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「しつこいな!」火災現場で対応中、怒鳴られた元警察官…それでも何度も確認を繰り返したワケ

  • 2026.8.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元警察官ライターのりょうせいです。

警察官として勤務していた頃、一軒家が全焼する建物火災の現場で、避難した男性から「しつこいな!」と怒鳴られたことがありました。しかし、その確認には、人命を守るための大切な理由がありました。火災現場での経験を通して学んだことを紹介します。

葛藤のなかで守る人命

警察官として勤務していた頃、ある日の夜、一軒家が全焼するほどの建物火災が発生しました。

私は現場へ一番に到着し、避難してきた住人の対応に当たりました。

火災現場では、建物内に逃げ遅れた人がいないかを確認することが最優先事項の1つです。

そこで、屋外へ避難していた60代の男性へ「家の中に逃げ遅れた人はいませんか」と確認したところ、「いない」との返答がありました。

しかし、人命に関わる非常に重要な情報だったため、念のため家族構成を確認した上で、もう一度、逃げ遅れた人がいないかを尋ねました。

すると男性は、

「いないって言ってんだろ! しつこいな!」

と、強い口調で怒鳴ったのです。

自宅が燃え、目の前で生活が一変してしまった状況です。同じ質問を何度もされれば、「何度言えば分かるんだ」と感じるのも無理はありません。

「しつこい確認」でも人命を救う本当に大切なこと

確かに、男性からすれば私の確認はしつこく感じたことでしょう。

しかし、逃げ遅れた人がいるかどうかは、その後の消防による救助活動や警察の対応を左右する、とても重要な情報です。

緊急事態は誰でも気が動転してしまうもの。そんな中で、もし「いると思っていなかった」「勘違いしていた」といった認識の齟齬があれば、本当は建物内に人が残っているにもかかわらず、救助活動が遅れてしまう可能性もあります。

だからこそ、この確認だけは曖昧にすることができませんでした。

私は怒鳴り返すことなく、「不快な思いをさせてすみません。ただ、逃げ遅れた人がいるかどうかは、人命に関わる非常に重要な確認なんです。そのため、何度も確認させていただいています」と冷静に説明しました。

すると男性も落ち着きを取り戻し、確認の意図を理解してくださいました。

相手の気持ちを理解することも警察官の仕事

この出来事を通して改めて感じたのは、「必要な確認」と「相手への配慮」は、どちらも欠かせないということです。

警察官の仕事では、相手に「しつこい」と思われたとしても、確認しなければならない場面があります。

これは警察官に限らず、認識の齟齬が重大な事故やトラブルにつながる仕事では共通していることではないでしょうか。

一方で、相手が怒っているからといって、こちらまで感情的になってしまえば、状況はさらに悪化してしまいます。

なぜ相手は怒っているのか、どのような状況に置かれているのかを理解しようとした上で、こちらが確認する理由を冷静に伝えることも大切です。

この火災現場での経験は、「確認すること」と「相手の気持ちを理解すること」の両方を忘れてはいけないと教えてくれた、今でも印象に残る出来事です。

確認と相手への配慮の両立

火災現場では、逃げ遅れた人がいないかの確認は人命に関わる重要な業務です。

相手に「しつこい」と思われても、省略してはいけない確認があります。認識の齟齬は、救助活動や対応に大きな影響を及ぼす可能性があります。

相手が怒る背景や心情を理解し、冷静に説明することも大切です。「確認すること」と「相手への配慮」の両方が、信頼される対応につながるとこの件を通して感じました。

必要な確認を徹底することと、相手の立場に寄り添うことは決して相反するものではありません。この経験は、今でも私が仕事や人との関わりで大切にしている教訓の1つです。


防犯インフルエンサー りょうせい
元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。


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