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朝ドラで“怪しい人物”を演じた2人の正体「えっ出てたっけ!?」「全然覚えてなかった」再放送だから味わえる“発見”

  • 2026.7.24
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『マッサン』第23週(C)NHK

NHK連続テレビ小説『マッサン』の再放送で、安田大サーカスの団長安田とクロちゃんが出演していたことに驚きの声が広がっている。2人が登場したのは、終戦直後、亀山政春(玉山鉄二)のウイスキー工場が経営難に揺れる場面。大阪で3級酒を売る会社の社長・柴田健とその部下として現れ、政春に原酒の買い取りを持ちかける。SNS上では「えっ出てたっけ!?」「全然覚えてなかった」と反響が相次いでいる。

※以下本文には放送内容が含まれます。

再放送で掘り起こされた、安田大サーカス出演回

『マッサン』は、国産ウイスキー造りを夢見る亀山政春と、スコットランド人の妻・エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)が、文化の違いや戦争、経営難を乗り越えながら夢を追い続ける物語である。2014年度後期に放送され、ウイスキーブームを後押しした朝ドラとしても記憶されている。

そんななか、再放送時に改めて話題になったのが、安田大サーカスの団長安田とクロちゃんの出演である。

2人が登場するのは、終戦直後を描く第23週「待てば海路の日和あり」。戦争が終わったとはいえ、亀山家にも工場にも、すぐに明るい未来が訪れたわけではなかった。海軍との取引はなくなり、会社は存続の危機に直面する。このままでは半年後には給料も払えないという厳しい状況において大阪からやって来るのが、団長安田演じる柴田健と、クロちゃん演じるその部下だった。

朝ドラは長丁場の作品である。名場面や主要キャラクターは強く記憶に残っていても、ゲスト出演や意外なキャスティングは、時間が経つと忘れられていることも多い。だからこそ再放送で見返したとき、この人が出てたっけ!と驚く楽しさがある。

とくに今回の団長安田・クロちゃんの出演については、現在のクロちゃんの強烈なバラエティイメージを知っているほど、朝ドラの画面にいること自体がかなり新鮮に映るのではないだろうか。過去の出演を、今のイメージで見返すおもしろさもある。

怪しげな酒屋・柴田健と部下

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『マッサン』第23週(C)NHK

団長安田が演じる柴田は、大阪で3級酒を販売する柴田商会の社長である。北海道・余市を訪れた柴田は、自社商品・しばたウヰスキーを持参し、政春にウイスキーの原酒を売ってほしいと持ちかける。

柴田の明るさと胡散臭さが印象的なシーンでもある。陽気に現れ、にこにこと商談を進める柴田。しかし彼が扱う3級酒は、原酒の使用量がごくわずかな酒だった。柴田は「原酒なんかこれっぽっちも入ってまっかいな」と悪びれる様子もなく笑い飛ばす。

一方クロちゃんが演じる部下は、横で威圧感を漂わせる存在である。政春が柴田の話を適当にあしらおうとすると、部下が咳払いをして圧をかける。すると柴田が「アホンダラ!」と怒鳴りつける。このやりとりには、団長安田とクロちゃんの持つコミカルさがにじむ一方で、どこか不穏な空気もある。

目先の金を取るのか。品質を守るのか。ウイスキーの原酒を売れば、会社は一時的に助かるかもしれない。しかし、それでは政春が目指してきた、メイド・イン・ジャパンの本物のウイスキーは遠ざかってしまう。戦前、粗悪なイミテーションウイスキーが市場にあふれていた時代を知る政春にとって、原酒だけを売ることは、日本のウイスキー文化を後退させることでもあった。

だから政春は、原酒屋に成り下がるつもりはないと拒む。団長安田とクロちゃんの登場は、笑える驚きであると同時に、マッサンの信念を試す重要な場面として機能していた。

朝ドラにおける芸人キャスティングのおもしろさ

朝ドラには、しばしばお笑い芸人が印象的な脇役として登場する。彼らの強みは、短い登場時間でも雰囲気を変えられることにある。とくに『マッサン』のように、戦争や経営難、夫婦の苦難を描く重い展開においては、少し異物感のある人物が入ることで、独特の緩急が生まれる。

団長安田とクロちゃんの場面も、まさにそうだ。柴田とその部下は、見るからに怪しい。真剣な商談のはずなのに、どこかコントのような間がある。けれど、その胡散臭さがあるからこそ、政春が守ろうとしている“本物”の価値がより際立つ。

粗悪な酒でも売れればいいと考える柴田と、時間がかかっても本物を造りたい政春。その対比は『マッサン』という作品の核にあるテーマそのものだ。夢を追うとは、理想を語ることだけではない。会社の資金が尽きそうなとき、目の前に金になる話が差し出されたとき、それでも譲れないものを守れるかどうかである。

団長安田の陽気さと商売人らしい押しの強さ、そしてクロちゃんの不気味な存在感。それぞれの個性は、戦後の混乱期に現れる怪しげな酒屋という役に妙に合っていた。終戦直後、会社の存続が危うい中で、政春は原酒を売るかどうかの選択を迫られる。柴田健とその部下は、その信念を揺さぶる存在だった。


連続テレビ小説『マッサン』毎週月曜〜金曜午後0時30分放送
NHK ONE(新NHKプラス)見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

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