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「わしの番やろ」結婚式のスピーチの順番を勘違いした新郎の祖父。だが、会場を涙で包んでいった理由とは

  • 2026.7.29

和やかな披露宴の途中で

先日、親戚の結婚式に招かれ、私は久しぶりに親族の集まる披露宴の席に着いていました。

新郎とは幼い頃からの付き合いで、その晴れ姿を見られるのを楽しみにしていたのです。

式は厳かに進み、披露宴もつつがなく続いていきました。

ケーキ入刀が終わると、会場の空気はいっそう和やかになり、あちこちで笑い声が上がります。

司会者が次の進行を告げようとした、そのときでした。新郎側の親族席から、ひとりのおじいさんが、すっと立ち上がったのです。

突然の飛び入り

立ち上がったのは、新郎の祖父でした。

どうやらスピーチの順番を勘違いしたらしく、まだ出番ではないのに、迷いのない足取りでマイクの前へ進んでいきます。

「わしの番やろ」

そう言ってマイクを握った祖父に、会場は一瞬、どうしたものかとざわつきました。

司会者も、止めるべきか見守るべきか、戸惑っているようでした。

新郎新婦も、はらはらした表情で祖父を見つめています。私も内心、大丈夫だろうかと、少しばかり身構えてしまいました。

けれど、祖父がゆっくりと語り始めると、その空気は驚くほど早く、あたたかいものへ変わっていったのです。

会場を包んだ涙

祖父が話したのは、幼い頃の新郎のやんちゃな思い出でした。

木から落ちて泣いていたこと、それでも負けん気だけは人一倍だったこと。

ユーモアたっぷりの語り口に、会場からは自然と笑いがこぼれます。

そして最後に、祖父は家族への感謝を、ぽつぽつと言葉にしました。

よくぞここまで大きくなった、と声を詰まらせるその姿に、笑っていた人たちの目も、いつしか潤んでいきます。

語り終えた祖父に、会場は割れんばかりの拍手で応えました。

新郎新婦も、こらえきれずに涙をぬぐっています。

あとで思い返しても、あの光景は忘れられません。

段取りから外れた、たったひとつの勘違い。

それが結果として、その日いちばんの名場面になったのです。予定通りに進むことだけが、いい式ではないのだと教わりました。

帰り道、参列した誰もが、あの飛び入りスピーチの話をしていました。温かい涙で会場を包んだおじいさんに、私は心の中でそっと拍手を送ったのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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