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いよいよ一緒に暮らすことを選んだふたり! 好きな人と、好きなごはんを食べる幸せを描く「つくたべ」に新展開【書評】

  • 2026.7.11

【漫画】本編を読む

『作りたい女と食べたい女』(ゆざきさかおみ/KADOKAWA)は、料理を「作りたい」女性と「食べたい」女性が出会い、食を通じて関係を深めていく日常を描いたコミックだ。SNS発で共感を集めた本作は「つくたべ」と呼ばれ、シリーズ累計発行部数100万部を突破し、実写ドラマ化もされた話題作である。

物語の主人公は、料理が大好きで本当はもっとたくさん作りたいと願う野本さんと、食べることが大好きな春日さんのふたり。ひとり暮らしゆえに料理欲を持て余していた野本さんは、たくさん食べる春日さんとの出会いによってその喜びを解放していく。食卓を囲む時間の積み重ねは、やがてふたりの距離をゆっくりと縮めていく。

そして5巻では、ふたりの関係がさらに一歩踏み込んだ段階へと進んでいく。これまで「食事をともにする隣人」だったふたりは、「同性パートナー」として一緒に暮らすことを決め、新居探しを開始。生活や価値観をより深く共有する仲へと変化していく。同性同士の入居可の物件探しに奔走する姿や、少しずつ距離を近づけていくふたりに癒やされる人は多いことだろう。さらに、南雲さんをはじめ、ふたりを取り巻く人物たちにも転機が訪れるので見逃せない。

本作が際立つのは、料理を通して「自分らしく生きること」を描いている点だ。とりわけ女性に対して無意識に押し付けられてきた役割や価値観に対し、ふたりはそれぞれの形で距離を取り、自分の望む生き方を選び取ろうとする。その過程は決して劇的ではないものの、だからこそ現実と地続きのものとして響く。

料理を作ること、食べること、そして一緒に過ごすこと。当たり前のようでいて、決して当たり前ではない営みの尊さが確かに伝わってくる。読後に残る「誰かとともに生きることの温かさ」を感じられることが本作最大の魅力である。

文=練馬麟

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