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彼が間違えて送ったメモの写真に、消された名前の跡が残っていた話

  • 2026.7.9
ハウコレ

彼が間違えて送ってきたメモ写真には、消された女性名の跡が残っていました。すぐに別の写真が届いたのに、私はその消し跡ばかり見返してしまいました。

送り間違えられたメモ写真

付き合って1年になる彼とは、記念日に少しだけいいお店へ行く約束をしていました。店選びは彼が「今回は任せて」と言ってくれて、私は場所も時間も詳しく聞かないまま、その日を楽しみにしていました。

数日前、彼から1枚の写真が届きました。写っていたのは、店名らしきメモと予約時間、最寄り駅を書いた紙でした。けれど次の瞬間、「ごめん、こっちじゃなかった」と別の写真が送られてきました。

最初の写真を開き直すと、紙の端に何かを消した跡がありました。うっすら残っていたのは、女性の名前のように見える文字でした。店名よりも予約時間よりも、その消し跡だけが気になりました。

消された名前を聞けないまま

名前が書かれていたことより、消した跡が残っていたことのほうが引っかかりました。私に見せたくない何かがそこにあったのだと思うと、ただの店選びのメモには見えなくなっていきました。

「この名前、誰?」と聞けばよかったのだと思います。でも、もし彼が言い訳をしたら。もし記念日の店に、別の女性が関係していたら。そう考えると、聞く前から答えを怖がっていました。

彼はいつも通りに連絡をくれました。「当日楽しみにしてて」と送ってくるたび、私は「楽しみ」と返しました。けれど画面を閉じると、あの消し跡をまた見返していました。記念日が近づくほど、喜びより不安のほうが大きくなっていきました。

記念日の席で分かったこと

当日、彼が予約してくれた店は落ち着いた雰囲気のレストランでした。窓際の席に案内され、彼は少し得意そうに「ここ、前から良さそうだと思ってて」と言いました。

料理が運ばれてくる間、私はどうしても黙っていられなくなりました。「この前のメモ、名前みたいなの消してあったよね」と聞くと、彼は少し気まずそうに目元を動かしました。

「会社の同僚の名前」と彼は言いました。その人に店を教えてもらい、メモに名前を書いていたそうです。でも、私に見せたときに「誰?」と聞かれるのが面倒で、消してから撮り直したのだと説明しました。

そして...

理由は単純でした。けれど、単純だったからこそ、記念日まで抱え込んだ時間が少し悔しくなりました。聞けなかった私にも、気づかなかった彼にも、足りないところがあったのだと思います。

彼は「全部自分で選んだみたいに見せたかった」と言いました。その言葉を聞いて、浮気を疑っていた自分が恥ずかしくなりました。でも、消し跡が残った写真を見せられて不安になったことまで、なかったことにはできませんでした。

次からは、消された跡を見つめ続ける前に聞きたいと思いました。そして彼にも、格好つけるために隠すより、誰かに教えてもらったことまで話してほしいです。記念日に必要なのは完璧な演出より、安心して向き合えることなのだと感じました。

(20代女性・事務職)

本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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