1. トップ
  2. エピソード
  3. 兄「親父の遺産は長男の俺がもらう!」私「ありがとう!」→数週間後「助けてくれ」強欲兄の哀れな末路

兄「親父の遺産は長男の俺がもらう!」私「ありがとう!」→数週間後「助けてくれ」強欲兄の哀れな末路

  • 2026.7.18

父の体調が悪くなってから、病院や手続きに通っていたのはほとんど私でした。忙しいと言って顔を出さなかった兄は、父が亡くなった途端、「遺産で豪遊だ!」とはしゃぎ始めます。私が思わず「ありがとう!」と返したのには、理由がありました。

父の入院と、兄の冷たい態度

父が体調を崩して入院したのは、秋の終わりごろでした。数日で退院できると言われていたものの、回復には時間がかかり、私は仕事の合間を縫って病院へ通うようになりました。着替えを届け、医師の説明に同席し、支払いを確認する。ひとつひとつは小さなことでも、それが続けばかなりの負担になります。

兄に何度連絡しても、返ってくるのは「仕事が忙しい」「そっちでやっておいて」のひと言ばかり。父が会いたがっていると伝えても、「俺が行ったって病気が治るわけじゃないし、そういう細かいことはお前のほうが向いてるだろ」などと言って、結局ほとんど顔を出しませんでした。それでも父は、兄のことを悪く言いませんでした。


昔から兄はお金にだらしなく、車のローンや家賃、子どもの学費と理由をつけては、父に何度も援助してもらっていました。私が「もう少し距離を置いたほうがいい」と言っても、父は「親だからな」と困ったように笑うだけ。そんな父を見るたびに、言葉にしづらい悔しさが胸に残りました。

母は数年前に亡くなっていたため、父の相続人は兄と私の2人でした。父が亡くなったあと、葬儀の手配はもちろん、当面の費用も私が負担しました。兄は一応参列したものの、受付や親族へのあいさつを手伝うでもなく、兄嫁と控室の隅で小声で話してばかり。私が葬儀費用について相談しても、「あとで遺産から払えばいいだろ」と言うだけで、自分で負担する気はないようでした。それなのに、兄夫婦が話していたのは、父の車や実家の土地がいくらで売れるかということばかり。父を見送るより先に、残された財産を当てにしている2人を見て、胸がざわついたのを覚えています。

「親父の遺産は長男の俺がもらう!」

葬儀が終わって数日後、兄から連絡がありました。ねぎらいの言葉も、手続きを手伝うという申し出もなく、第一声から父の財産の話でした。父の家や土地を持ち出して「あれを売ればそこそこ入るだろ」と軽く言い、預貯金もあるはずだと決めつけて、まるで自分の臨時収入のように話を進めていきました。

そのうえ兄は、「昔から長男が多めにもらうのが筋だろ」「手続きだけは早く進めてくれよ。余計な口出しはするな」と、一方的な言い分ばかり並べました。挙げ句には、「病院通いが大変だって騒いでたけど、どうせ暇だったんだろ」とまで言うのです。父の入院中も葬儀のときも長男としての役目を果たさなかったのに、遺産の話になった途端、「長男だから」と権利だけを主張する。その身勝手さに、私は言葉を失いました。


「親父の遺産は長男の俺がもらう!」「これで豪遊できるわ~」

電話口の兄は、浮かれた声でそう言いました。さらに、「お前は余計なことをせず、早く手続きを進めろよ」と急かしてきました。私は思わず、「ありがとう!」と声を上げました。兄は一瞬黙り込み、「え?」と間の抜けた声を出しました。

「相続してくれるんだね。助かった」

私がそう続けると、兄は得意げに言いました。

「当たり前だろ。俺は長男なんだから」

もちろん、私は兄の言葉に感謝したわけではありません。父の書類を整理していた私は、実家や預貯金だけでなく、借入金や未払いに関する書類も見つけていたのです。兄が期待しているような、受け取るだけの遺産ではありませんでした。

「ただし、相続するなら借金も含めて確認したほうがいいよ」

私が伝えると、兄は鼻で笑いました。

「どうせ大した額じゃないだろ。家を売れば余裕だって」

電話の向こうでは、兄嫁も「早く遺産を分けてもらわないと困る」と騒いでいるようでした。私は、父に借入金や未払いが残っている可能性があることと、相続を承認するか放棄するかを決める前に、専門家へ相談したほうがいいことを、もう一度はっきり伝えました。

それでも兄は、「俺は長男なんだから、口を出すな」と聞く耳を持ちませんでした。そこまで言うのなら、これ以上、兄のために調べたり手続きを手伝ったりする必要はありません。私は、自分の相続放棄に必要な手続きだけを進めようと決めました。

