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「時給1500円未満じゃ働きません」更衣室で電話している派遣スタッフ→自ら異動し1か月で退職したワケ

  • 2026.7.14

質問攻めにしてくる新人

製造の現場で働いていた頃、私の職場には多くの派遣スタッフがいた。

ある日入ってきた女性の教育係を、私が任された。

高校生くらいの息子が二人いると話していた。最初は、どこにでもいる人だと思っていた。

ところが、仕事を教え始めてすぐ違和感が生まれた。

「あなた、何歳?どこに住んでるの?この仕事、何年目?」

世間話では踏み込まないようなことを、次から次へと聞いてくる。適当に流しても、質問は止まらない。

「お給料いくらもらってるの?体重は?」

さすがに答えに詰まった。それでも彼女は畳みかけてくる。

「ご主人の年収は?お家は持ち家なの?」

まるで身辺調査でも受けているようだった。しかもその間ずっと彼女の手は止まり、作業より私への詮索が優先されている。

「あの人、ちょっと変じゃない?」

周りの同僚にこぼすと、皆けげんな顔をした。

「私たちには、そんなこと一言も聞いてこないよ」

なぜ私にだけ、根掘り葉掘り聞いてくるのか。気味の悪さだけが募っていった。

更衣室に響いた本音

ある日の休憩時間、更衣室に入ると、彼女が派遣会社に電話をかけていた。誰に聞かれても構わないという調子で、声を荒らげている。

「時給1500円未満じゃ働きません」

条件が悪ければすぐ移る、と電話口でまくし立てる。

あまりの剣幕に、着替えていた数人が手を止めた。

そこへ、ベテランの女性社員が静かに口を開いた。

「その前に、まず仕事を覚えたらどう?教わってる最中に手を止めて、人のお給料ばかり聞いてるそうじゃない」

彼女の顔が、さっと強張った。

「な、なんで、それを」電話を握ったまま、言葉が続かない。

私の様子を見かねた誰かが、彼女の詮索癖をベテランに伝えていたらしかった。

「みんな気づいてるのよ。あなたが何を聞いて回ってるか」

更衣室に居合わせた全員が、無言でうなずいた。彼女は真っ赤になってうつむき、逃げるように電話を切った。

それきり、休憩室で彼女に話しかける人はいなくなった。

あれほど止まらなかった質問も、その日を境にぴたりとやんだ。

数日後、彼女は時給が高いからと夜勤へ異動を願い出た。

周りの視線から離れたかったのかもしれない。

けれど、そこでも同じだった。詮索の癖は変わらず、夜勤の先輩たちからも距離を置かれたらしい。結局、彼女は1か月も経たずに辞めていった。

あれほど人の給料を知りたがった人が、自分の条件だけを振りかざして、居場所をなくしていく。

教える側だった私は、最後まで頭を下げずに見送った。去っていく背中は、驚くほど小さかった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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