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農水省が注意喚起!【アウトドア料理の食中毒】屋外レジャーの調理を安全に楽しむためのポイントを栄養士が解説

  • 2026.7.18

楽しいアウトドア料理の裏に潜むリスク! 食中毒の原因菌を詳しく解説

大自然の中で楽しむバーベキューやキャンプ飯は格別ですが、衛生管理には細心の注意が必要
大自然の中で楽しむバーベキューやキャンプ飯は格別ですが、衛生管理には細心の注意が必要

キャンプ場など屋外でのバーベキューや“キャンプ飯”を楽しむ人が増えるこれからの季節。楽しいアウトドア料理の裏には、実は食中毒のリスクが潜んでいます。農林水産省が公式X(旧Twitter)で呼びかけた注意喚起をもとに、屋外レジャーでの調理や食事を安全に楽しむための重要なポイントを栄養士が解説します。

農林水産省は公式Xにて、「屋外レジャーでの調理・食事を安全に楽しもう!」と題し、アウトドアにおける食中毒予防を広く呼びかけています。屋外は家庭のキッチンとは異なり、温度管理や手洗いの環境が十分に整っていないことが多いため、食中毒の原因菌が繁殖しやすい条件がそろってしまいがちです。

農水省の公式Xで投稿された「屋外レジャーの食中毒予防」を呼びかける投稿。
農水省の公式Xで投稿された「屋外レジャーの食中毒予防」を呼びかける投稿。

アウトドア料理の食中毒リスクについて、栄養士の視点から少し詳しく解説しましょう。特に注意すべき代表的な原因菌には、以下のものがあります。

食中毒の原因菌によって感染から発症までの潜伏期間、症状はさまざま。
食中毒の原因菌によって感染から発症までの潜伏期間、症状はさまざま。

・腸管出血性大腸菌(O157など)牛肉などから感染するリスクがある病原性の大腸菌です。特にひき肉の生焼けには注意が必要で、殺菌されていない井戸水や湧き水、川の水が感染源になる場合もあります。潜伏期間は10~15時間(O157は10日以上のこともあり)、症状は頭痛、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱、血便などです。重症化すると死に至る場合もあります。

・カンピロバクター生の鶏肉に潜んでいることが多く、菌に汚染された水を口にしても感染します。ペット(犬や猫)も保菌していることがあり、触れた後に手洗いを十分にせずに調理することで感染するリスクもあります。潜伏期間が2~4日と長く、主な症状は発熱、腹痛、下痢、頭痛などです。

・サルモネラ属菌牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵に付着している可能性があります。卵の殻に付いた菌が、ヒビから中に入り込んでしまうこともあります。潜伏期間は12~24時間、主な症状は下痢、腹痛、悪臭のある水様便などです。

・腸炎ビブリオ夏に発生することが多く、魚介が原因となる菌です。海水に強く、真水(水道水)に弱い性質があるため、調理前に魚介の表面をよく水洗いすることがポイント。潜伏期間は12時間程度、主な症状は上部腹痛、下痢などです。

・黄色ブドウ球菌人の鼻腔などにいる常在菌です。通常は害がありませんが、手指に傷がある人や鼻風邪を引いている人が、菌が付いた手で食材を扱うことでほかの人に感染し、腹痛や吐き気を起こすことがあります。潜伏期間は3時間前後、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などです。

食中毒を防ぐ! 今日から実践できる「食材管理」と「手洗い」の鉄則

肉はトレイ入りのままではなくビニール袋などに移し、しっかり結んで運びましょう。
肉はトレイ入りのままではなくビニール袋などに移し、しっかり結んで運びましょう。

こうしたリスクから身を守るため、食中毒を防ぐポイントである「食材の管理」「水洗い」「調理器具の使い分け」「加熱」の4つを徹底していきましょう。1つずつ詳しく解説していきます。