父が残したものは、お金だけではなかった

父の書類を整理し、役所や金融機関に確認しながら、私は専門家にも相談しました。その結果、父には実家の土地建物とわずかな預貯金がある一方で、昔の借入金や未払い、保証に関する問題が残っている可能性が高いことがわかりました。金額をすぐに確定できるものばかりではなく、財産より負担のほうが大きくなるおそれもあるとのことでした。

私は兄にも資料の写しを渡し、内容を確認するよう伝えました。相続を承認するか放棄するかは、それぞれが決めなければなりません。私は専門家に相談したうえで、相続放棄の手続きを進めることにしました。


資料を見せても、兄は強気な態度を崩しませんでした。「お前が大げさに言ってるだけだろ」「親父の家を売れば金になる」「俺は長男なんだから口出しするな」と、そんな言葉ばかりでした。けれど実家は古く修繕も必要で、名義や境界の確認、固定資産税や管理の問題もあり、売ればすぐ現金が入るというものではありません。

兄は周囲に「父の遺産が入る」と話していたようで、飲み会で気前よく支払ったり、車の買い替えを口にしたりしていたと、あとから親戚づてに聞きました。しかし、忠告を聞き流した兄の後始末まで、私が引き受ける理由はありません。

父が亡くなってから4カ月ほどたったころ、兄からの連絡が急に増えました。以前は強気だった声にも焦りがにじみ、「父宛てに届いた通知の意味がわからない」「金融機関に確認したら、思っていた話と違った」「実家の管理費用はどうすればいいんだ」と、しきりに説明を求めてきました。

「お前、知ってたならちゃんと言えよ」と責める兄に、私は静かに返しました。

「借金や未払いがあるかもしれないことは伝えたよ。聞こうとしなかったのは、お兄ちゃんでしょ」

電話の向こうで、兄は言い訳を探すように何度も言葉に詰まりました。以前のような余裕はなく、「じゃあ、どうすればいいんだよ。頼む、助けてくれ」と声を震わせていました。

「自分で専門家に相談して。もう私が代わりに全部やることはできない」

父の世話を避け、葬儀でも遺産のことばかり考えていた兄が、いざ負担が見えてくると、今度は私に助けを求めてくる。その身勝手さに、もう振り回されたくありませんでした。

兄が知った現実

その後、兄が期待していたような、まとまった現金が入ることはありませんでした。借入金や未払い、実家の管理にかかる費用を一つずつ確認するうちに、兄もようやく事態の深刻さを理解したようです。

しばらくして、兄は「俺も相続放棄する」と言い出しました。けれど、相続放棄には原則として期限があります。兄は、父が亡くなったことも、自分が相続人であることも早い段階で知っており、それからすでに5カ月近くが過ぎていました。期限を過ぎている可能性があり、今から相続放棄できるかどうかは、専門家に確認する必要がありました。

兄は電話口で、「期限があるなんて聞いてない」「今から何とかならないのか」と声を荒らげました。しかし、以前のような余裕はありません。私は、「今から手続きができるかどうかも含めて、すぐ専門家に相談して」とだけ返しました。借金の可能性を伝えたときに、兄が専門家へ相談していれば、もっと早く期限についても確認できたはずです。

「私は必要なことを伝えて、自分の手続きをしただけ。これ以上、私にできることはないよ」

そう伝えると、電話の向こうで兄は言葉に詰まりました。

父を金づるのように扱い、最後まで面倒を人任せにしてきた兄に、以前の強気な口調はもう残っていません。それ以降、私は必要な連絡以外は受けないことにしました。兄の都合に合わせて動く生活は、もう終わりにしたかったのです。


私の手元には、私が子どものころに父と一緒に撮った写真が一枚だけ残っています。父に対して思うことはたくさんありますが、兄の問題まで抱え込むのはもうやめました。


最近は、仕事の後に少しずつ部屋を片付け、ずっと後回しにしていた資格の勉強も再開しました。週末には父が好きだった和菓子を買い、仏壇に供えることもあります。派手な変化ではありませんが、兄からの電話におびえて過ごす時間は減り、自分の予定を自分で決められる日が少しずつ増えています。

◇ ◇ ◇

家族だからといって、相手が避けてきた責任や、自分で選んだ結果まで背負う必要はありませんよね。できることを伝えても相手が聞こうとしないのなら、無理に手を差し伸べ続けず、自分の生活を守るために距離を置くことも大切なのかもしれませんね。

【取材時期:2026年5月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む

クリエイター情報

ベビーカレンダー

ベビーカレンダーは妊娠・出産・育児の情報サイトです。みんなのクチコミや体験談から産婦人科検索、おでかけ情報、離乳食レシピまで。月間利用者1000万人以上。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