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「結婚は考えられない」と別れた彼→返された荷物に入っていた指輪ケースのレシート

  • 2026.7.23
ハウコレ

結婚なんて考えられない。別れ際にそう言った彼の言葉を、私はずっと恨んでいました。でも、本当に未来を手放したのは、彼のほうだったのかもしれない。そう思えてきたのです。

返してもらった紙袋の底に、小さなケースが1つ残っていました。指輪を入れるための、見覚えのないケースです。2人で過ごした1年ほどの間、それを受け取った覚えはありません。蓋を開けると、中にあったのは指輪ではなく、1枚のレシートでした。

箱を返しに来た元恋人

待ち合わせたカフェで、元恋人はコートも脱がずに席についていました。テーブルに置かれた紙袋を、私のほうへ少しだけ押し出します。

「ごめん。これ、君のだから」

そう言うと、彼は窓の外へ目を向けたままでした。別れを切り出されたとき、彼は「結婚なんて、今は考えられない」と口にしました。あの一言を境に、彼が遠ざかっていくのを止められませんでした。紙袋を受け取り、私は短く頭を下げて先に席を立ちました。

ケースの中の一枚

帰宅して、ケースの中のレシートを広げてみました。記されていたのは、宝石店で支払われた指輪の代金です。金額の桁を見て、思わず座り直しました。買われた日付は、半年も前のものでした。2人がいちばん穏やかに過ごしていた頃です。あの時期の彼が、こんなものを用意していたというのでしょうか。それなのに、最後まで手渡されることはありませんでした。問いだけが、私の中に積み上がっていきました。

言葉と日付の間

別れ際の彼は、結婚なんて考えられないと言いました。けれど、その指輪は、その言葉よりもずっと前に選ばれていたのです。本当はほしかったはずの未来を、彼は自分から手放したことになります。かつてはそんな先を思い描いていたのなら、なぜ最後はあんなふうに私を突き放したのか。傷ついた気持ちの奥に、彼へのわからなさだけが残りました。

そして...

私は、そのレシートを元のケースに戻し、引き出しの奥にしまいました。捨てる気にはなれません。彼の本心は、今もわからないままです。それでも、しまい込んだその箱の上に、新しい手帳を重ねて置きました。わからない人を待ちつづけるより、明日からの予定を書き込めるほうを選んだのです。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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