1. トップ
  2. いくら増えてもまだ心配…防犯カメラの設置の方法にある重要ポイントが!専門家解説

いくら増えてもまだ心配…防犯カメラの設置の方法にある重要ポイントが!専門家解説

  • 2026.6.28

近年、札幌市をはじめ各地の住宅街で防犯カメラの設置が増加しています。
強盗などの凶悪犯罪や身近なトラブルへの抑止力として期待される一方、専門家は「日本では録画(捜査)専用になりがちで、未然に防ぐにはアプローチを長く撮るなど設置の工夫が必要」と指摘します。

さらに「見られたくない」という住民の心理や、プライバシー保護のためのガイドライン整備といった運用上の課題も浮き彫りになっています。
現状と課題を取材しました。

連載「じぶんごとニュース」

犯罪捜査の決め手になる防犯カメラ

北海道は治安がいいから大丈夫!…というのは、昔の話。
地域の「防犯力」を高めようと、いま札幌の住宅街で防犯カメラの設置が増えています。

札幌市手稲区の町内会では2020年からカメラを設置。
期待するのは、事故や犯罪の抑止です。その一方で課題も…。
増え続ける防犯カメラ。その現状を取材しました。

全国各地で発生している強盗事件や闇バイトによる凶悪犯罪。そして、クマなど野生動物が映るケースも…。
マチを守るためにも、今やなくてはならないのが「防犯カメラ」です。

札幌市は、犯罪防止などのため、町内会に防犯カメラの設置費用を補助する制度を2018年度から始めました。

補助を受けている町内会は全部で196団体・563台。約1割が設置をしているといいます。

防犯カメラの設置を進めている札幌市手稲区の曙第4町内会では21台を設置しています。

学校や大型ショッピングセンター、総合病院など、大勢の人が行き交う手稲区。
そのにぎわいの中心である手稲駅は、乗降客数がJR北海道管内で4番目に多い駅でもあります。

Sitakke

町内会の金子利治相談役は「盗難事件とか痴漢事件とか、いろいろな事件が発生している」と設置の背景を語ります。

この町内会では、防犯カメラ1台当たり最大18万円が補助される札幌市の補助金を利用し、2年間で8台設置しました。

防犯カメラによる「新しい目」は、どんな所ににらみを利かせているのでしょうか?

いくら設置してもまだ心配

Sitakke

痴漢やひったくりなどが発生しやすい公園は、死角をつくらないように、カメラのアングルなどを工夫しています。

金子利治相談役は「通学路を見張るためにこれは角度的に向こうの道路を見ているんですよ。いま21台ですけど足りないと思うんですよ」と話します。

通学路にスーパーがあり、交通量も多いため、カメラをいくら設置しても、心配な個所はまだまだあるといいます。

「この第4町内会に関してはもう予算オーバーですので、あとは自費でやると…」

防犯カメラ1台にかかる年間の電気代、約5000円は、町内会が負担します。

なかには、町内会で電気代のかからないソーラー電池の防犯カメラを設置したところもありました。

この町内会では、公園や通学路の安全確保に効果を感じていることから、近隣の町内会にも働きかけて、地域の防犯カメラをさらに増やしていきたい考えです。

Sitakke

一方で、課題もあると金子相談役は話します。

「自分が見られたくないっていう方もいましてね…。プライバシーをどこまで優先するかですよね。極端でない限り安全安心の方で私は優先すべきと思う」

背景には、防犯カメラに関する日本ならではの運用方法があると立正大学の小宮信夫教授(犯罪学)は指摘します。

「日本の場合は基本的に録画専用なので、すでに犯罪が起きてしまっている。『抑止力』というよりは犯罪の捜査のほうに使われているのが現状」

小宮教授は、犯罪の抑止につなげるには、設置の仕方が重要だと話します。

「ここはダメ」と思わせる

Sitakke

「もっと長い距離を正面から撮るような場所にカメラを設置するんです。犯行のスタートからずっと取るようなアプローチを長く撮れば、犯罪者が入口に向かってくる顔を丸々写せる。カメラを見た瞬間にここはダメだと思わせる」

加えて「プライバシーの問題」については、市民の意識が変わってきている中、行政などによるガイドラインの整備が必要だと訴えます。

「海外では第三者が勝手に映像を使わないようにするとか、ものすごく厳しいガイドラインがある。それが日本には一般的な情報の法律しかない。カメラ映像をきちんと管理して悪用されないような形でやるのも同時並行として必要」

抑止効果高める方法は…

Sitakke

小宮信夫教授によりますと、犯罪の抑止に効果的な防犯カメラの例としてイギリスの運用法をあげています。
イギリスなどでは、防犯カメラにスピーカーがついていて、映像をチェックしていることが多いのだそうです。
例えば、ケンカなどのトラブルが起きた場合は「警察官が向かいます!」などと警告するそうです。

Sitakke

また、実際に設置する場合は、犯罪が起きやすい場所や状況に精通した専門家などが、防犯カメラの設置位置やアングルなどを検討して設置することが大切だといいます。

ただ、小宮教授はそうした専門家が少なく、設置業者や、設置場所の都合で場所が決められるケースが少なくないと話していました。

札幌市は、町内会が補助金を申請する際、設置場所を警察と協議するルールになっています。

犯罪の抑止や捜査に大きな力を発揮する防犯カメラは、今後も増えることが予想されます。トラブルにならないような、全国的に統一されたルール作りが求められているのかもしれません。

連載「じぶんごとニュース」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年6月5日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる