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「隠し口座の金を、今すぐよこせ」三回忌の廊下で夫に詰め寄った叔父。だが、私が間に入った結果

  • 2026.7.21

三回忌の廊下から聞こえた声

義父の三回忌には、親戚が二十人近く集まりました。

読経が終わり、焼香の順番を待っていたときです。

夫の叔父が、そっと夫の袖を引き、「ちょっと来い」と耳打ちするのが見えました。

この叔父は、昔から金遣いの荒さで親戚中に知られた人でした。義父が生きていた頃も、何度も借りに来ては返さなかったと聞いています。

二人が廊下へ消えたあと、どうにも胸騒ぎがして、私は数珠を握ったまま後を追いました。

曲がり角の手前で、足が止まりました。

叔父の声が、思っていたより大きく響いていたのです。

「隠し口座の金を、今すぐよこせ」

のぞくと、叔父は夫の肩を掴んでいました。

「兄貴が隠してた口座の暗証番号、お前なら知ってるだろ。早く教えろ」

「叔父さん、今日は父の法要ですよ」

「だからだよ。みんな集まってる今しか、聞けねえだろ」

線香の匂いが漂う廊下で、その言葉を聞いた瞬間、背筋が冷たくなりました。この人は、義父を悼むためにここへ来たのではなかったのです。

一喝で青ざめた叔父

気づけば、私は二人の間に体を割り込ませていました。

「その手を、離してください」

叔父が振り返り、へらへらと笑いました。

「嫁さんは黙ってなよ。身内の話だ」

「身内の法要で、お金の話をするんですか」

うるせえな、関係ねえだろ。

そう吐き捨てられた瞬間、私は腹の底から声を出していました。

「じゃあ今の話、ここにいる全員に聞いてもらいましょうか」

叔父の顔から、笑いが消えました。

夫の肩を掴んでいた手がだらりと落ち、口が半分開いたまま、言葉が出てこないようでした。

そのとき、廊下の先から義母と親戚たちが顔を出しました。

「今の、聞こえたわよ」

義母が静かにそう言うと、後ろにいた従兄も低い声で続けます。

「それは筋が通らんでしょう。今日が何の日か、わかってますか」

叔父は「冗談だ、冗談に決まってるだろ」としどろもどろに繰り返し、逃げるように靴を履くと、そのまま帰っていきました。

会食に顔を出すこともありませんでした。

「すまん、うちの叔父が」

夫が頭を下げましたが、私は首を振りました。

「はっきりして、よかったです」

その後、親戚一同で申し合わせ、叔父とは一切の連絡を断つことになりました。

義母は通帳も印鑑も、別の場所へ移したそうです。

先日、別の親戚の集まりで叔父と鉢合わせしました。目が合った途端、向こうが先に視線を逸らし、そそくさと壁際へ寄っていきます。義父の遺影の前で、私はようやくゆっくり手を合わせることができました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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