まず「食材の管理」においては、生肉や生魚から出るドリップ(血の交じった汁)が他の食材に付着しないよう、トレイのままではなく事前にビニール袋に移して密閉することが大切です。また、常温下では原因菌が爆発的に増殖するため、調理を始める直前まで保冷剤を入れたクーラーボックスの中でしっかりと冷やして保管してください。

キャンプ場の炊事場にある水道水を使って、指の間もしっかり手洗いしましょう。
キャンプ場の炊事場にある水道水を使って、指の間もしっかり手洗いしましょう。

次に「水洗い」です。キャンプ場にある美しい川の水にも原因菌が潜んでいる可能性があるため、手や野菜、食器を洗う際には必ず炊事場の水道水(ない場合は飲用の持参水)を使用しましょう。生肉や魚介を触った手でそのまま他の器具を触ることは絶対に避け、指の間まで丁寧に洗い、清潔なキッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ってから次の作業に移ることが基本となります。

二次感染を防ぐ工夫! まな板の使い分けとトング・お箸の役割分担

100均などで手に入る持ち運びやすい簡易まな板を複数用意し、野菜と肉・魚を分けて切りましょう。生野菜の近くに生肉・生魚を置くのは二次感染のリスク大です。
100均などで手に入る持ち運びやすい簡易まな板を複数用意し、野菜と肉・魚を分けて切りましょう。生野菜の近くに生肉・生魚を置くのは二次感染のリスク大です。

さらに調理中の「二次感染」を防ぐため、まな板と包丁は「野菜用」と「肉・魚用」で完全に分けるか、切る順番を「野菜→肉・魚」にする工夫が必要です。あらかじめ前日の夜や当日の朝に、自宅のキッチンで食材をカットし、保存袋に小分けして持参すれば、現地での手間も省けて衛生的です。

生肉を置く・裏返すは「トング」、取り分けは「箸」など、誰もが分かりやすい使い分けを。
生肉を置く・裏返すは「トング」、取り分けは「箸」など、誰もが分かりやすい使い分けを。

また、農林水産省の実験でも効果が実証されているのが、トングとお箸の使い分けです。生肉を網に乗せたり裏返したりする際には「トング」を使用し、焼き上がったお肉を取り分ける際には「専用のお箸」を使用することで、大腸菌の検出を完全に防ぐことができます。同じ器具で肉を焼いて取り分けまで行うと菌が検出されてしまうため、グループ全員が分かりやすいルールを作って区別しておくと良いでしょう。

中心部までしっかり加熱! 自宅に帰ってからの洗浄消毒までがアウトドア

お肉や魚介類は中心部まで火が通っていることを確認してから口にするようにしましょう
お肉や魚介類は中心部まで火が通っていることを確認してから口にするようにしましょう

お肉や魚介類を網や鉄板で焼く際には、中心部まで十分に火を通す「加熱」が不可欠です。竹串などを刺してみて、血の混じった肉汁が出てくる場合は加熱不足のサインです。牛肉は表面をしっかり焼くことでリスクを軽減できますが、時間の経過とともに菌が内部に浸透している場合もあります。

特に、スジ切りなどの加工を施したお肉や、調味液に漬け込んだお肉は内部にまで菌が入り込んでいる可能性があるため、子どもや高齢者など抵抗力の弱い人が食べる場合は、中までしっかりと熱を加えましょう。

そして楽しいレジャーが終わった後にも、大切な作業が残っています。屋外の炊事場では調理器具の片付けが簡易的になりがちであるため、持ち帰ったまな板や包丁、食器類は自宅で再度丁寧に洗浄し、熱湯消毒やキッチン用アルコール、塩素系漂白剤を用いてしっかりと消毒・乾燥させてください。

屋外の炊事場では調理後の片付けが簡易的になりがちですが、しっかり対策を行えば、アウトドア料理は安全に楽しむことができます。正しい知識を身につけて、これからの季節のバーベキューやキャンプ飯を、家族や仲間と笑顔で満喫してくださいね。

(野村ゆき)

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