1. トップ
  2. エピソード
  3. 「毎晩、ロビーで待っているんです」女性フロアまでついてくる寮の同居人。我慢出来ずに寮の担当者に相談した結果

「毎晩、ロビーで待っているんです」女性フロアまでついてくる寮の同居人。我慢出来ずに寮の担当者に相談した結果

  • 2026.7.27

深夜に帰り着く毎日

社会人になって初めての寮暮らしは、思いのほか慌ただしいものでした。

仕事が長引く日が多く、寮へ戻るのは、いつも夜のいちばん遅い時間帯でした。

二十代になったばかりで、実家を離れての生活そのものに、まだ慣れていませんでした。人けのないロビーを通り抜けて部屋へ向かうのが、夜ごとの習わしのようになっていました。

その寮は女性用の階と男性用の階が分けられていて、防犯の面でも安心だと聞いていました。

だから最初のうちは、夜遅い帰宅も特に気に留めてはいませんでした。

同じ場所にいる同居人

けれど、しばらくして、ひとつの気配に気づくようになりました。同じ寮に住む男性が、私が帰る時間になると、いつもロビーの隅に腰かけているのです。

顔を合わせたことはあっても、言葉を交わした記憶はありません。

それなのに、私が入口をくぐると、決まって「おかえりなさい」と声をかけてくるのです。

はじめは挨拶を返すのが礼儀かとも思いました。ただ、それが毎晩となると、居心地の悪さのほうが勝っていきました。

やがて、私がエレベーターに乗ると、その人も後から乗り込んでくるようになりました。男性の階はもっと下のはずなのに、女性の部屋がある階まで、当たり前のように上がってくるのです。

「今日も遅くまで大変でしたね」

親しげに話しかけられるほど、私の足は動かなくなりました。

うっかり返事をすれば、次はもっと踏み込まれてしまう気がして、黙って部屋へ急ぐしかなかったのです。

部屋を移して取り戻した安心

これ以上ひとりで抱えていても、状況は変わらない。ようやくそう思えた私は、寮を管理する担当の方へ相談を持ちかけました。

「毎晩、ロビーで待っているんです」

私が帰る深夜の時間に、その男性が必ずロビーにいること。そして、女性の階までついてくることを、包み隠さず打ち明けました。

担当の方は深くうなずき、すぐに部屋の移動を手配してくれたのです。

移った先は、入口からの動線がまるで違う部屋でした。帰り道でロビーを長く通ることもなくなり、あの気配を感じることも、いつの間にかなくなっていました。

新しい部屋で迎える夜は、驚くほど静かでした。玄関を開けるたびに身構えていた自分が、まるで嘘のようでした。

我慢を続けるのではなく、居場所のほうを変える。それだけのことで、私はようやく、安心して眠れる夜を取り戻せました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