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「懸垂10回」を毎日続けた結果、1ヶ月でどんな変化が期待できる?

  • 2026.6.30

「懸垂を毎日10回、1ヶ月続けたら何が変わるんだろう?」シンプルなトレーニングだからこそ、続けた先の変化が気になりますよね。

懸垂は、特別な器具がなくても自分の体重だけで上半身を効率よく鍛えられる、コストパフォーマンスの高いトレーニングです。とはいえ、「本当に効果があるのか」「毎日やっていいのか」など、疑問もたくさんあるはずです。

この記事では、懸垂10回を1ヶ月続けたときに期待できる変化から、鍛えられる筋肉、正しいフォーム、回数が伸びないときの対処法まで解説します。監修は、まえだ整形外科リウマチクリニック院長・前田 俊恒先生です。

懸垂10回を1ヶ月続けると何が変わるのか

結論から言うと、懸垂10回を1ヶ月続けると、「見た目の劇的な変化」よりも先に、「体の使い方」と「筋力」の面で確かな変化を感じられます。

トレーニングを始めて最初の1ヶ月は、筋肉そのものが大きくなるというより、脳と筋肉の連携(神経系)が改善する時期です。この時期には、次のような変化が期待できます。

  • 1回1回の懸垂が、以前より楽に感じられるようになる
  • フォームが安定し、体のブレが減る
  • 背中や腕に「効いている感覚」をつかめるようになる
  • 握力やぶら下がる力が強くなる
  • 姿勢が良くなったと感じる

筋肉が目に見えて発達してくるのは、一般的に2〜3ヶ月以降と言われます。ですから、1ヶ月の段階では「変化が小さい」と感じるかもしれません。

しかし、この時期に積み重ねた土台が、その後の見た目の変化につながっていきます。

懸垂はどこに効く?懸垂10回で鍛えられる筋肉部位

懸垂は「腕や背中のトレーニング」というイメージが強いですが、それだけでなく上半身を中心に多くの筋肉を同時に使う種目です。主に鍛えられる部位は次のとおりです。

広背筋:背中のもっとも大きな筋肉。逆三角形の体をつくる主役で、懸垂でもっとも鍛えられる部位です
僧帽筋・大円筋:背中の上部から肩にかけての筋肉。厚みのある背中をつくります
上腕二頭筋:いわゆる「力こぶ」。引く動作で大きく働きます
前腕・握力:バーを握り続けることで、自然と前腕や握力が鍛えられます
三角筋後部:肩の後ろ側の筋肉も補助的に使われます
体幹(腹筋・インナーマッスル):体を安定させるために、お腹まわりの筋肉も働きます

このように、懸垂はたった一つの動作で、上半身の広い範囲を効率よく鍛えられます。「時間がないけれど効率よく鍛えたい」という人にぴったりの種目ですね。

次:懸垂を1ヶ月やれば見た目は変わる?

懸垂を1ヶ月やれば見た目は変わる?

正直にお伝えすると、1ヶ月で見た目が劇的に変わるということはなく、あまり期待しすぎないほうがよいでしょう。ただし変化がまったくないわけではありません。

スタート時の体型や体脂肪率、食事の内容によって異なりますが、1ヶ月続けると次のような変化が現れ始めることがあります。

  • 背中にうっすらと立体感が出てくる
  • 腕や肩まわりが少し引き締まって見える
  • 姿勢が良くなり、見た目の印象が変わる

中でも「姿勢の改善」は比較的早く実感しやすい変化です。背中の筋肉が使えるようになると、自然と胸が開き、立ち姿がきれいに見えるようになります。

一方、はっきりとした筋肉の発達や「体が変わった」と言えるレベルの変化には、2〜3ヶ月以上の継続と、たんぱく質を意識した食事が欠かせません。

1ヶ月は、あくまで「変化の入り口」と捉えておきましょう。

懸垂(チンニング)のすごい効果とは。5回、10回…毎日やると体にどんな変化が出てくる?

懸垂10回の消費カロリーはどれくらい?

