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「ランチ番長」の異名を持つ女性が、絶対うまい店を嗅ぎ分ける! 『孤独のグルメ』久住昌之によるお腹と心を満たすグルメストーリー!【書評】

  • 2026.7.1
 ©Masayuki Qusumi/SQUARE ENIX ©Ryo Amei/SQUARE ENIX
©Masayuki Qusumi/SQUARE ENIX ©Ryo Amei/SQUARE ENIX

【漫画】本編を読む

『ランチ番長 瞳』(久住昌之:原作、飴井涼:漫画/スクウェア・エニックス)は、ランチに異常な情熱を注ぐ女性・新大阪瞳が、「ナイスランチ」を発見していく“おひとり様ランチ開拓譚”である。

原作を手がけるのは、大ヒットグルメ漫画『孤独のグルメ』(扶桑社)の久住昌之氏で、本作にも久住氏らしさが色濃く流れている。ただ腹を満たすだけではない、今日は何を食べたいのか、どんな店に惹かれるのかという、食事に向かう人間の「感情」がまっすぐに描かれているのだ。

主人公・瞳は、「ランチ番長」の異名を持つほどランチに人生を懸けている女性だ。高級店だから高い評価をするわけでも、SNS映えを追い求めるわけでもない。自身の「ランチアンテナ」を頼りに街をさまよい、住宅街にひっそり佇む隠れ家的な店や、おひとり様でも居心地が良い店など、独自の「これは絶対うまい」という気配を嗅ぎ取っていく。その嗅覚はもはや「野生」に近い。

本作の魅力は『孤独のグルメ』と同様に「日常の一食」をドラマチックにしてしまうところだ。ただ空腹になり、店を探し、注文し、食べる。しかしその「ただのランチ」がシズルたっぷりに描かれているのだ。料理はもちろん、店に入るまでの期待感、最初の一口の高揚感、予想外のメニューに出会った時の幸福感が丁寧に積み重ねられていく。『孤独のグルメ』が「ひとり飯」を文化として定着させた作品とするなら、本作は「ランチを探す時間そのもの」の楽しさを加えた作品と言えるだろう。

食事は、ただ空腹を埋める作業ではない。どこへ行き、何を選び、どんな気分で食べるのかというすべてが小さな冒険なのだ。瞳のランチに対する異様な熱量は時に滑稽に見えるが、しかし、その真剣さにつられて読み手もまた「今日は何を食べよう」と本気で考え始めるのである。本作でも久住昌之ワールドを存分に味わってほしい。

文=ソルティ・タムラ

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