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人気絶頂の中、“活動終了”を電撃発表…“令和大ブレイク”『5人組アイドル』が12年の歴史に幕を下ろすまでの“軌跡”

  • 2026.9.2
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超ときめき♡宣伝部 (C)SANKEI

超ときめき♡宣伝部が、2027年春頃をもって活動を終了することを発表した。2026年夏の全国ツアーや音楽フェス、12月の恒例ライブ「ときクリ」を経て、2027年春頃に最後のワンマンライブを開催予定。活動期間については、メンバーを含むチームで何度も話し合いを重ねたという。2026年の全国ツアーはグループ史上最大規模で、ホール公演は全会場完売。10月の日本武道館公演もソールドアウトしている。それだけに、グループがさらなる広がりを見せる中での活動終了発表は、大きな驚きをもって受け止められた。

ときめき♡宣伝部は2015年に結成。メンバーの卒業や加入を経験しながら活動を続け、2020年には菅田愛貴の加入とともに、グループ名を超ときめき♡宣伝部へ改めた。コロナ禍と重なった新体制のスタートは、予定していたツアーが中止になり、菅田の加入発表も配信で行われるなど、決して順調なものではなかった。一方で、ライブ会場だけではなく、配信やSNSを通じて自分たちを届ける方法を模索した時期でもある。そこでつかんだ発信力が、後の飛躍へとつながっていく。

「すきっ!〜超ver〜」が開いたSNSへの扉

躍進の起点となったのが、2021年の「すきっ!〜超ver〜」だ。2018年発表の「すきっ!」を6人体制で再録した同曲は、TikTokを中心に国内外へ拡散した。辻野かなみは2021年のavex portalのインタビューで、「TikTokでいろんな方が使ってくださってバズって、それがきっかけでこのメンバーで再レコーディング」したと説明している。流行に合わせて作られた新曲ではなく、以前からライブで歌い続けてきた楽曲が、時代の変化によって見つかったという点が重要だ。

超ときめき♡宣伝部は、「ときめく恋と青春」をテーマに活動してきた。好きという感情を何度も重ね、少し照れくさいほど真正面から届ける「すきっ!〜超ver〜」は、まさにその姿勢を凝縮した一曲である。短い動画の中でも伝わるフレーズの強さや、メンバーの表情、真似しやすい振付が入口となり、これまでアイドルに関心のなかった層や海外のリスナーにまで届いていった。SNSでのヒットは突然変異ではなく、長く守ってきた王道のアイドル性が、別の場所で発見された結果だった。

ただし、ひとつの楽曲が広がることと、グループそのものが支持されることは同じではない。「すきっ!〜超ver〜」を一度のバズで終わらせず、次の楽曲やライブへと関心をつなげられるか。そこからの数年間は、とき宣にとって、楽曲の知名度をグループの人気へと変えていく時間だったと言える。

一度のバズで終わらせなかった“ときめき”の更新

その流れを決定的なものにしたのが、2024年の「最上級にかわいいの!」だ。失恋を悲しみ続けるのではなく、振られた自分を〈最上級にかわいい〉と肯定する同曲は、TikTokでの総再生回数が12億回を突破。「すきっ!〜超ver〜」が相手に向かう好意を極限までまっすぐに歌った曲ならば、「最上級にかわいいの!」は、その“ときめき”を自分自身へと向けた楽曲である。誰かからかわいいと認められるのを待つのではなく、自分で自分の価値を宣言する。その強さが、時代の空気とも重なった。

さらに2025年には、「超最強」がTikTok音楽チャートで6週連続1位を獲得し、総再生回数は25億回を突破した。恋愛の場面に限らず、アイドルやキャラクター、身近な大切な人への思いを表す“推し活ソング”として使われたことで、楽曲の届く範囲はさらに広がった。「すきっ!〜超ver〜」「最上級にかわいいの!」「超最強」と、異なる時期に複数の楽曲が広がった事実は大きい。偶然ひとつの曲が当たったのではなく、“好き”をわかりやすく、かわいく、全力で届けるグループの表現自体が支持されていたことの証明でもある。

SNSで生まれた熱量をライブ会場へ

楽曲の広がりとともに、ライブの規模も着実に大きくなっていった。2024年1月には横浜アリーナで2日間のワンマンライブを開催し、同年12月のさいたまスーパーアリーナ公演は全席完売。2025年の10周年ツアーでは横浜アリーナ公演をソールドアウトさせ、大阪城ホールにも立った。さらに2026年のツアーでは、ホール公演に続いて日本武道館公演も完売している。

映像や配信でライブを楽しめる中、大規模会場まで観客が足を運ぶのは普通のことではない。楽曲を入口にメンバーを知り、ステージでの表現や関係性に惹かれ、宣伝部員として応援を続ける。超ときめき♡宣伝部は、SNSの一場面で完結する“かわいい”を、会場でしか味わえない体験へと変えてきた。コールやペンライトを通じて客席と一緒に空間を作り上げるライブは、彼女たちの“ときめき”が一方向の発信ではないことを示している。

最後まで現在進行形で届ける“ときめき”

振り返れば、変化したのはグループの規模や届け方だけではない。“ときめき”の意味そのものも広がっていった。「すきっ!〜超ver〜」では恋する相手へ、「最上級にかわいいの!」では自分自身へ、「超最強」では大切な推しへ。好きという感情の向かう先を少しずつ広げたからこそ、年齢や性別、アイドルファンかどうかを越えて、多くの人が自分の物語を重ねられるようになったのだろう。

活動終了までには、まだ時間が残されている。グループは最後のワンマンライブに加え、ライブ以外にもファンと会える機会を作るとしている。ここからの活動は、過去を懐かしむだけの終幕ではないはずだ。何度も新しい代表曲を生み、ライブの規模を広げてきた彼女たちが、最後までどのような“ときめき”を届けるのか。超ときめき♡宣伝部の12年は、好きな気持ちを隠さず表現することの強さを、時間をかけて多くの人へ伝えてきた歩みだったのである。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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