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「帰りの時間を、合わせてくるの」親しくもないのに帰宅時間を合わせる同僚。不気味な振る舞いに転職を決意

  • 2026.7.27

合わせられていく時間

前の会社に勤めていた頃の話です。

同じ年に入社した同期のなかに、私の帰り支度に妙に敏感な人がいました。

私が席を立つと、それを待っていたかのように、その人も帰り支度を始めるのです。エレベーターの前でも、駅までの道でも、気づけばいつも隣にいました。

最初は、勤務時間が同じなのだから仕方がないと思っていました。

けれど、残業で遅くなった日も、早めに切り上げた日も、判で押したように時間が重なるのは、どう考えても不自然でした。

逃げ場のない視線

不思議だったのは、私たちが特別に親しかったわけではないことです。

それでも、その同期は私のちょっとした予定を、いつのまにか把握しているようでした。今日は何時にあがるのか、どの改札を使うのか。

話した覚えのないことまで、当たり前のように知られていたのです。

やんわり距離を置こうとしても、うまくいきませんでした。

誘いを断っても平気な顔で、次の日にはまた同じように声をかけてくる。

私の意思は、まるで届いていないようでした。

会社から離れた道で、柱の陰からふいに現れたときには、さすがに背筋が冷えました。

あたりに人の気配はなく、心臓が嫌な音を立てたのを覚えています。

もう偶然では片づけられない。私の中で、何かが限界に達した瞬間でした。

環境を変えて振り切る

私がしたのは、行動の癖を変えることでした。

帰る時間を日によってずらし、使う駅や道順も、あえてばらばらにしたのです。

「帰りの時間を、合わせてくるの」

親しい同僚にそう打ち明けると、一人で抱えていた重さが、少しだけほどけた気がしました。

周りに知ってもらうだけでも、心強さがまるで違ったのです。

それでも根本から離れたくて、私は最終的に、思いきって職場を移る道を選びました。

相手を責め立てるのではなく、自分の身を置く場所そのものを変えることにしたのです。

新しい環境では、帰り道でうしろを振り返る癖も、いつのまにか消えていました。自分の帰る時間は、自分だけのものでいい。合わせられ続けた時間を、こうして自分の手に取り戻す。

ただそれだけのことで、私はようやく、まっすぐ前を向いて歩けるようになったのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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