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インフルエンサーがリスクを知らずに暴走。子どものプライバシーを守らない投稿を前に、フォロワーはどうする?【著者インタビュー】

  • 2026.7.20

【漫画】本編を読む

誰でも気軽にSNSや動画で日常を配信できる今の時代、問題視されているのが親が子どもの写真や動画をアップする「シェアレンティング」だ。一度ネットに流れた写真や動画は、完全に削除するのが難しい。その危険性を、私たちは本当に理解しているだろうか。『子どもをネットにさらすのは罪ですか?』(まきりえこ/KADOKAWA)は、そんな社会問題に切り込んだセミフィクションのコミックエッセイだ。

主人公は、モラハラ夫との離婚を目論む山田あずさ。窮屈な日常から抜け出すため、動画配信サービス「デイチューブ」でこっそり配信を始めたところ、予想以上の反響を得た。もっと人気になりたい――。そう思うようになったあずさは、視聴者から好評だった娘・ふうかの出演を増やすように。歪んだ承認欲求は、やがて親子関係に暗い影を落としていく。

自身も母親である著者は、なぜこのテーマを描こうと思ったのか。また、作品を通して読者に伝えたかった想いとは…? 制作の裏側や親という立場であるからこそ感じた葛藤を、著者のまきりえこさんに伺った。

――本作では、目に見えて反響が分かる動画配信のおもしろさにのめり込んでいく主人公・あずさの姿が印象的でした。配信やSNSの反響には、心の隙間に入り込んでくる力があると思うのですが、まきさんもそう思われたことはありますか。

まきりえこさん(以下、まき):発信することには、ある種の依存性があるように感じます。私は、自分が何かに依存していると思ったら1週間単位で「◯◯絶ち」をします。それに触れられないことでモヤモヤしたら「依存している!」と分かり、本格的に脱依存の手当てができるからです。

発信には持続力や分析力が必要なので、結果を出せる人はおそらく現実での改善力も高い人。だから、発信でガス抜きをするより、現実と取っ組み合うほうが効果が大きいかもしれませんね。

――発信は、継続してこそ結果が出るところがありますね。まきさんはブロガーだった頃、子育てブログでランキング1位になられたそうですが、当時の教訓はなんでしょうか。

まき:私がブロガーだった頃は、ランキングを争う上位ブロガー同士には交流があり、互いのブログを紹介し合っていました。そのときにもっとも衝撃を受けたのは、自分は紹介されたがるのに相手のことは紹介せず、深夜にお相手を紹介したかと思ったら翌朝には紹介記事を消し去る人がいることでした。

そんな風に、他人のことを“利用できるモノ”みたいに見るようになったら、よくないですよね。SNSも、応援してくれるフォロワーが数字にしか見えなくなったら、よくないのではないでしょうか。そういう心情になると味方もおらず、孤独になるので、自分の搭載エンジンがよほど大きくないと息切れして消えてしまうと思います。

――なるほど…。発信の世界でも現実社会と同じく、他人を思いやる心が大事なんですね。ただ、本作のあずさもそうでしたが、“危ない状態の自分”って自覚することが難しいですよね…。

まき:あずさは、「具体的にどんな危険があるというの?」としか思っておらず、危険を認識している層とは情報の落差があります。彼女のその姿勢は、あえてリスクを無視することで「動画配信で収入を得て離婚する」という目標を頑なに守ろうとしているようにも見えます。

誰の意見も届かない状態になっている人を翻心させるのは、なかなか難しいものですよね。

――もし、発信者(保護者)がそういう状態であるとき、視聴者はどうすればいいでしょうか。

まき:情報が古いままで止まっていて、子どもにターゲットを絞った犯罪や個人情報漏洩による危険の増大、児童性犯罪のマーケットに我が子の情報が流出した場合の危険など、知れば震え上がるような現状を知らない発信者(保護者)は意外と多いのではないでしょうか。

ただ、指摘という形だと関係によっては受け入れてもらえない場合もあるため、「うかつな個人情報の発信は本当に怖いよ」「子どもは守らないといけない」という一般論として、ネットの怖さを伝える方法がいいかもしれません。

取材・文=古川諭香

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