消費カロリーは数kcal〜十数kcal程度だが……

ダイエット目的で懸垂を考えている人もいるかもしれませんが、懸垂10回そのものの消費カロリーは、それほど大きくありません。体重や強度にもよりますが、数kcal〜十数kcal程度が目安です。

「それだけ?」と感じるかもしれませんが、懸垂の本当の価値は、消費カロリーの大きさではなく、「筋肉量を維持・向上させること」にあります。

筋肉は、何もしていないときでもエネルギーを消費する組織です。そのため、トレーニングで筋肉量が増えると、基礎代謝(じっとしていても消費されるエネルギー)が上がり、「太りにくく引き締まった体」作りに役立ちます。

つまり懸垂は、「その場で大量のカロリーを燃やす運動」ではなく、「長い目で見て、代謝の良い体をつくる運動」です。短期的な消費カロリーで判断せず、コツコツ続けることに意味があります。

次:懸垂10回はすごいの? 平均レベルはどのくらいなのか

懸垂10回はすごいの? 平均レベルはどのくらいなのか

「懸垂10回って、実際すごいの?」と気になる人も多いでしょう。

連続で10回の懸垂ができるのは、実は一般的にはかなりレベルの高い部類に入ります。トレーニングをしていない人の場合、正しいフォームで1回もできないというケースも珍しくありません。

おおまかな目安としては以下があります。

  • 0〜1回:これからの伸びしろが大きい初心者レベル
  • 2〜5回:継続して鍛えてきた中級者の入り口
  • 6〜10回:しっかり鍛えている中級〜上級レベル
  • 11回以上:かなり鍛え込んでいる上級レベル

ただし、懸垂は自分の体重を持ち上げる種目なので、体重によっても難易度が変わります。体重が重い人ほど負荷が大きくなるため、回数だけで一概に比べられない点には注意しましょう。

いずれにせよ、毎日10回を安定してこなせるなら、それは十分に誇れる筋力レベルだと言えます。

懸垂を毎日30回できる人はどれくらいすごい?

懸垂、毎日やっていい? 連日続けるときの注意点

懸垂10回を「毎日」続けることには、メリットだけでなく、いくつか注意したい点もあります。

筋肉の回復が追いつかないことがある

筋肉は、トレーニングで傷ついた後、休息中に修復されて強くなります。毎日同じ部位を追い込むと回復が間に合わず、かえって筋力が伸びにくくなることがあります。

「超回復は嘘、毎日筋トレをした方がいい?」筋肉博士・山本義徳先生の回答は…

関節や腱を痛めるリスク

肩やひじ、手首には、毎日の負荷が積み重なります。違和感や痛みを感じたまま続けると、腱(けん)を痛めるなどのケガにつながることがあります。

疲労によるフォームの崩れ

疲れがたまった状態で無理に行うと、フォームが崩れ、効果が下がるだけでなく、ケガのもとにもなります。

握力・前腕の慢性的な疲労

毎日バーを握ることで、握力や前腕が回復しきらず、だるさが続くことがあります。

毎日続ける場合は、「痛みがあるときは休む」「フォームが崩れるほど無理をしない」を必ず守りましょう。トレーニングは、続けることと同じくらい、適切に休むことが大切です。

懸垂は毎日やるべき? 休むべき?

「効果を早く出したいから毎日やりたい」という気持ちは分かりますが、筋力アップを目指すなら、休息日を設けるほうが効率的なことが多いです。

前述のとおり、筋肉は「休んでいるあいだ」に成長します。一般的には、同じ部位を鍛えたあとは、48〜72時間ほど休ませるのが理想とされています。

ただし、難なくこなせる程度の比較的軽い負荷であれば、毎日行っても問題ない人もいます。判断のポイントは、次のとおりです。

  • 筋肉痛や強い疲労が残っているなら、休む
  • フォームが安定して保てるなら、続けてもよい
  • 違和感や痛みがあるなら、迷わず休む

おすすめは、「2〜3日に1回」または「1日おき」のペースです。毎日やりたい場合でも、週に1〜2日は休養日を入れると、ケガを防ぎながら効率よく鍛えられます。

「休むこと」も立派なトレーニングの一部だと考えましょう。

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次:懸垂の正しいやり方

懸垂の正しいやり方

効果を最大化し、ケガを防ぐためには、正しいフォームが欠かせません。基本の流れを押さえておきましょう。

やり方

1.バーを肩幅か、やや広めの手幅で握る(手の甲を自分側に向ける「順手」が基本)

