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Mrs.fictions、『15 Minutes Made』3年ぶり開催 今村圭佑&岡野康弘&中嶋康太が語る“6種6様”な参加団体の魅力

  • 2026.7.24
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Mrs.fictions(左から)岡野康弘、今村圭佑、中嶋康太 クランクイン!

7月29日より東京・テアトルBONBONを皮切りに、Mrs.fictions presents『15 Minutes Made 東京/福岡』が開幕する。“15 mm(ジュウゴミリ)”の愛称で親しまれる『15 Minutes Made』は、Mrs.fictions が2007年の旗揚げから継続的に開催している代表的イベント。Mrs.fictionsを含む複数の団体が15分の短編作品を上演するオムニバス企画として長年人気を博している。3年ぶりの開催となる『15 Minutes Made 東京/福岡』は、書いて字の如く東京・福岡の二都市ツアー。団体にとっても初上陸となる福岡での公演は、一般社団法人 街と劇場主催のもと、8月8日からの4日間、福岡市民ホール 小ホールにて上演される。「人と人は出会わなくてはならない」。そんな団体の理念やルーツが通底した『15 Minutes Made』の歩み、“15mm”に光る演劇的美学、そして、『15 Minutes Made 東京/福岡』の開催背景や参加団体であるギンギラ太陽’s、コンプソンズ、ザ・クズレルズ、システム個人、melomysの魅力とは…? Mrs.fictions主宰の今村圭佑とメンバーの岡野康弘、中嶋康太の3人に話を聞いた。

【写真】『15 Minutes Made 東京/福岡』の魅力を熱く語るMrs.fictions

◆“二都市をつなぐ、15分間の特別便” 久しぶりのツアーに込めた思い

今村:今回は、福岡公演の主催である一般社団法人 街と劇場さんに「福岡で『15 Minutes Made』をやりませんか?」とお声がけいただいたことをきっかけに企画が動き出しました。代表である中川實穗さんは福岡在住のライターさんでもあるのですが、Mrs.fictionsの過去作品『伯爵のおるすばん(2022)』の上演時にローチケ演劇宣言!でインタビューをしてもらったこともあるんですよ。

――なんと! ローチケでの中川さんとのご縁が福岡で!

中嶋:『15 Minutes Made』としては、2011年に大阪と東京でやったことがあったんですけど、以降ツアーはできてなかったんですよ。だから、せっかく福岡に行かせてもらえるなら東京でもやりたいよね、ということになり2都市でのツアー公演にさせてもらいました。団体としても福岡に行くのは初めてなんです。

岡野:大阪くらいの気持ちでいたんですけど、倍ぐらい遠いんだって新鮮にびっくりしましたね!

中嶋:新幹線でも5時間とかかかるということをまだ信じきれてないですが、楽しみです!(笑)

――参加団体については、どのような形でオファーを進めていらっしゃるのでしょうか?

今村:僕らだけで主催をやる時は3人で話し合ってお声がけをしているんですけど、今回は中川さんも含めて一緒に相談しながら決めました。いろいろとお話しているうちに、ザ・クズレルズ主宰の入江雅人さんが福岡出身だったり、melomysのメンバーである田崎小春さんが故郷である福岡でも公演をされていたりと、いろいろ混じり合うような感じになりましたね。

中嶋:Mrs.fictionsという団体そのものの成り立ちとしても、この企画を目的に旗揚げしたような感じだったんですよ。当時は「同世代の面白い人たちと何か一緒にやれたら」と思っていましたね。

今村:うんうん。すごく面白いんだけど、そこまでまだ名が広まってないような団体もいっぱいいましたしね。最近は、作品や団体のカラーはもちろん、できるだけ年代の幅も広く取れるように考えつつお声がけをさせてもらっています。

◆地域、世代、ジャンルを横断した6種6様の個性と魅力を堪能!

――今回の参加団体については、それぞれどんな印象をお持ちでしょうか?

今村:ギンギラ太陽’sは福岡を代表する人気の老舗団体なのですが、実は『15 Minutes Made』という企画においては悲願のオファーなんですよ。

中嶋:過去の15mmシリーズでもお呼びしたいと思っていた団体さんだったんですけど、突然お声がけして東京まで来ていただくには恐れ多いなという思いもあって…。

今村:なので、今回中川さんにも真っ先にお声がけしたい旨を相談しました。そしたらお引き受けしてくださって、しかも福岡だけでなく、東京公演にも来てくださることになって。

中嶋:お声がけをせず後悔するよりもお声がけした方が諦めもつくだろう、くらいの覚悟でいたので、快諾していただけてすごくうれしかったです!

