1. トップ
  2. エピソード
  3. 「チッ、邪魔しないでください」横柄な対応をするケアマネ。だが、家族が残した記録に思わず絶句

「チッ、邪魔しないでください」横柄な対応をするケアマネ。だが、家族が残した記録に思わず絶句

  • 2026.7.26

売上のための提案

母の介護を支えてくれるはずのケアマネージャーは、どこか様子のおかしい人だった。

物腰は柔らかいのに、口から出るのは母を気づかう言葉ではなく、契約を増やす話ばかり。自分の実績と売上のためなら、母に無理をさせることもいとわなかった。

「このプランも追加しておきましょう」

会うたびに、必要とは思えないサービスを並べてくる。断ろうとすると、決まって残念そうな顔をする。予定が増えるたび、母は疲れ果て、少しずつ体調を崩していった。

母はもともと、人に迷惑をかけまいと気を張るところがあった。無理な予定でも、笑って受け入れてしまう。その優しさに、担当者はつけ込んでいるように見えた。予定を終えて帰宅するたび、母はぐったりと横になり、口数も減っていった。

ある日、私は母をかばって、こう切り出した。

「母は疲れています。今日は控えさせてください」

「チッ、邪魔しないでください」

穏やかだった仮面が、その一瞬だけ剥がれた。自分の計画を邪魔されることが、よほど許せなかったのだろう。私は、この人に母を任せてはいけないと悟った。

突きつけた一冊

その日から、私は母のノートをつけ始めた。

体調の変化、勧められたサービス、その金額。担当者の言葉も、日付とともに一つ残らず書き留めた。母がどんな顔でその日を過ごしたかまで、忘れないように記していく。日を追うごとに、そのページは無理な勧誘の記録で埋まっていった。

提案はその後もやまなかった。あと3万円分の契約を、と迫られた日、私はついに事業所へ話を持ち込んだ。

責任者との面談の席に、私はそのノートを持参した。

「これが、母に勧められた契約と、その後の体調の記録です」

一か月分の記録を広げると、担当者の顔から血の気が引いていった。

「それは、ご本人のためを思って……」

言い訳を口にしかけて、途中で止まる。責任者がページをめくる手が、だんだん険しくなっていくのがわかった。

「必要のない契約を勧めていたと、この記録からは読めますが」

責任者に問われても、担当者はもう答えられなかった。あれほど滑らかだった舌が、まるで動かない。うつむいたまま、長いあいだ黙り込んでいた。

私たちはすぐに、別の事業所へ移った。

「あの人、もう来ないの?」

母が不安そうに聞くので、私は大きくうなずいてみせた。

「まずは、お母さまの体を大事に考えましょうね」

新しい担当の方の言葉に、母は久しぶりに穏やかな顔を見せた。母のための介護が、そこにようやく戻ってきた。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