならない以上、妥協することはできません。

ルールの誤認があったとはいえ、結果としてご家族の楽しかったはずの旅行は、一変してしまったのでした。

「安全」の上にしか成り立たない「楽しい旅」

せっかくのご旅行が中止になってしまったご家族の姿を見送るのは、私たちにとっても非常に辛いものでした。

しかし、「これくらいなら大丈夫だろう」というほんの少しの油断が、結果として旅行そのものを台無しにしてしまうだけでなく、万が一のときに大切な命を守れなくなってしまうのも事実なのです。

毅然と向き合うことで「空の安全」を守る

CAは「サービス要員」と思われがちですが、「保安要員」として、今回のような出来事にも毅然と向き合わなければならない仕事でもあります。

すべてのお客様に安心して空の旅を楽しんでいただくために、今日もCAは、確固たる責任感と誇りを持って「空の安全」を守り続けているのです。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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