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「出ていけ、お前の存在がうざい」酔って毎晩暴言を送りつけた夫。だが、送信取り消しが出来ず固まった瞬間

  • 2026.7.21
「出ていけ、お前の存在がうざい」酔って毎晩暴言を送りつけた夫。だが、送信取り消しが出来ず固まった瞬間

寝たふりで消してきた20年

夫は、酒が入ると別人になる。

外で一緒に飲めば、些細なことで機嫌を損ねて先に帰ってしまう。

気づけば私ひとりが店に取り残されている。日常茶飯事だった。

厄介なのは、家で飲んで喧嘩になった時だ。

付き合うだけ無駄なので、私はさっさと寝室へ引き上げて布団をかぶる。すると、枕元のスマホが震えはじめる。

メッセージアプリに、暴言が積み上がっていく。

「出ていけ、お前の存在がうざい」

「誰のおかげで飯が食えてると思ってんだ」

「明日までに荷物まとめとけよ」

ひと晩で30件を超えることもあった。それでも私は、既読を付けない。寝たふりのまま朝を待つ。

翌朝になると、シラフに戻った夫が、こっそり全部を消すからだ。

画面に残るのは「メッセージの送信を取り消しました」の一行だけ。

 

夫は何事もなかった顔で味噌汁をすすり、その週末には決まって焼肉に連れていく。

1万2千円の会計を済ませる時だけ、少し誇らしげな顔をした。

「たまには、こういうのもいいだろ」

謝罪の言葉は、20年間、一度も聞いたことがない。

既読にした32件

変化を教えてくれたのは、社会人になった娘だった。

「ママ、あのアプリ仕様が変わったの知ってる?」

「知らない」

「送信の取り消し、送ってから1時間を過ぎたらもうできないの」

半年ほど前のことだ。私はその話を、黙って覚えておいた。

その夜も、夫は缶ビールを5本空けて絡んできた。

私はいつも通り寝室へ逃げ、スマホを裏返して眠った。

届いていた暴言は32件。最後の一通は、深夜2時を過ぎていた。

朝、私は台所で、その32件を上から順に開いた。1時間なんて、とうに過ぎている。

起きてきた夫が、スマホを手に取った。指が止まる。何度もスクロールして、また止まる。

「……なあ」

「読んだよ。全部」

夫の顔から、すうっと血の気が引いていった。

「あれは、酔ってたから」

「もう消せないでしょう。1時間、とっくに過ぎてるもの」

言いかけた口が、そのまま閉じた。夫はテーブルの木目に目を落として、動かなくなった。

そこへ、娘が起きてきた。私の手元を覗き込んで、短く言う。

「うわ。これパパが打ったの?」

夫は答えられなかった。

「消えないよ、それ。私も同じの持ってるから読めるし」

私は夫に向き直った。

「焼肉はもういい。次に同じものが来たら、荷物をまとめて出ていくのは私のほうだから」

夫は椅子に座ったまま、固まっていた。

あの朝から、夜のスマホは一度も震えていない。

夫は今も酒を飲む。ただ、缶を開ける前に必ずスマホを充電器へ置きに行く。自分の言葉が消えずに残る場所があると、ようやく覚えたらしい。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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