今村:作品も団体のカラーが凝縮されたような素敵な内容なので、楽しみにしていただけたら。ギンギラ太陽’sを東京で見てもらえる機会を作れたことはとてもうれしかったです。

中嶋:また、同じく福岡と縁のある団体として中川さんに繋いでいただいて、melomysも参加してくださるのですが、ギンギラ太陽’sとはまた全然タイプの違う団体で、その振れ幅もとても面白いですね。melomysは田崎小春さんの一人芝居ですが、音楽(na/no)と 映像(文目卓弥)を担当される方もいらっしゃいます。

岡野:稽古を拝見したのですが、すごく素敵で。同じ俳優としてもなんだかすごく背筋が伸びる思いでしたね。

中嶋:生命力をものすごく感じさせてくださるパフォーマンスで。

今村:躍動感もあって。1人芝居って特殊なものではあるけれど、とても観やすくて、すっと体に入ってくる感じがあります。ちなみに、田崎さんはコンプソンズの大宮二郎さんとともにチラシビジュアルのモデルも務めてくださったのですが、それもすごく素敵なので是非注目していただけたら。

――バリエーションも含めてとても楽しみな2団体です。コンプソンズのお話も出ましたが、システム個人、ザ・クズレルズと、おもに東京で活動する団体も個性豊かな布陣ですよね。

今村:コンプソンズは元々交流のある団体でもありますが、今、僕ら界隈のお芝居の中心あたりにいるのがコンプソンズじゃないか、という気がしておりまして…。

中嶋:中川さんが真っ先に名前を挙げてくださったのがコンプソンズです。

今村:そうそう。あと、東京の方は観たことがある方が多いかもしれないですが、「是非福岡の方にも知ってほしい」という気持ちがありました。

中嶋:メンバーの大宮二郎さんは『伯爵のおるすばん(2019)』『ミセスフィクションズのファッションウィーク』や『再生ミセスフィクションズ3』など、我々の公演にも出演してくださっているのですが、今回はコンプソンズとしての出演なのでそれも楽しみです。

岡野:コンプソンズはやはりパンチとパワーが強い! 作・演出の金子鈴幸さんは岸田國士戯曲賞候補ですし「脂が乗っている団体」という感じが1発で分かるので、それも含めて楽しみにしていただけたら。

中嶋:それでいうと、システム個人もコンプソンズと近しい系譜なのかなと思うんですけど、世代はそのさらに下の世代で。それもまたうれしいですよね。最初にシステム個人の名前を出したのは僕なんですけど、自分の周りで「システム個人がすごく面白かった!」っていう方がいっぱいいらっしゃったんですよ。それで観に行ったら、本当に面白くてお声がけをさせてもらいました。オファーの時に主宰で作・演出の林泰製さんが「『15 Minutes Made』は学生の頃からの憧れの企画でした」と言ってくださって。若手なのにリップサービスもわきまえている…。

岡野:ね! 本当にキラキラした目でね…。

今村:うれしかったですね。

岡野:コンプソンズのコメディとはまたタイプが違って、「コメディ」というジャンルを一つとってもこんなに方向が違う2団体が並ぶのか、っていう面白さもありますね。システム個人は、物語の構造や導線を駆使して丁寧にかつ笑えるコメディを作られている印象があります。あと、とてもいい意味で肩の力が抜けているように見えるというか、俳優個人としては「自分はついぞああいう立ち方ができるようにならなかったな」と少し憧れたりもしています。僕は元々シティボーイズが好きでお芝居を始めたのですが、「役や物語を表現するために自分がいる」と思って力が入っちゃうところがあって、ああいう素直な舞台での立ち方に素敵さを感じるんですよね。

今村:システム個人という最若手もいれば、ギンギラ太陽’sやザ・クズレルズのようなベテランもいる、っていうのが、『15 Minutes Made 東京/福岡』のいいところですし、強みだと思います。

中嶋:ベテランの話で言うと、ザ・クズレルズに参加いただけるのもすごくありがたいです。

今村:ザ・クズレルズは、俳優の入江雅人さんが主宰する団体で、入江さんは一人芝居もすごく素敵なのですが、今回はザ・クズレルズとして大人数で参加してくださって、それもまたすごくうれしいですね。「日常の中で思いがけず訪れた心が揺らぐ一瞬をゆっくりと崩れ落ちることによってクローズアップし劇的に描いていく」というコンセプトなのですが、実際拝見してすごく面白いんですよね。あと、スローモーションとスローモーションの間にあるちょっとしたお芝居も素晴らしく、スローモーションだからこそ通常のスピードの際立つ瞬間があったり、入江さんの演技の説得力の深みが見えたりと、とっても刺激的です。

岡野:団体紹介には「コンテンポラリーダンスでもコントでもない、新たな可能性を秘めた唯一無二のパフォーマンスを繰り広げている」とも書いてあるんですが、これがマジでその通りだなと思っていて…。入江さんっていうベテランの俳優さんがまだ新たな可能性を秘めているっていう、そのモチベーションにもゾクゾクしますし、「入江さんが舞台の立ち方を新鮮に探し続けている」ということが、僕にとってはめちゃくちゃ刺激的で。こういう方が自分たちの先に立っていてくれること自体がめちゃくちゃうれしかったですし、ご一緒できることが光栄だと感じました。

