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「深夜1時のバイクの音で眠れないの」顔役と呼ばれた女性との世間話。後日、私がクレーマーに仕立て上げられていた

  • 2026.7.16
「深夜1時のバイクの音で眠れないの」顔役と呼ばれた女性との世間話。後日、私がクレーマーに仕立て上げられていた

顔役のひと声から始まった

近所で「顔役」と呼ばれている、世話好きな女性がいる。ある日、道端で会うなり、その人は私に話しかけてきた。

「深夜1時のバイクの音で眠れないの」

言われて、私にもなんとなく思い当たった。

少し前に向かいへ越してきた若い夫婦が、旧車のバイクに乗っている。確かに、あのエンジン音はよく響く。

とはいえ、私自身は窓を閉めれば気にならない程度だった。だが、真っ向から否定して角が立つのも避けたい。私はあたりさわりのないよう、こう返した。

「気になる人は、眠れないかもしれませんね」

それだけのつもりだった。ただの相槌、世間話のひとことだ。

まさかこの一言が、思わぬ方向へ転がっていくとは、このとき考えもしなかった。

私の一言だけが伝わっていた

数日後、若夫婦の夫のほうが、妙によそよそしい態度で私に会釈してきた。

以前は気さくに立ち話をする間柄だったのに、明らかに壁を感じる。

不思議に思っていると、別の近所の人が教えてくれた。あの顔役の女性が町内会長のところへ行き、「バイクの騒音で眠れない人がいる。越してきた若夫婦に注意してほしい」と頼んだというのだ。

しかも、その「眠れない人」というのが、いつのまにか私になっていた。

私が苦情を申し立てた、という話になって若夫婦の耳に届いていたのである。

相槌を打っただけの私の一言が、伝言を重ねるうちに「苦情」へとすり替わっていた。

悪気があったわけではないのだろうが、世話好きな人ほど、聞いた話を自分なりにまとめて伝えてしまうものらしい。

放っておけば、あらぬ陰口を叩いた人間として、私はご近所に居づらくなってしまう。それだけは、どうしても避けたかった。

私は、若夫婦の家を訪ねることにした。玄関先で、正直に打ち明ける。自分は苦情など言っていないこと、世間話の相槌がねじれて伝わったらしいこと。

夫は最初こそ身構えていたが、やがて表情をゆるめた。

「そうだったんですか。正直、いきなり注意が来て、戸惑っていたんです」

彼はそう言って、深夜の走行は控えるようにすると、自分から申し出てくれた。

私は、そこまで求めているわけではないと伝えたうえで、こちらこそ紛らわしい返事をしてしまったと、行き違いを詫びた。

後日、あの顔役の女性にも、角の立たないよう事実だけをやんわりと伝えておいた。誤解が解けてみれば、若夫婦とは以前よりも打ち解けて話せるようになった。

ひとつ間違えれば失っていた縁が、まっすぐ向き合ったことで、かえって深まったのだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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