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暑い夜でもぐっすり眠るための科学的ヒントーーすぐに試せる実践リストも

  • 2026.7.9
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

これからの暑い季節、寝苦しい思いをする夜が多くなるかもしれません。

夏場の睡眠は、ぐっすり眠れた感じがしなかったり、寝苦しさのあまり途中で目を覚ましたり、起床時にだるさを感じることも少なくないでしょう。

では、暑い夜でも快適に眠るためには、どうすればいいのでしょうか?

今回は、だれでも簡単に実践できる科学的ヒントを見ていきます。

目次

  • 夏場に快眠が妨げられる科学的な理由とは?
  • 寝具やパジャマ選びも重要、「くつ下を冷やす」裏ワザも
  • 寝る前の水分量、飲み物の種類も大事

夏場に快眠が妨げられる科学的な理由とは?

人の体には、内部の温度を安全な範囲に保つ「体温調節」のしくみがあります。

暑い日に疲れやだるさを感じやすいのも、体が普段より多くのエネルギーを使って体温を調整しているためです。

そして睡眠も、この体温調節と密接に関わっています。

私たちは眠るとき、体の中心部の熱を少しずつ外へ逃がしていきます。

この熱の放出がうまく進むことで、眠りにつきやすくなります。

ところが、寝室そのものが暑いと、体は熱を外へ逃がしにくくなるのです。

さらに湿度が高いと、問題はより大きくなります。

体は汗をかき、その汗が蒸発するときに熱を奪わせることで体を冷やしています。

しかし空気がすでに湿っていると、汗が蒸発しにくくなります。

つまり、高温多湿の夜は、「暑い」だけでなく「汗による冷却が効きにくい」状態でもあるのです。

暑い夜に眠れないとき、まず意識すべきなのは、体が熱を逃がしやすい環境を作ることです。

その1:日中の熱を寝室に入れないこと

暑さ対策というと、寝る直前に扇風機を回したり、冷たいものを使ったりする方法を考えがちです。

しかし、寝室の温度は夜になって急に決まるわけではありません。

日中に窓から入った日差しが床や壁、家具を温め、その熱が夜になっても室内に残ることがあります。

そのため、陽射しの強い晴れた日は、日が当たる窓のカーテンやブラインドを閉めておくことが大切です。

シャッターやオーニング、外側の日よけが使える場合は、さらに効果的です。

ガラスに日光が届く前に遮れるため、室内へ入る熱を減らしやすくなります。

その2:涼しい時間帯に「風の通り道」をつくる

窓の開け方にも注意が必要です。

外の空気が室内より暑い時間帯に窓を開けると、涼しくするどころか熱い空気を入れてしまいます。

窓を開けるなら、外気が室内より涼しい早朝、夕方、夜間が向いています。

家の異なる側の窓やドアを開けて風の通り道を作ると、室内にたまった熱を逃がしやすくなります。

これはクロスベンチレーションと呼ばれる換気方法です。

また、サンルームのようなガラス張りの空間や、日当たりのよい部屋は特に熱をため込みやすい場所です。

こうした部屋がある場合は、日中に換気し、可能であれば家のほかの部分とつながる室内ドアを閉めておくと、熱の広がりを抑えやすくなります。

その3:寝る場所を変えてみる

寝室が上階や南向き、西向きにある場合は、家の中でもかなり暑くなっている可能性があります。

熱は建物の中を上へ移動し、日を受けた壁や屋根は日没後も熱を放出するからです。

熱波の時期には、1階や北向きの部屋など、家の中で最も涼しい場所に寝ることも現実的な対策です。

寝具やパジャマ選びも重要、「くつ下を冷やす」裏ワザも

暑い夜の寝具選びで重要なのは、「冷たそうに見えるか」ではなく、体から出る熱と湿気を逃がせるかです。

当然ながら、重い布団や厚い羽毛布団、体にぴったりした合成繊維の衣服は、熱や湿気を閉じ込めやすくなります。

そのため、暑い時期には寝具を減らし、薄いシーツを使うほうが快適になりやすいです。

とくに、薄い綿のシーツは汗を吸収しやすく、体の熱を逃がす助けになります。

綿やリネンなどの天然繊維でできた、ゆったりした寝間着も有効です。

裸で寝るほうが涼しいと思われがちですが、ゆったりした天然繊維の服は汗を吸い、空気の流れを作るため、かえって快適な場合があります。

ただし、生地の厚さや織り方、水分の扱い方によって快適さは変わります。

また、寝るときは暑くても、夜の間に体温は下がります。

そのため、寝具を完全になくすのではなく、薄い掛けものを近くに置いておくと安心です。

暑いのに明け方に寒く感じることがあるのは、夜間に体温が下がるためです。

その4:扇風機の使い方には注意

