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定位置を奪われた私が、新入りをじわじわ追い出そうとした先で待っていたもの

  • 2026.7.24
ハウコレ

窓際に敷かれた見慣れない紫のマットの右上の角には、指2本ぶんの空きしかありませんでした。

私はいつもの場所を失い、次の教室に予約を入れました。受付で係の人が私の名前を確認したまま、しばらく席へ通さなかった意味を、私は帰り道で知りました。

10年通った教室で、私だけの窓際

私はこの教室に10年以上通っていました。窓際の鏡の右端は、私が誰よりも早く来て確保してきた場所だったのです。半年前から、若い受講生が私より早く来て、その位置にマットを敷くようになりました。誰にも言えないまま、私は彼女の隣にマットを敷き、腹いせのつもりで日を追うごとに自分のマットを窓際へ寄せていきました。悪いことをしている自覚は、私にもありました。

若い頃の私も、同じように追い出されました

10年前、私も同じことをされました。当時の古株にじわじわ場所を奪われ、私は隅の柱の後ろでポーズを取っていました。あの時の悔しさが、いつの間にか「順番」に変わっていました。翌週、彼女はレッスンの後で聞いてきました。「マットが少し重なっていた気がして」。私は鏡越しに彼女を見て、答えました。「あら、そう?」。返事にならない返事で、私は逃げました。

大げさに倒れた瞬間、鏡が映していたもの

2週間後、インストラクターが全体に言いました。「今日は動きが大きいポーズが多いので、間隔をきちんと取ってください」。それでも私はマットの位置を戻しませんでした。彼女がバランスを崩して私に触れた瞬間、反射的に思いました。今なら、私が被害者になれる。私は自分の意思で床へ倒れ込みました。「危ないじゃない!」。声を張り上げた瞬間、視界の端に鏡が入りました。私のマットが、彼女の場所に半分乗り上げていました。

そして...

私は次の週から、その教室に行けなくなりました。あの日の帰り、後ろから「ずっと詰めてましたよね」「私も同じことされました」という声が続いたのを、私は着替え室で聞いていました。インストラクターは全体に伝えました。「今後、決められたマット位置を守れない方には受講をお断りする方針にしました」。別の系列教室に予約を入れた日、受付の係の人は私の名前を確認したまま、しばらく席へ通しませんでした。若い頃の私が受けた仕打ちを、次の世代へ渡すことでしか自分を保てなかったのだと、今は思います。窓際の場所は、誰のものでもなかったのに。

(60代女性・パート勤務)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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