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「貸してあげようね」は逆効果?子どもの喧嘩に親が絶対してはいけない、たった一つのこと

  • 2026.7.13

夕暮れ時のリビング。キッチンから夕飯のいい匂いがしてくる平和な時間に突如始まる、きょうだい喧嘩……。「それ、私が使ってたのに!」「僕のだよ!」床に転がった、たった一つのぬいぐるみ。それを取り合う二人の今にも泣きそうな顔。そんな日常茶飯事の光景に「またか……」とため息をつきながら「いい加減にしなさい! お姉ちゃんでしょ、貸してあげなさい。」と言ってしまうどこにでもある光景。親ならつい言ってしまうこの言葉。子どもの脳の発達をさまたげているとしたら……どう感じますか?こんにちは。元教員で12年間小学生を教えていた、家庭での知育で3歳の娘をIQ130まで伸ばしたまーやです。実は、親がすぐに口を出したり、無理やり謝らせたりと過剰に統制的な養育を受けた子どもは、思考や感情をコントロールする脳の成長を止めてしまうと言われています(ミネソタ大学のニコル・ペリー博士らが2018年に発表した縦断研究『Developmental Psychology』誌によるもの)。つい言ってしまう言葉が、皮肉にも子どもの「自分で考える力」をストップさせてしまうのは避けたいですよね。今回は、現代の育児で起きている、お子さんを成長させたいというママたちの思いと、つい言ってしまう言葉の間で起きる「もったいないズレ」についてお話しします。

教室で見てきた最近の子どもたちの特徴

私は12年間、小学校で先生として勤務してきました。低学年から高学年まで接する中で、ある共通点に気づきました。それは、お友達と些細なトラブルを起こした時に、自分の言葉で解決できない子が年々多くなっているということです。自分で友達に嫌と伝えられなかったり、どう謝ればいいのかわからず、周りの大人が介入しないと、解決できなくなってきているんですね。原因はいろいろあると思います。以前のように、近所の子どもたちで遊ぶ機会が減ったこと。ゲームやSNSを使ったオンライン上での言葉だけのやりとり。心配するあまりに、つい先回りして口出ししてしまう周りの大人たち。時代の変化とともに、直接顔を合わせて会話する機会が減りました。そして、少子化が進み、子ども一人一人に対して親の目が、より行き届くようになりました。今、私は一人の母親として5歳の娘を育てています。娘には「言葉の力」が少しでも伸びていくよう、育ててきました。自分の思いを言葉にするようにと伝えてきた私でさえ、子どもたちのトラブルには「ここで私が一言言えば、場が丸く収まるけど、どうしよう」と思うような経験が何度もありましたし、正直周りの視線が怖くて言ってしまうこともありました。

5分間の沈黙が生み出したもの

娘がまだ2歳の時です。目の前で娘と親戚の子が「これで遊びたい」と一つのおもちゃの取り合いを始めました。よくある光景ですよね。普段なら「順番に使いなさい」と割って入る場面ですが、せっかくのチャンスです。しばらく黙って見守ることにしました。子どもたちの顔はこわばり、お互い一歩も譲ろうとしません。「……貸してって、言ったのに」「……まだ、使いたい」なんとも言えない重苦しい空気。どちらかが泣きだすかもしれない。暴言が飛び出すかもしれない。親としては、一秒でも早く解決したくなる時間です。でも、この答えが出るまでの時間は、子どもたちにとっても自分で解決する時間になると思い、どうなるのか私は半ばワクワクしながら待っていました。長い沈黙の末、娘の口から出たのは「じゃあ、遊んだあとに貸してね」と一生懸命自分で考えた、言葉でした。そのあと、子どもたちは気持ちを切り替え、交互に貸し借りを行い、仲良く遊び始めたのです。「自分たちでどうするか考えることができたよね。お姉さんらしい姿がとても素敵だったよ」と伝えると嬉しそうにしていました。親が間に入ってしまうと、子どもは考えるのをやめます。それが繰り返されると、何が正解なのか親の顔色をうかがうようになります。その場をしのぐための親が提示した言葉には、脳の成長も、相手への思いやりも育ちませんよね。子育ては時間がかかりますが、親がどれだけ待てるのかもとても大切だなと感じた出来事でした。

なぜ、私たちは「正解」を急いでしまうのか

なぜ、これほどまでに私たちは口を出したくなってしまうのでしょうか。理由の一つに、公共の場やSNSの目がある中で「ちゃんとしつけをしている親」でいなければならないという強いプレッシャーがあると思います。子ども同士がいればケンカが起こって当たり前という、子育てに対するおおらかな雰囲気も少なくなりましたよね。赤ちゃんの泣き声でさえクレームが入る現代です。親なんだからちゃんと育てなきゃという言葉に追い詰められ、トラブルをすぐに鎮火させようとしてしまうのは仕方のないことかもしれません。ですが、子ども同士がトラブルを起こしたり喧嘩をすることは、どうやって人間関係を修復していけばいいのかを学ぶ絶好の機会になります。もちろん、その子の発達段階に応じた手立てや手が出そうになった時には止めたりと、時と場合によって対応は変わります。その上で、私たち親がすべきことは、正解を教えることではなく、子どもが「自分の気持ちを言葉にする」まで、隣で待つことなのだろうなと感じています。

私たちが、わが子に身につけたい力とは

待つのは大事とわかっていても、いつでも待てるとは限りませんよね。そんな時は一つだけ、試してみてほしいことがあります。子どもがケンカを始めて、もう耐えきれない!となった時は「今、どんな気持ち?」とだけ、静かに問いかけてみてください。悔しい、モヤモヤする、悲しい……。いろいろ出てくると思います。そこでさらに「なぜ?」「どうしたい?」と聞いていくことで、子どもなりの言葉でどのように伝えたらいいか見えてくるはずです。もちろん、すぐに言葉にできないかもしれませんし、時間のかかることかもしれません。ですが自分の気持ちと向き合うママからの一言が、人間関係で困ったときに自分で解決できる力を育んでいきます。言われた通りに動くロボットではなく、葛藤の中で自分なりの答えを見つけ出せる、血の通った人間を育てたいですよね。私もよく「こうすればいいんじゃない?」と答えを言いがちになってしまいますが、グッと堪えて見守れるように修行中です。みなさんもぜひ「見守ってよかった」と思えた瞬間や、逆に「失敗しちゃった!」というエピソードがあれば、教えてくださいね。

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Instagram:まーや(@ma_ya.chiiku)

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