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【まだ間に合う梅仕事】6月下旬から滑り込む「梅酒」「梅シロップ」! 完熟梅や冷凍梅での作り方を栄養士が解説

  • 2026.6.28

6月下旬は「完熟梅」の黄金期! 桃のように芳醇な香りを活かす梅の選び方

筆者はコロナ禍の「おうち時間」を機に、梅仕事デビュー。以来、毎年「青梅」を見かけたら素通りできなくなりました(笑)。
筆者はコロナ禍の「おうち時間」を機に、梅仕事デビュー。以来、毎年「青梅」を見かけたら素通りできなくなりました(笑)。

5月下旬から6月上旬にかけて青果売り場で見かける、みずみずしい緑色の「青梅」の時期は確かに過ぎつつありますが、6月下旬の今、店頭の主役へと躍り出るのが黄色く色づいた「完熟梅」です。

一般的に、実がしっかりした青梅はすっきりとした味わいに仕上がるため初心者に最適とされますが、完熟梅は桃のような甘い香りを放ち、ツンとしないまろやかで濃厚な梅シロップや梅酒に仕上がるという大きなメリットが存在します。

完熟梅は実が柔らかく傷がつきやすいため、従来は梅干し作りに最適とされてきましたが、丁寧に扱えばシロップや梅酒作りでも失敗なく極上の味を楽しめます。もし店頭で少し斑点のあるお買い得な「見切り品」の黄色い梅を見つけたら、それこそが絶好のチャンスです。

「梅シロップ」「梅酒」初心者におすすめなのは、青梅(左)。完熟梅(右)は梅干し作りに最適です。
「梅シロップ」「梅酒」初心者におすすめなのは、青梅(左)。完熟梅(右)は梅干し作りに最適です。

また、近所のスーパーで梅のコンテナ自体が撤去されてしまっている場合でも、まだ諦める必要はありません。

日本を北上する収穫前線により、今の時期は産直サイトなどで東北産の質の良い生梅が手に入るほか、オンラインで年中いつでも購入できる「冷凍梅」を取り寄せるという現代的な裏ワザもあります。

あらかじめ冷凍された梅は、細胞の組織が壊れて果汁のエキスが外に抽出されやすく、通常の生梅から作るよりも半分の期間でシロップが完成するため、むしろ初心者におすすめの選択肢と言えます。

失敗を防ぐ立役者「氷砂糖」の秘密と、法律をクリアする「お酒」の選び方

「梅シロップ」「梅酒」で、いい仕事をしてくれる氷砂糖。溶けにくいことが最大のポイントです。
「梅シロップ」「梅酒」で、いい仕事をしてくれる氷砂糖。溶けにくいことが最大のポイントです。

梅シロップや梅酒を作るうえで、共通して不可欠となるのが「氷砂糖」です。きび砂糖や上白糖を使うレシピも存在しますが、筆者は断然、氷砂糖をおすすめします。

この氷砂糖の「溶けにくさ」こそが最大のポイント。じわじわと時間をかけて溶けることで、梅の実の中へ糖分がゆっくりと浸透し、それと同時に梅の実から水分とうまみのエキスがじっくりと引き出されていくため、味と仕上がりが格段に良くなる相乗効果が期待できるのです。逆に、すぐに溶けてしまう砂糖を使用すると、まぶたの水分が急激に引き出され、梅の実がシワシワにしぼんでしまう原因となります。

また、梅酒に使用するお酒の選び方にも大切なルールがあります。本来、一般家庭でお酒を製造することは法律で禁じられていますが、梅酒などの果実酒に限り「自分で飲むために作る」「アルコール分20度以上の酒類を使う」「米・麦・ブドウなどの穀類や果物を新たに混ぜるのはNG」などの条件付きで、例外的に認められています。

そのため、アルコール度数35度以上の焼酎(ホワイトリカー)やブランデーを使用するのが無難であり、確実です。アルコール度数が高いお酒を使用すると保存性が高まり、果実の成分抽出がスムーズになるという栄養学的なメリットも生まれます。

仕上げが違うだけ! 完熟梅・冷凍梅で仕込む「梅シロップ」「梅酒」の簡単手順

「梅シロップ」「梅酒」共通の基本材料と保存瓶。仕上げに「梅シロップ」はリンゴ酢(またはホワイトリカー)を1カップ程度、「梅酒」はホワイトリカーをたっぷり使います。
「梅シロップ」「梅酒」共通の基本材料と保存瓶。仕上げに「梅シロップ」はリンゴ酢(またはホワイトリカー)を1カップ程度、「梅酒」はホワイトリカーをたっぷり使います。

「梅シロップ」と「梅酒」の材料と作り方は、仕上げに注ぐ液体(食酢またはお酒)とその量が異なるだけです。

仕込む保存容器は、密封性が高いガラス製が長期保存に適しています。容量の目安は「梅の使用量×4倍」サイズ(例:梅1kgを仕込むなら4リットル瓶)を準備しましょう。

使う前には熱湯を回しかけて熱湯消毒をするか、消毒用エタノールで隅々まで拭き、完全に乾かしてから使用するのが雑菌の繁殖を防ぐ鉄則です。

【梅シロップの材料】(出来上がり約1~1.2リットル)・梅の実(完熟梅、青梅、または冷凍梅)…1kg・氷砂糖…800g~1kg (好みで調整)・リンゴ酢(またはホワイトリカー)…200ml(カップ1)

