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【団地のふたり】第1話見どころ—小泉今日子×小林聡美が描く、「50代なんてまだ小娘」と笑える日々

  • 2026.7.15

【団地のふたり】第1話見どころ—小泉今日子×小林聡美が描く、「50代なんてまだ小娘」と笑える日々

一昨年、NHK BSで大きな話題を呼んだ「団地のふたり」が、NHKドラマ10で地上波放送。小泉今日子と小林聡美が演じる50代の幼なじみと、団地に暮らす人々との何気ない日常を、やさしいまなざしで描いた名作です。もう一度楽しみたい人も、初めて見る人も、その見どころを振り返ります。 ※ネタバレあり

ふたりの日常には、とっておきの時間がある

ご近所で「頭がいい子」と有名だった野枝(ノエチ/小泉今日子)は、大人になってもすごく優秀だった。勤務する大学では准教授の道が見えていたというのに、変な噂が流れたせいで、その大学を去らなくてはならず、55歳のいまは大学非常勤講師をしている。

一方、ノエチの幼なじみの奈津子(なっちゃん/小林聡美)は、絵を描くのが得意で、売れっ子イラストレーターとして活躍。こちらは順風満帆かと思いきや、その後、景気が冷え込んでイラストの需要が減ってしまった。彼女の暮らしぶりをみていると、イラスト以外の得意分野もあれこれありそうだが、どうやら副業をする気はなさそうだ。

そして、ふたりの住まいは同じ「夕日野団地」。どちらも一度は独立したが、いまは二度目の実家暮らしをしている。ノエチは両親と同居、なっちゃんはすでに父親を亡くし、母親は1年ほど前から静岡で親戚の介護をしているのでひとり住まい。おまけになっちゃんが料理上手なもんだから、ノエチは夜な夜なご飯を食べにやってきて、ひとしきりストレスを発散してから自分の部屋に帰っていく。

そう。ふたりの日常には、とっておきの時間がある。気心知れた幼なじみとともに食卓を囲み、たわいもないおしゃべりをする時間が、ふたりの心をふっくら満たしている。

仕事面でのアンラッキーな境遇を考えると、心が折れそうになることもあるだろうに、ふたりはネガティブな感情を露骨に出すことはしない。それができているのは、たぶん、気持ちを切り替える時間を、こんなふうに上手につくっているからだと思う。

50代なんて「まだ小娘」らしい

東京郊外にあるこの団地で育った子どもたちはどんどん巣立ち、少子高齢化が進んでいることもあって、いまは空き家が目立つ。住人はシニア世代が圧倒的に多いから、この世代からすると、50代なんて「まだ小娘」らしい。そしてその小娘には、近隣の人からの頼みごとがしょっちゅう舞い込んでくる。

あるとき、押しが強めの佐久間のおばちゃん(由紀さおり)からのお願いごとをうっかり引き受けてしまった。それはおばちゃんの家の“網戸の張り替え”だった。団地には、そこらじゅうに暇そうなシニア男性もいるというのに、おばちゃんは男手をまったくあてにしていない。その理由は「おじいさんは、いばるし、怒るし、すぐ骨折するから」だそうだ。なるほどなぁ。

ふたりは素人ながらもなんとか張り替えに成功した。すると、この一件はあっという間に近隣に知れわたってしまい、そこからは週末ごとに誰かの家の網戸を交換させられるハメになる。突然に団地のDIY要員として活躍し始めるふたり。文句がないわけじゃないけれど、なんだかんだ言って、頼られるのはまんざらでもなさそうだ。

そして団地には自治会理事長であるノエチの父親(橋爪功)をはじめ、貫禄たっぷりのシニアがひしめいているので、物語がすすむにつれ、冗談抜きで、ふたりがどんどん小娘に見えてくる。

小さなラッキーを見つけるのが上手なふたり

思い返せば80年代に、四半世紀続いている女の友情を描いたトレンディドラマ「抱きしめたい!」(浅野温子・浅野ゆう子のダブル主演)が流行した。時は流れ、令和の時代いま、ちょうど倍の時間の「半世紀」の付き合いが続いている仲良しふたりのドラマが、私たちの心にすっと入ってきている。

主人公のふたりが関係をこじらせずに友情を長持ちさせている理由を察するに、まず、精神面でもたれかからず、節度を保っているからじゃないだろうか(それに加えて、どうやらなっちゃんが鋭い観察眼を持っていることも一因みたい)。

ふたりが違う分野の仕事に就いていることも大事だ。変な競争心が芽生えにくい。それでいて共通項として独身であること、子どもがいないという点はおさえておきたい。

さらにこのふたりにはもうひとり、仲良しの幼なじみがいた。幼くして亡くなった空(そら)ちゃんの存在が案外大きくて、彼女はふたりをつなぐキーパーソンだと思う。

長い付き合いと言えば、この団地もしかりで、彼女たちと同世代なので年期が入ってきている。だから家の中にはガラクタ……じゃなくて、昭和レトロなビンテージの「お宝」が眠っている。

この「お宝」をフリマアプリに出品してみたら、意外に高値で落札されて、ときどきチャリーンと臨時収入が入ってくる。それでちゃっかり地方の美味しいものをお取り寄せしたり、ふたりはこまめに幸せを見つけることに余念がない。そして、素敵なコンビニ店員さんとの挨拶ひとつでも、うれしいことがあったら、その喜びを丁寧にかみしめている。

日々の生活のなかでアンラッキーがいろいろあっても、小さなラッキーを見つけるのが上手になることで、それなりにご機嫌に過ごせるのではないか。このドラマの魅力は、ひとつには、こんなふうに生活のなかのちょっとした幸せを見つけるヒントを、そっと教えてくれるところかもしれない。

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