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「年金形式の方が安心」“iDeCo680万”を10年かけて受け取ろうとするが…→銀行で告げられた事実に60代男性が“驚愕したワケ”

  • 2026.7.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「年金でもらえるなら、そのほうが安心」そう思って選んだ受け取り方が、思わぬところに響いてくることがあります。今回は、iDeCoの受け取り方で迷っていた60代男性Bさんのエピソードをご紹介します。

「年金形式にすれば安心だと思っていました」

65歳になったばかりのBさん。長く会社員として働き、退職後の家計を整理するために銀行の窓口を訪れました。
「公的年金が年間250万円ほど入ってくる予定です。それとは別に、iDeCoが680万円ほどたまっていまして」

Bさんはすでに、受け取り方をこう決めていました。
「一度にもらうと使ってしまいそうなので、年金形式で10年かけて受け取ろうと思っています。毎年少しずつのほうが、税金も安く済みそうですし」

その考え方自体は、決して間違いではありません。ただ、担当者はひとつ確認しました。
「Bさん、iDeCoを年金形式で受け取ると、公的年金と合算して計算されることはご存じでしたか?」

「合算…ですか?別々のものだと思っていました」

「公的年金と合算して計算されるんです」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者は、こう説明を続けました。
「公的年金などを受け取ると、その収入から『公的年金等控除』を差し引いて所得を計算します。iDeCoを年金形式で受け取る場合も、この公的年金等に含まれます。そして控除額は、公的年金とiDeCoを合わせた収入の合計額をもとに決まります」

「つまり、控除の枠を分け合うということですか」

「そういうイメージです。Bさんの場合、公的年金だけでも250万円ほどありますから、そこにiDeCoの年金が上乗せされる形になります。合算後の所得がどうなるかは、一度確認しておいたほうがよさそうです」

Bさんは少し驚いた様子でした。

「別々に控除があると思い込んでいました」

「よくある思い違いだと思います」と担当者。

「ちなみに、統計を見るとiDeCoを年金形式で受け取る方は1割ほどで、多くの方は一時金を選んでいます。年金形式が悪いわけではありませんが、少数派ではあるんです」

「手取りは税金だけで決まりません」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

さらに担当者は、こう付け加えました。
「もうひとつ、気にしていただきたいのが社会保険料です。国民健康保険料や介護保険料は、前年の所得をもとに計算されます。年金形式で受け取ると雑所得が増えますので、その分、保険料の計算にも影響することがあります」

「税金だけの話ではないんですね」

「そうなんです。一方で、一時金で受け取った場合は退職所得という扱いになり、こちらは保険料の計算のもとになる所得には含まれない扱いです。ただ、一時金には一時金で、勤務先の退職金との関係で控除の枠を使い切ってしまうことがありますので、どちらが有利かは一概には言えません」

「決めつけずに、両方見たほうがいいということですね」

「はい。実は、一時金と年金を組み合わせて受け取る方法もあります。一部を一時金で受け取り、残りを年金形式にする、という選び方です。取り扱いは金融機関によって違いますので、ご自身の運営管理機関に確認していただくとよいと思います」

Bさんはメモを取りながら、こう言いました。
「年金形式で決まりだと思っていましたが、いったん保留にします。まずは自分の年金額と、iDeCoを足したらどうなるかを確認してみます」

「それがよいと思います。実際の税額の計算は税務署や税理士さん、保険料についてはお住まいの市区町村の窓口で確認していただくのが確実です」

iDeCoの受け取り方を決める前に知っておきたいこと

では、iDeCoの受け取り方を決める前に、どんな点を知っておけばよいのでしょうか。

  • iDeCoの受け取り方には、一時金、年金形式、両方の組み合わせという選択肢がある
  • 年金形式で受け取ると公的年金等に含まれ、公的年金と合算した収入をもとに公的年金等控除額が決まる
  • そのため、公的年金の額が大きい人ほど、年金形式の上乗せが所得を押し上げやすい
  • 雑所得が増えると、国民健康保険料や介護保険料の計算にも影響することがある
  • 一時金で受け取る場合は退職所得となり、保険料の計算のもとになる所得には含まれない
  • ただし一時金は、勤務先の退職金と合わせて退職所得控除の枠を使うことになる点に注意が必要
  • 年金として受け取る場合の期間や取り扱いは運営管理機関によって異なるため、事前の確認を
  • 実際の税額は税務署や税理士へ、保険料は市区町村の窓口へ確認を

「年金形式なら安心」と決めてしまう前に、ご自身の公的年金の額と合わせて確認しておくことが大切です。老後のお金についてお悩みの方は、ぜひ窓口へご相談ください。


参考:
No.1600 公的年金等の課税関係(国税庁)
確定拠出年金統計資料(2025年3月末)/確定拠出年金制度(厚生労働省)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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