【梅酒の材料】(出来上がり約2.5~3リットル)・梅の実(完熟梅、青梅、または冷凍梅)…1kg・氷砂糖…500g~1kg (好みで調整)・焼酎(ホワイトリカー)またはブランデー…1.8リットル(一升)

【仕込み方】

(1) 生の梅を使用する場合は流水で優しく洗います。

※青梅の場合は1~2時間水に浸してアク抜きをしますが、黄色く熟した完熟梅の場合は水を吸いすぎて傷む原因となるため、アク抜きのプロセスは不要です。ザルにあげて水気を切った後、キッチンペーパーで梅の表面に残った水気を1個ずつ完全に拭き取ります。

青梅の渋みやエグみを抑えるため、1~2時間水に浸します。
青梅の渋みやエグみを抑えるため、1~2時間水に浸します。

※冷凍梅を使用する場合は、解凍せずにそのまま次の工程へ進みます。

おヘソのような梅の実のヘタ。竹串でスポッっと取れると気持ちいい!
おヘソのような梅の実のヘタ。竹串でスポッっと取れると気持ちいい!

(2) 竹串を使い、梅のヘタ(実が枝についていた部分)を1個ずつ丁寧に取り除きます。手間がかかるのはここまで。仕込みたい前日にこの作業を終えておけば、一晩放置して梅の表面の水分を完全に飛ばすこともできて一石二鳥です。

青梅の上に氷砂糖を入れるのがポイント
青梅の上に氷砂糖を入れるのがポイント

(3)保存瓶に、梅の実と氷砂糖を交互に入れます。ポイントは、一番上に氷砂糖がくるように配置すること。ゆっくり溶けた糖分が重力で自然と下へと降り、瓶の中の糖液濃度が均一になります。

(4)仕上げに、梅シロップには発酵予防のためのリンゴ酢を1カップ、梅酒にはホワイトリカーを1.8リットル注ぎ、フタをしっかり密封します。日光の当たらない涼しい冷暗所に保存すれば仕込みは完了です。時々、保存瓶を優しく揺すって溶けた氷砂糖を行き。渡らせてください。

「梅シロップ」の仕込み完了。
「梅シロップ」の仕込み完了。

底に見えるのは仕上げに加えた少量のリンゴ酢です。

「梅酒」の仕込み完了。
「梅酒」の仕込み完了。

窓際で撮影後、直射日光があたらない部屋の暗い場所へ移動し、紙袋をかぶせて寝かせました。

仕込んだ後のお楽しみ。栄養士が教える夏を乗り切るクエン酸パワー

仕込んだ後の管理と完成の目安は、それぞれ以下の通りです。

●梅シロップ:氷砂糖が完全に溶けたら(3~4週間程度)、梅の実を取り出して完成です。清潔な瓶に移し替えて必ず冷蔵庫で保存し、3カ月から半年以内を目安に飲み切りましょう。

仕込み2週間後の「梅シロップ」。氷砂糖がまだ残っています。完全に溶けたら飲みごろです。
仕込み2週間後の「梅シロップ」。氷砂糖がまだ残っています。完全に溶けたら飲みごろです。

●梅酒:仕込んでから2~3カ月後から徐々に飲み頃を迎え、長く漬けておくほど熟成が進んで深みのある味わいへと変化します。

筆者が2021年に漬けた5年ものの梅酒。美しい琥珀色と深い味わいになっていました!
筆者が2021年に漬けた5年ものの梅酒。美しい琥珀色と深い味わいになっていました!

また、取り出した後の梅の実は、細かく刻んでパウンドケーキやゼリーの具材として焼き込むと、無駄なく美味しい「アップサイクル(食品ロス削減)」につながります。

取り出した梅の実をアップサイクルしたパウンドケーキ。ケーキの生地に梅酒や梅シロップを加えると、さらに風味が増します。
取り出した梅の実をアップサイクルしたパウンドケーキ。ケーキの生地に梅酒や梅シロップを加えると、さらに風味が増します。

梅に豊富に含まれる「クエン酸」には、体内の疲労物質(乳酸)を分解して筋肉に溜まるのを防ぎ、疲労回復を劇的に促す素晴らしい働きがあります。今から仕込んだ梅シロップが完成するのは、まさにこれから迎える夏の真っ盛り。そして梅酒が飲み頃を迎えるのは、まだまだ残暑が厳しい初秋の時季です。

お風呂上がりや、夏の暑さで疲れが溜まった週末の夜。キンキンに冷やした炭酸水で自家製の梅シロップや梅酒を割り、爽やかな香りに癒やされながら、大舞台の夏を乗り切るご自身の身体をたっぷりと労ってあげてはいかがでしょうか。

(野村ゆき)

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