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ヘアゴムもバッグも引き出しも! なんでもおもちゃにしてしまう猫。自由な猫に振り回される愛おしい日々【書評】

  • 2026.6.28

【漫画】本編を読む

猫は家の中のあらゆるものを自分のおもちゃに変えてしまう。人間からすれば、なんでもかんでも猫に遊びに使われたらほとほと困ってしまうのだが、でも、猫が好き勝手に遊ぶそのさまは、たまらなくかわいい。

『拾い猫のモチャ』(にごたろ/KADOKAWA)で描かれるのは、そんな共感性抜群の猫エピソード。オスの三毛猫・モチャと飼い主の日常が、やさしくユーモラスに描かれている。

モチャは本当にすぐに人間の持ち物で遊びたがる。たとえば、ヘアゴムを見つければ、くわえて走り去り、毎回ソファの間など、探しにくいところへ隠してしまうから、飼い主のヘアゴムはいつでも行方不明だ。

また、モチャは、狭いところ、すき間が大好き。少し開いていたバッグを見つけるといつのまにか中へ入り込んでしまい、飼い主から「やっぱりここにいた」とずるっと出されると不服そうな表情を浮かべる。飼い主が、「モチャが入っちゃうから、押し入れとか開けっぱなし禁止」と家族と共有すると、そんな言葉を聞いていたのかいないのか、今度は、引き出しにも入り込もうとする。

困る。本当に困るのだ。ヘアゴムは消えるし、バッグや引き出しの中に入れられたら、探すのも大変だ。けれど、モチャからすれば、ただ、自分の気になるものへ真っ直ぐ向かっているだけなのだろう。

猫は人間の都合などお構いなしに、家の中のあらゆる場所を探検し、あらゆるものをおもちゃにしてしまう。その自由さに振り回されながらも、そんな困った行動の一つひとつが、どうしようもなく愛しい。猫と暮らす人なら身に覚えのある小さな困りごとと、それを上回る愛おしさ。それらがぎゅっと詰まったこの作品に、癒されてみてほしい。

文=アサトーミナミ

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