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新幹線の指定席の発券で…日付の違う切符を渡してしまった駅員…翌朝、取り替えに行くと?→想定外の事態に「どうすんのコレ!」

  • 2026.10.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

コロナ禍から月日が経ち、海外から旅行でお越しのお客さまを見かける機会もまた増えてきたように感じます。

今回は、私が駅員時代に体験した「きっぷを渡す際のトラブル」を紹介します。ほんの一瞬の手間を惜しんだ結果、とんでもないことになってしまった失敗談です。

外国人向け窓口も多忙! でも「一般窓口より楽かも」

私が勤務していたターミナル駅には外国人向け商品のみを取り扱うカウンターがあり、そのカウンターでの業務に入ることもありました。

ここでは基本的に英語での対応となり、日本語でなら難なくできる「これが乗車券、これが特急券です」や「これは私たちの会社では扱っていないきっぷなので変更できません」といった説明も、「英語ではどう言うんだ?」と考えながら伝えることとなり、1人の案内にかなりの時間を要しました。

その一方で、業務範囲そのものは一般窓口よりも限られていました。

旅行会社であらかじめ購入していた商品の引換や指定券の付与がメインで、外国人向け商品ではない通常のきっぷを購入したり変更したりする方は一般窓口に案内されていました。

旅行会社で購入した商品の引換ならお金のやり取りもなく、変更や払い戻しもすべて旅行会社へ連絡するよう案内するだけで終了です。

英語が必要とはいっても、駅の窓口で使う英会話に複雑な文法や単語はそう多く登場しません。

そのため、慣れてくれば「一般窓口より楽かもしれない」と感じる人や「むしろ時間が長く感じる。一般窓口のほうがいい」という人も出てきました。

流れ作業の落とし穴

私は「シンプルな作業が続くからやりやすいな」と感じていたのですが、緊張を緩めてしまっていたところである失敗を犯しました。

外国人向けカウンターでの泊まり業務だった日のことです。夜10時に営業が終わり、カウンターのシャッターを閉め、回収した引換券やきっぷの枚数や内容がその日の売り上げデータと合っているか事務室で確認していました。

その途中、1枚の紙を見て手が止まりました。予約したい列車をお客さまに書いてもらうためのメモ紙を束ねていた、その一番上。最後に応対したお客さまのものです。

アルファベットで書かれた出発駅と到着駅、そしてその隣には、明日の日付が書いてありました。

「最後のお客さまって…明後日の指定券を渡さなかったか?」

照明が落ちた薄暗いカウンターに戻り、すでにシャットダウンしていた端末を再び立ち上げて、発券データを確認しました。やはり発券した指定券の日付は明後日になっています。乗車券自体は翌日も有効な正しいものでしたが、私が発券した「指定券(座席の券)」だけが明後日の日付になってしまっていたのです。乗車券が有効なため、お客さまはそのまま改札を通れてしまいます。

しかも利用する列車は他社の路線です。指定券の付与と同時に明後日の列車について質問を受けていたため、指定する列車も明後日だと思い込んでいました。

翌日、差し替えに行くことに。しかし…

10秒ほど無人のカウンターで落ち込んだのち、「やったものはしょうがないな!」と無理やり切り替えて事務室に戻り、上司にミスの発覚を報告しました。

正しい列車は明日の10時ごろの出発。新幹線にはこの駅から乗るはずです。上司からはすぐに正しい列車の指定席を予約し、明日ホームか列車内へ差し替えに行くよう指示されました。

翌朝9時に次の泊まり勤務者との交代を済ませた私は、休憩室で眠ろうにも眠れない時間を過ごし、9時50分ごろに指定券を持って新幹線改札へ向かいました。担当職員に「実はお客さまに指定券を間違って渡してしまって…」と事情を説明し、ホームへ上がらせてもらいました。渡していた指定券の乗り口付近を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。

やがて新幹線が到着。お客さまに続いて列車内に入り、ようやく席に座ろうとするお客さまを見つけました。「間違えました。こっちと交換してください」と簡単な英語で説明すると、快く応じてくださいました。

「よし、戻ろう」としましたが、ここで新たな問題が。

新幹線の通路が狭く、荷物棚にキャリーバッグを上げようとする方や車両を移動しようとする方とのすれ違いに予想以上の時間がかかったのです。なんとかデッキまでたどり着いた瞬間、私の目の前でドアが閉まってしまいました。

どうすんのコレ!?

窓の外ではホームドアも閉じ、やがてゆっくりと車両が動き出しました。みるみるうちに新幹線はスピードを上げ、ホームの先端もはるか後方へと消えていきます。

「差し替えぐらいすぐできるだろうし、長い新幹線のどこにいるかわからない車掌をわざわざ探して、待ってもらうよう依頼しなくてもいいだろう」

と考えたのが裏目に出ました。

いまさら新幹線を止めるわけにもいきません。やがて現状を受け入れ、次の行動を考える余裕が出てきました。幸いにも、この新幹線は各駅停車。次の駅で降りて、折り返しの新幹線に乗れば帰れるでしょう。

怪訝な顔をする車掌

次の駅で下車しホームから駅へ連絡を入れました。

「なかなか帰ってこないと思ったら、やっぱりそうだったか」と笑われました。

そのままホームの端、最後尾車両の後ろドアの乗り場付近で待っていると、新幹線が入線してきました。ちょうど一番後ろに車掌がいたので「次の駅の係員なんですが、業務上のミスで乗り過ごしてしまい…この列車に乗せてもらえませんか?」と事情を説明し、特例として手続きをしてもらいなんとか駅まで帰ってくることができました。

お客さまへの迷惑を最小限にとどめられたのはよかったのですが、単純な作業と思って確認を怠れば痛い目を見るということを思い知らされました。

駅の窓口では購入するきっぷの内容確認を求められることもありますが、駅員の「ミスで迷惑をかけまい」という意識の表れだと思って、一緒に確認していただけると幸いです。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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