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片付けたそばから散らかっていく…そんな状況から脱出! 片付けに対する考え方を変え、家族全員が過ごしやすい空間を作る整理収納術!【書評】

  • 2026.7.17

【漫画】本編を読む

『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(おぐらあんこ/オーバーラップ)は、「片付けても片付けても散らかる!」という、子育て家庭が抱える悩みに真正面から向き合ったエッセイである。

著者・おぐらあんこ氏の家は、子ども4人に加えて犬と猫がいる6人+2匹の大家族。片付けても5分後には床がジャングル状態。脱ぎっぱなし、出しっぱなし、置きっぱなしが積み重なり、家の中はまさに「魔窟」と化していた。とはいえ片付けを諦めていたわけではなく、むしろ収納術や整理整頓の書籍を読み、丁寧に暮らす人のSNSに憧れ、必死に努力してきた。にもかかわらずうまくいかなかったのだ。

そんなおぐら氏はひとつの結論にたどり着く。「片付けられないから悪い」ではなく、「無理な片付け方を押し付けていた」というものだった。自分にとって使いやすい収納が、必ずしも夫や子どもたちにとって使いやすいとは限らない。戻す場所がわかりにくい、動線に合っていない。そんな小さなズレが積み重なって「片付けられない家」を生み出していたのである。

そこで「私が頑張る」のをやめるのだ。その代わりに子どもの行動に合わせて収納や仕組みそのものを変えていく。ペンやノートなどよく使うものはあえて見えるように箱に入れておくだけ、爪切りや眉毛ハサミなど家族で使うタイミングが異なるものは定位置を決めずにスライドジッパー付き保存袋に入れるだけ、という具合だ。決して映える収納ではないが、「ママあれどこ?」が減り、家族全員が自然に片付けられる環境が少しずつ出来上がっていく。

「理想の暮らし」を押し付けるのではなく、「我が家に合う仕組みを見つけよう」というスタンスが心地よい。目指すのはSNS映えではなく、家族全員が維持できること。その考え方は多くの家庭にフィットするのではないだろうか。

片付けは母親ひとりが背負うものではない。本作は、収納テクニック以上に、頑張る方向を変える大切さを教えてくれる。家族の散らかし癖に疲れ果て、「どうして私ばっかり……」と思ったことがある人なら深く共感し、参考になるはずだ。

文=馬風亭ゑりん

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