2.腕を伸ばして、まっすぐぶら下がった状態からスタートする

3.肩甲骨を寄せるイメージで、背中の力を使って体を引き上げる

4.あごがバーの高さを越えるまで引き上げる

5.反動を使わず、ゆっくりコントロールしながら元の位置まで下ろす

意識したいポイント

  • 腕の力だけで引かず、「背中で引く」意識を持つ
  • 体を反動で振り上げない(勢いを使うと効果が下がります)
  • 腰を反らしすぎない
  • 下ろすときこそゆっくり。下ろす動作にも筋肉を使う効果があります
  • 引き上げるときに息を吐き、下ろすときに吸う

最初はうまく背中を使えなくても問題ありません。回数を重ねるうちに、少しずつ感覚をつかめるようになります。

懸垂10回、できない人はどうする?

「そもそも10回もできない」「1回もできない」という人も、心配いりません。段階を踏めば、少しずつできるようになっていきます。

ネガティブ動作(下ろす動きだけ)を練習する

台や椅子を使ってバーの上まで体を上げ、そこからゆっくり時間をかけて下ろします。「下ろす力」が先に鍛えられ、引き上げる力の土台になります。

懸垂(チンニング)ができない!やり方のコツは「斜めポーズ」から

チューブやマシンで補助する

トレーニング用のゴムチューブを足にかけたり、アシスト機能つきのマシンを使ったりすると、負荷を軽くして練習できます。

斜め懸垂(インバーテッドロウ)から始める

低い鉄棒やテーブルなどを使い、足を地面につけたまま体を斜めにして引き上げる種目です。負荷が軽く、初心者でも取り組みやすい方法です。

懸垂(チンニング)ができない!やり方のコツは「斜めポーズ」から

ぶら下がるだけ(デッドハング)から慣らす

まずはバーにぶら下がるだけでも、握力と背中の準備運動になります。

焦らず、これらのステップを組み合わせながら、少しずつ目標に近づいていきましょう。

懸垂(チンニング)ができない初心者へ!やり方&トレーニングのコツ

懸垂10回から回数が増えないとき、何をすればいい?

「10回まではいけるのに、そこから増えない」これは多くの人がぶつかる壁です。回数を伸ばすには、体に「これまで以上の刺激」を与える工夫が必要です。

少しずつ負荷を上げる

筋肉は、同じ刺激に慣れると成長が止まります。少しずつ負荷を増やすことで、再び伸び始めます。具体的には、次のような方法があります。

  • 重りをつけて回数を落として行う(加重懸垂)
  • セット数を増やす
  • 下ろす動作をよりゆっくり行う

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握り方を変えてみる

順手・逆手・手幅の広さを変えると、使う筋肉のバランスが変わり、新たな刺激になります。

懸垂(チンニング)バーの握り方|順手、逆手、広く握る、狭く握る…効果の違いは?

十分な休息とたんぱく質を意識する

回数が伸びない原因が、栄養や休息の不足にあることも少なくありません。睡眠をしっかりとり、たんぱく質を意識的に摂ることも大切です。

毎回限界まで追い込みすぎない

毎回ギリギリまで追い込むと、回復が間に合わず、かえって伸び悩むことがあります。余力を残すセットも織り交ぜましょう。

回数が増えない時期は、成長の前の「停滞期」であることがほとんどです。焦らずに工夫を続ければ、また伸び始めます。

懸垂は、続けるほど確実に体が応えてくれるトレーニングです。1ヶ月、そしてその先へと、自分のペースでコツコツ積み重ねていきましょう。

筋トレをもっと効果的にする、トレーニングの3原理&5原則

監修者プロフィール

まえだ整形外科リウマチクリニック 院長 前田 俊恒(まえだ としひさ)

医学博士/整形外科専門医/リウマチ専門医/リハビリテーション科専門医
肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。
日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発活動にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や股関節痛など運動器疾患についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。

<Text:外薗 拓 Edit:編集部>

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