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「私立の幼稚園、月8万でも余裕なの」収入自慢を続けたママ友。だが、夫が私の夫の後輩と気づいた瞬間

  • 2026.7.13

聞き流していた日々

そのママ友と会うと、いつも同じ話が始まりました。

夫の勤め先、家計の余裕、子どもの進学先。児童館で顔を合わせるたび、彼女の口からこぼれるのは自慢ばかりです。

私はうなずくだけで、口を挟む隙もありません。

「私立の幼稚園、月8万でも余裕なの」

彼女はそう言って、私の反応をうかがいます。うらやましがってほしい、という顔でした。

「すごいですね」

「でしょう。うちの主人、大手だから。おたくのご主人は、どちらにお勤め?」

私がにごして答えると、彼女はわずかに眉を上げました。

そして、うちのほうが格上だとでも言いたげに、勝ち誇った笑みを浮かべたのです。

私はその笑みを、苦笑いで受け流しました。

子ども同士は仲良く遊んでいるのだから、親が張り合っても仕方がない。そう思っていたからです。

(お金や肩書きでしか、人を測れないのかな)

そう思いながらも、私は波風を立てず、あいまいに聞き流す日々を続けていました。

気づいた日

転機は、児童館の親子行事で夫たちが顔を合わせたときに訪れました。

私の夫を見た彼女の夫が、驚いた声を上げたのです。

「先輩っ。どうしてここに」

「子どもの行事だよ。お前こそ」

二人は同じ部署で、私の夫が先輩、彼女の夫が後輩でした。

彼女の夫は、背筋を伸ばして頭を下げます。

「ご無沙汰しております。妻がいつも、お世話になってます」

その言葉を聞いた瞬間、ママ友の動きが止まりました。

あれほど自慢していた「大手の主人」が、格下のはずの私の夫に、かしこまって頭を下げている。

想像もしていなかった光景だったのでしょう。

目を大きく見開いたまま、彼女は一歩あとずさりました。

持っていた飲み物のパックを、握りしめたままです。

「……え、うそ。先輩、って」

それきり、言葉が出てきません。

私は、いつもと変わらない声で言いました。

「ご縁があったんですね。これからもよろしくお願いします」

彼女は、うつむいたまま何も返せません。

あんなに止まらなかった自慢話が、その日はひとことも出てきませんでした。

帰り際、彼女は逃げるように子どもの手を引いて、児童館をあとにしました。

以来、顔を合わせても収入や肩書きの話をすることは、二度とありませんでした。夫の勤め先を誇ることでしか自分を語れなかった人だったのだと、私はようやく腑に落ちたのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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