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「ネトフリきた!」「もう見れちゃうの?」時代の変化を感じさせる“結末”… 大河でも注目された“実力派俳優”の主演映画

  • 2026.8.3
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菅田将暉 (C)SANKEI

楡周平のベストセラー小説を原作に、ヒット作を生み出し続ける脚本家・宮藤官九郎と、『正欲』などで知られる岸善幸監督がタッグを組んだ映画『サンセット・サンライズ』。主演は、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で竹中半兵衛役を演じ話題となった菅田将暉だ。本作は、コロナ禍で揺れ動いた社会や過疎化に悩む地方、震災の傷跡といった重いテーマを扱いながらも、そこに生きる人々の逞しさと優しさを、笑いを交えて丁寧にすくい取ったヒューマンドラマである。

※以下、作品内容に触れています。

震災後の喪失と再生を描いた物語

新型コロナウイルスの感染拡大で世界が移動制限に揺れた2020年。釣りをこよなく愛する東京の会社員・晋作(菅田将暉)は、在宅勤務への移行を機に宮城県南三陸地方にある宇田濱町(うだはまちょう)へお試し移住を決意する。決め手は、海のすぐそばに建つ4LDKの一軒家が月6万円という破格の条件だった。

念願の釣り三昧の暮らしを夢見る晋作だったが、突然やってきた「よそ者」に、地元の人々は戸惑いを隠せない。距離感ゼロで踏み込んでくる住民たちに最初は面食らう晋作も、大家の関野百香(井上真央)に少しずつ心惹かれながら、町に溶け込んでいく。順風満帆に見えた移住生活だったが、かつて津波の被害によって、百香は夫と子どもを失っていたということを知る。

竹原ピストル、小日向文世、中村雅俊ら実力派俳優が個性豊かな地元住民を演じ、南三陸の温かな人間模様を彩る。第37回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門でも上映された話題作だ。2025年1月に劇場公開されたのち、4ヶ月後の5月にはNetflixでの配信が開始され「ネトフリきた!」「もう見れちゃうの?」という驚きの声とともに「震災に向き合う作品」「ラブコメだけどリアルな人間模様」など、その見応えに注目が集まった。

大きな時代の変化を感じさせる結末

舞台は、震災から約10年が経った南三陸にある宇田濱町という架空の町。被災地の住民たちは空き家問題を抱えながらも日常を生きている。一方、コロナ禍を経て働き方が変化した都心の人々にとって、地方移住は身近な選択肢となった。本作は、その2つの現実が交差する中に、地方移住に憧れてやってきた晋作という人物を置く。

芋煮会のシーンで、被災者ではない晋作は宇田濱町のことが好きだが、被災地であるという側面に対して「自分はどう関わればいいのか」と、葛藤を吐露する。その言葉に、町で居酒屋を営む倉部(竹原ピストル)は「ただ見てればいい」と静かに答えた。

震災当時、それまでは縁のなかった多くの都心の人々が、ボランティアとして宇田濱町にやってきた。約10年もの時が経っても、家族を失った遺族にとって震災は決して過去にはならないが、当事者ではない者たちにできるのは、そこで起きたことを忘れず、一時だけでなく目を向け続けること。本作はそんなメッセージを、説教くさくなく、温かな笑いを滲ませながら伝えてくれる。

さらに本作のラストでは、晋作と百香は互いに心を通わせあったが、晋作は関野家の養子に入りながらも百香とは婚姻関係を結ばないという選択をとる。結婚という形にとらわれず、自分たちなりの繋がり方を選んだ2人。パンデミックや震災を経て時代が大きく変化した今、誰もが自由な生き方を選べるということを、この静かなエンディングはそっと示してくれているようだった。


出典:ワーナー・ブラザーズ『サンセット・サンライズ』公式サイト

ライター:山田あゆみ
映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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