扇風機は、暑い夜に役立ちます。

ただし、扇風機そのものが空気を冷やしているわけではありません。

扇風機は皮膚の上に空気を流し、汗の蒸発を助けることで涼しく感じさせています。

そのため、湿度や気温、体調によって効果は変わります。

とくに、非常に高温の環境では、扇風機だけでは十分でないことがあります。

高齢者、脱水気味の人、体調が悪い人では注意が必要です。

扇風機を使う場合は、水分をとり、寝ている間に風を顔や体へ直接当て続けないようにします。

使っていてかえって暑く感じたり、めまいがしたり、気分が悪くなったりする場合は、使用をやめる必要があります。

冷却グッズも、使い方によっては助けになります。

保冷剤や冷凍ブロック、冷却枕は、体の一部を冷やして寝苦しさを和らげる場合があります。

ただし、保冷剤を直接肌に当てるのは避け、布で包むようにします。

結露で寝具が濡れないよう、トレイの上に置くなどの工夫も必要です。

その5:くつ下を冷やす方法も

靴下を冷蔵庫で冷やして履く方法もあります。

足を冷やすと、皮膚全体や体の温度を下げる助けになる場合があるからです。

就寝前に、冷えたくつ下をしばらく履いて、本格的に寝るときに脱ぐといいかもしれません。

寝る前の水分量、飲み物の種類も大事

暑い日は、日中から十分な水分をとることが大切です。

ただし、寝る直前に大量の水を飲むと、夜中にトイレへ行くために目が覚めやすくなります。

喉が渇いて目が覚めない程度に、しかし就寝直前に飲みすぎない程度に、水分量のバランスをとることが重要です。

飲み物の種類にも注意が必要です。

清涼飲料には、カフェインを多く含むものがあります。

カフェインは中枢神経を刺激し、目が覚めた状態を強めます。

暑い日に飲酒量が増える人もいますが、アルコールにも注意が必要です。

アルコールは寝つきをよくするように感じられることがあります。

しかし、早朝に目が覚めやすくなり、睡眠全体の質を下げることがあります。

その6:日中の昼寝をやめるか、時間を減らす

また、暑さで夜の睡眠が乱れていると、日中に強い眠気を感じることがあります。

それでも、できるだけ昼寝を避けることがすすめられます。

夜に眠るための眠気を、日中に使ってしまわないためです。

それから暑い日でも、普段の就寝時間や就寝前の習慣はできるだけ守ることが大切です。

生活リズムを大きく変えると、かえって睡眠パターンが乱れやすくなります。

もしベッドに入っても眠れない場合は、いったん起きて、読書や考え事などなど、落ち着いた行動をする方法があります。

ただし、スマホを見るのは避けたほうがよいです。

画面のブルーライトや、終わりなく続くスクロールは脳を刺激し、さらに目が覚めた状態にしてしまうことがあります。

眠気を感じたら、再びベッドに戻るようにします。

暑い夜の快眠は、寝る前ではなく昼から始まっている

暑い夜に眠るための対策は、寝る直前だけで完結するものではありません。

日中は日差しを遮り、外気が涼しい時間に換気しながら、家電や調理により発生する熱と湿気を減らすことも大切です。

夜は、家の中で最も涼しい場所を選び、通気性のよい寝具と衣服を使い、扇風機や冷却グッズを安全に活用します。

さらに、水分補給や飲み物の選び方、スマホを見ない習慣も、睡眠の質に関わります。

たとえ一晩か二晩、睡眠が乱れても、多くの人は大きな問題なく日中を過ごせます。

大切なのは「眠れないかも」と不安になりすぎないことです。

暑い夜の快眠は、部屋に熱を入れないこと、体が熱を逃がしやすい状態を作ること、そして普段の睡眠リズムを守ることから始まります。

参考文献

Eight ways to sleep well in hot weather
https://theconversation.com/eight-ways-to-sleep-well-in-hot-weather-285434

How to get a good night’s sleep during hot weather
https://www.bbc.com/news/articles/cpw7gp2ky70o

How to sleep in a heatwave: 13 clever tips and cooling essentials
https://www.theguardian.com/thefilter/2026/jul/07/how-to-sleep-in-a-heatwave

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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