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「受賞した理由がわかった」NHK常連俳優が“初主演”で挑んだ一作…1056作品から“大賞”獲得のNHKドラマ

  • 2026.7.24
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倉悠貴(C)SANKEI

テレビやラジオといった放送メディアで活動する放送作家たちが集う文化団体“日本放送作家協会”。そこには、約600人の放送作家が所属している(2026年6月現在)。その日本放送作家協会とNHKは、“創作テレビドラマ大賞”を共催。毎年、およそ1000本の応募の中から大賞作品が選出され、NHKでドラマ化される。

2024年度募集・選考の第49回 創作テレビドラマ大賞にて、応募総数1056作品から大賞に選ばれたのは、加藤予備による『ある日彼女のパンティーが、』。本作は、2026年5月31日にNHK総合で放送された。SNSには「創作テレビドラマ大賞を受賞しただけはあるな」「作品が賞を受賞した理由がわかった」といった声が上がり、視聴者からも高評価を得た作品となった。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

第49回創作テレビドラマ大賞『ある日彼女のパンティーが、』

第一線で活躍する脚本家の育成や、テレビドラマを支える新たな人材の発掘に貢献している創作テレビドラマ大賞。NHKでの映像化は、高品質な単発ドラマとして注目されることが多い。第49回受賞作『ある日彼女のパンティーが、』も、最初はタイトルに少し驚いたが、心に深く染み渡るストーリーに引き込まれた。

嘘がつけず、純粋で真っ直ぐな性格の並木想太(倉悠貴)。彼は、周囲から一風変わった人だと見られてしまい、社会との折り合いをつけるのが苦手。それが原因で、現在は休職中だ。保険会社で派遣社員として働いている妻の優衣(山下美月)の帰りを待ちながら、家事全般をこなす想太。

風の強いある日、想太が洗濯物を取り込んでいた時、優衣のパンティーが飛ばされ、家の前を流れる川に落ちてしまう。慌てた想太は、すぐに外に出て、川の水に流されていくパンティーを追いかけるが、“救出”することはできなかった。その晩、寝床に入ってからも、取りつかれたようにパンティーのことが頭から離れず、居ても立ってもいられなくなった彼は、深夜の強風の中、再び外へ。今度こそパンティーを“救出”しなければ、と川に入っていく想太を追いかける優衣。そこへ警官も現れ大騒動になるが、漫画家の卵である優衣は、その夜の出来事が面白かったので漫画に落とし込むことに。

その漫画がコンクールで受賞し、編集者の瀬良秀樹(風間俊介)から、今後も想太との日常を漫画に描くことを勧められる優衣。想太をネタにすることに後ろめたさを感じる優衣だったが、彼女の役に立ちたい想太は、カメラで自分の行動を記録し始める。

SNSには「愛おしさが詰まっている」「本当に大切に作られた作品だと実感した」などの感想がアップされた。また、「これ以上もこれ以下もないベストな着地」と、脚本の完成度を称賛する声も目立った。

倉悠貴と山下美月の好演が光る

想太を演じる倉悠貴は、2018年に芸能界入りして以降、2019年のフジテレビ系“月9ドラマ”『トレース〜科捜研の男〜』を皮切りに、続々とTVドラマや映画に出演。NHK連続テレビ小説には『おちょやん』と『あんぱん』に、NHK大河ドラマには現在放送中の『豊臣兄弟!』に出演。大河ドラマでは黒田官兵衛という大役を熱演し、話題を呼んでいる。

『ある日彼女のパンティーが、』で、NHKドラマ初主演を果たし、想太を丁寧に体現している倉。想太の抱える生きづらさに共感する人は、決して少なくないと思う。外出した後で、鍵をかけたか、コンセントを抜いたかなどが心配になり、家に戻るという行動は、筆者にも覚えがある。世間から変わった人に見られてしまう想太は、傷つくこともあるが、妻の優衣とお互いを想い合っているのが、倉の好演によって、ドラマからよく伝わってくる。

一方、想太の行動を漫画に楽しく描く優衣は、それによって彼を傷つけたりしないか心配している。だが、優衣は想太に深い愛情を抱いているからこそ、彼のことを漫画に綴っているのだと思う。2人でいることの小さな幸せを、宝物のように感じている優衣。それは、想太も同じだ。想太と優衣は、とても愛らしい夫婦。山下美月は、しっかり者の優衣をチャーミングに表現している。

乃木坂46でのアイドル活動と並行して、俳優として活躍してきた山下。NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』などに出演し、グループ卒業後も数々の作品で強い印象を残している。映画出演も多く、『山田くんとLv999の恋をする』では作間龍斗とダブル主演を務めた。さらに、『火喰鳥を、喰う』『愚か者の身分』『新解釈・幕末伝』などにも出演し、最新作『キングダム 魂の決戦』が公開中だ。

フレッシュかつ、どんどん演技の幅を広げている倉と山下共演の『ある日彼女のパンティーが、』は、NHKオンデマンドでも配信されているので、ぜひ楽しんで観てほしい。

過去の受賞作の脚本も秀逸

ほかにも、過去の創作テレビドラマ大賞の受賞作には、當真あみ主演の『ケの日のケケケ』、夏帆主演の『星とレモンの部屋』などがある。どちらも、秀逸な脚本のドラマ化作品として仕上がっており、見応えがある。『ある日彼女のパンティーが、』をきっかけに、これまでの受賞作もチェックしてみてはいかがだろうか。


出典:NHK ONE『ある日彼女のパンティーが、』
出典:NHKアーカイブス/【次世代脚本家の登竜門】創作テレビドラマ大賞 特集
出典:日本放送作家協会/創作テレビドラマ大賞

『ある日彼女のパンティーが、』NHKオンデマンドで配信

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

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