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イヤイヤ言うのも、ワガママ言うのもちゃんと理由がある! 小さな保育園で繰り広げられる、大人と子どもの笑って泣ける、恋愛じゃないラブストーリー【書評】

  • 2026.7.5

【漫画】本編を読む

『いたいのいたいのそらをとべ』(黒崎冬子/KADOKAWA)は、マンションの1階にある小さな保育園を舞台に、新人男性保育士と子どもたちの日常を描いたヒューマンドラマである。タイトルこそ童謡のように柔らかいが、本作が描いているのは「子どもたちの痛み」に真正面から向き合う大人たちの物語だ。

主人公・荒木砂光は、小さな保育園にやってきた新人保育士。腕力にも忍耐にも自信はあるが、元気いっぱいの2歳児たちを前に、おむつ替えだけで白旗寸前の毎日を送っている。そんな彼がタッグを組むのは、子どもが好きすぎる保育士・大洋るい。個性豊かな園児たちと向き合いながら、砂光は少しずつ「子どもの世界」の複雑さに触れていく。

胸を打つのは、子どもたちの行動を単に「困ったこと」として処理しないところだ。イヤイヤ期の癇癪も、無邪気に体のデリケートな部分を触ってくる行動も、その奥にはうまく言葉にできない子どもたちの不安や寂しさなどが隠れている何らかのサインだ。だから頭ごなしにダメと言い聞かせたりするのではなく「どうしてそうしたの?」と彼らの心に寄り添うのである。「恋愛じゃないラブストーリー」という劇中のフレーズの通り、園児と保育士、親と子、人と人の間にあるのは、まさしく「愛」と呼ぶべき感情だ。

保育士たちも決して完璧ではない。疲れるし、余裕もなくなるし、ときには対応を間違える。子どもを守るということは、綺麗事だけでは済まされないが、それでも、大人がきちんと愛情を伝えることが、子どもにとってどれほど大きな安心となるのかが描かれていく。

子どもたちと大人が一緒に育っていく姿に、笑って、泣いて、ときには胸が締めつけられながら、愛の強さと大切さが伝わってくる、とても心が温まる作品である。

文=おおぞら木馬

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