中嶋:他のメンバーの方もそれぞれ魅力的な方ばかりで、観客の方と俳優さんとの新たな出会いにも繋がればうれしいです。

◆一つの参加団体としての思い メンバーが総力をあげて挑む新作へ

――そして、やはり『15 Minutes Made』は、主宰や企画としてだけでなく、参加団体としてのMrs.fictionsの作品が観られることも大きな特徴であり、魅力だと感じます。なので、Mrs.fictionsの作品の見どころも少しお聞かせいただけたら。

中嶋:我々は『ミセスフィクションズの恋しくて』という作品を上演するのですが、とある楽曲とそのカバー曲の2曲を聴いて感じたことが執筆のきっかけになっています。歌う人が誰であるかによって歌の主人公の姿も全然違って見えることってあるじゃないですか。そうしたことをモチーフに、ノスタルジー感のあるMrs.fictions的恋愛短編をやろうと思っています。あとは、今にしかない自分たちの気分や現状を作品に込めたい、というわがままにも付き合ってもらっています。

岡野:今回の出演者は僕と客演してくれる米田ひかりさん、そして、今村の3人芝居なんです。僕は毎回俳優をやらせてもらっているのですが、今村が俳優としてこういう形でMrs.fictionsの舞台に立つのは、結構珍しいことなんですよ。

今村:そうそう。『花柄八景』以来だから、6年ぶりですね!

岡野:メンバー3人でこうした密度で作品作りをする機会がすごく久しぶりなので、めちゃくちゃ恥ずかしい言葉ですけど、作・演出の中嶋がいて、今村と僕が俳優として立つということによって、Mrs.fictionsという成分がギュッと濃い感じになるかなと。そもそも僕と今村は俳優としてもかなりタイプが違うし、作品を真ん中にして改めて2人が舞台に立って、米田ひかりさんとともに一つの作品を作る。その3人のバランスを是非楽しんでいただけたらなと思います。

今村:そうですね。岡野くんは非常に真っ当にお上手な俳優ですけど、僕はどちらかというと…。

中嶋:Mrs.fictionsにおいては飛び道具的な役回りが多いんですよ。顔面白塗りだったり、パンクスになってもらったり、もはや原型を留めない形で出演することが多いですし(笑)。

今村:そう。見かけだけでも頑張ろう!と。白くなったし、金色になったし、緑色にもなりましたよね。劇場の退館時間が迫るなか、顔面金色のまま偉い人に挨拶したこともありました。

中嶋:あったあった!(笑)

岡野:でも、今回はちょっと違うんです。いつもは僕が主に作品を担う役をやらせてもらっているんですけど、今回は必然的に今村と僕のバランスが均等になる。そこがどう見えるのか、僕自身もドキドキしています。

今村:僕こそドキドキしています! でも、頑張るぞっていう気持ちがすごくあります。昔は肌や頭へのダメージとか全然考えてなかったけど、激しいヘアメイクも気になる年齢になってきましたしね…。

岡野&中嶋:あははは!

岡野:いずれにしても、期待していただきたいのは、どの団体も、15分という上演時間の中に「自分たちの売りはここである」、「これを見てください」っていうカラーが凝縮されているということですね。

今村:それが6団体並ぶのだから、たまらない! これまで18公演くらいやってきたんですけど、僕らが自信を持って言えるのは、「無駄のない玉のような15分が6個並ぶ」っていうこと。それは、作品を作ってくださる団体さんのおかげなのですが、公演としてすごく贅沢ですし、ちゃんと作品が6個しっかり並んでいるっていうことが『15 Minutes Made 東京/福岡』の特徴であり、魅力だと思っています。

中嶋:完全にホストに徹するというよりも、やっぱり一緒に作品を提出する対等な立場としてともに公演ができることが大きいのかなとは思いますね。

岡野:当然自分たちが「面白い!」と思う団体さんたちに出ていただくわけですけど、そこで「Mrs.fictionsが面白くない!」なんてことになると、説得力に欠けてしまうわけです。そういうある種のプレッシャーの中で、見劣りしないよう、「自分たちの作品を練り上げていこう」という気概はありますね。

中嶋:そう! 基本的には負け戦になるくらい面白い団体をお呼びしているからこそ、負け戦にならないように!

今村:そんな『15 Minutes Made』、思いついた時はもっと褒めてもらえるかと思ったけど、別にそんなことはなかったですね。

岡野&中嶋:あははは!

中嶋:良い企画で賞、ぐらいは貰えるかとね。

岡野:まあまだ紫綬褒章とかもあるしね。

今村:褒めてもらわなくても大丈夫なので、『15 Minutes Made 東京/福岡』に是非お越しいただいて、東京と福岡で存分に楽しんでいただけましたら幸いです!

(取材・文:丘田ミイ子)

Mrs.fictions presents『15 Minutes Made 東京/福岡』は、7月29日~8月2日、東京・テアトルBONBON、8月8日~11日、福岡・福岡市民ホール 小ホールにて上演。

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