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「私を親に会わせたくない?」共有の予定表の「親に挨拶!」がハートに変わっていた

  • 2026.7.7
ハウコレ

彼と共有している予定表の中に、何度も見返してしまう予定がありました。

「親に挨拶」

彼が自分で入れてくれたその予定を見るたびに、私は少し照れながらも、確かに大事にされている気がしていました。ところがある朝、その文字だけが消えていました。日付も時間も変わっていないのに、予定の名前だけが、ハートの絵文字ひとつに変わっていたのです。

彼の方から「親に会ってほしい」と言ってくれた

付き合って2年が近づいたころ、彼の方から「今度、親に会ってくれない?」と言ってくれました。突然ではありましたが、嫌な驚きではありませんでした。むしろ、彼が私との関係をちゃんと先のこととして考えてくれているようで、うれしかったのを覚えています。

私たちは予定をひとつのアプリで共有していて、その日付には彼が「親に挨拶!」と入力していました。最後についていた感嘆符まで、なんだか彼らしくて。私はその予定を見るたびに、少しだけ背筋が伸びるような気持ちになっていました。

手土産は何がいいだろう。服装はきちんとしすぎても変かな。お母さんにはどんなふうに挨拶すればいいんだろう。まだ先の予定なのに、私は何度も予定表を開いては、勝手に緊張して、勝手に楽しみにしていました。

予定は残っているのに、名前だけが消えていた

前日の夜も、私はその予定を見ていました。明かりを落とした部屋で、スマホの画面に表示された「親に挨拶!」の文字を見ながら、いよいよ近づいてきたなと思っていました。ところが翌朝、何気なく予定表を開くと、そこにあったはずの文字が消えていたのです。

代わりに表示されていたのは、ハートの絵文字ひとつ。日付は同じ。時間も同じ。予定自体が削除されたわけではありません。だからこそ、余計に意味がわかりませんでした。本当に予定を変えるなら、日付や時間を直すはずです。でも彼は、約束の名前だけを変えていたのです。

「日程変わったの?」私はできるだけ何でもないふりをして連絡してみました。彼は「ああ、日にちはそのままだよ」とだけ答えました。でも、名前を変えた理由には触れませんでした。その普通さが、逆に怖かったのです。

会わせたくなくなったなら、そう言ってほしかった

それから数日、私は何度も予定表を開きました。ハートの絵文字は、そのままでした。たったひとつの絵文字なのに、見るたびに別の意味を持っているように見えました。誰かに見られたくないのかな。親に会わせるのが面倒になったのかな。私との将来を考えるのが重くなったのかな。自分でも考えすぎだとわかっていました。でも、もともと「親に挨拶!」と書いてあったものが、急にハートだけになったのです。理由を聞かないまま平気でいられるほど、私は強くありませんでした。

ある夜、私は彼にもう一度その予定のことを聞きました。「私のこと、親に会わせたくない?」。口にした瞬間、自分が思っていた以上に不安だったことに気づきました。責めるつもりはなかったのに、声は少し硬くなっていました。彼は驚いたように私を見て、それから慌てて首を横に振りました。

「違う。会わせたくなくなったわけじゃない」彼は少し言いにくそうにしながら、続けました。「『親に挨拶!』って書いてあると、見るたびに俺の方が身構えちゃって。それで、名前だけ変えたんだ」。思っていた答えとは、まったく違いました。彼が隠していたのは、私を避けたい気持ちではありませんでした。自分の緊張を、私に見せたくなかっただけでした。

そして...

迎えた当日、彼の実家に向かう電車の中で、彼はいつもより口数が少なくなっていました。何度もスマホを見たり、用もないのに腕時計を確認したりしていました。その様子を見て、私はようやく腑に落ちました。この人は、私を親に会わせるのが嫌だったのではなく、本当に緊張していただけなのだと。

ご両親への挨拶は、思っていたよりもずっと和やかに進みました。お母さんは何度もお茶をすすめてくれて、お父さんは彼の子どものころの話を少し照れながらしてくれました。

帰り道、彼は大きく息を吐いてから「緊張しすぎてたかも」と笑いました。ハートの絵文字に変わった予定を見たとき、私は勝手に終わりの合図みたいに受け取っていました。でも本当は、彼なりの小さな逃げ道だったのかもしれません。次からは、緊張を隠す前にちゃんと話す。そう言った彼を、私はもう少しだけ信じてみようと思いました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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