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NHKドラマ“降板”の発表…「ショックだけど」「代役女優も強い」制作開始後の“キャスト変更”、新しい布陣にも期待の声

  • 2026.7.18
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菊地凛子(C)SANKEI

2027年1月放送予定のNHKドラマ10『デンジャラス』で、中村ゆりの降板と、菊地凛子の代役出演が発表された。突然の知らせに驚きと心配の声が広がる一方、SNS上では「中村ゆりさんの降板はショックだけど菊地さんも楽しみ」「代役女優も強い」と期待も高まっている。菊地が演じるのは、吉岡里帆演じる重子の姉で、谷崎潤一郎の妻・松子。愛と欲望が絡み合う物語で、その存在感は大きな鍵を握りそうだ。

※以下本文には放送内容が含まれます。

突然の降板発表、強い代役への期待

桐野夏生の同名小説を原作に、文豪・谷崎潤一郎と、彼を取り巻く女性たちの愛と欲望を描く物語『デンジャラス』。主演は吉岡里帆。谷崎をオダギリジョーが演じ、菊地凛子は重子の姉で、谷崎の妻・松子役を担う。
もともと松子役には中村ゆりが発表されていたが、体調不良により降板が決定。中村が演じる松子を期待していた人にとって、今回の発表は決して小さなニュースではない。まずは何より、回復を願いたい。

一方で、代役として菊地凛子の名前が発表されたことで、作品への期待は別の熱を帯び始めた。代役という言葉には、どうしても“誰かの代わり”という響きがある。しかし菊地凛子の場合、その印象だけでは終わらない。
国内外の映画やドラマで圧倒的な存在感を放ってきた彼女が加わることで、『デンジャラス』という作品そのものの空気が変わる可能性がある。突然の交代という難しい状況であっても、菊地なら松子という人物に新しい熱と影を吹き込んでくれるはずだ。

谷崎の妻・松子に必要なもの

菊地が演じる松子は、主人公・重子の姉であり、谷崎潤一郎の妻である。明るく華やかで、楚々として控えめな重子とは対照的な存在として描かれる人物だ。さらに、小説『春琴抄』のモデルにもなった、谷崎にとってのミューズでもある。
この役に求められるのは、単なる美しさではない。谷崎という“危険な男”のそばにいながら、彼の創作と欲望に深く関わっていく女性としての華やかさ、強さ、そして危うさである。松子は、物語の中で静かに火を燃やすような人物になるのではないか。

菊地の演技の大きな魅力は、その身体性と眼差しに起因している。『バベル』では、聴覚障害を持つ少女・千恵子を演じ、孤独や焦燥を視線と身体で表現し、世界的な評価を受けた。『ノルウェイの森』では、壊れそうな繊細さを抱えた直子を演じ、『パシフィック・リム』では森マコとして、静かな強さと戦う意志を体現した。

一方で近年の菊地は、カリスマ性だけでなく、人間臭さや可笑しみも巧みに見せている。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ののえ役では、従順に見えて内側に野心を秘めた女性を、毒気とチャーミングさの両方で演じた。計算高さだけでなく、どこか憎みきれない生々しさがあった。

松子にも、おそらく同じような複雑さが求められる。谷崎の妻であり、ミューズであり、重子の姉である彼女は、誰かの物語に収まるだけの存在ではないはずだ。菊地なら、その感情の濁りを美しく整えすぎず、むしろ生々しいまま見せてくれるのではないか。

『デンジャラス』が描く“女たちの愛と欲望”

『デンジャラス』は、谷崎潤一郎という男を中心にしながら、実際には彼に見つめられ、書かれ、揺さぶられた女性たちの物語でもある。愛されること、書かれること、モデルにされること。それは名誉であると同時に、自分の人生を他者の創作に取り込まれていく危うさも孕んでいる。

だからこそ、松子という役には、物語に飲み込まれない強い存在感が必要だ。谷崎のそばにいる女性でありながら、ただ彼の欲望に映し出されるだけではない。重子との姉妹関係、谷崎との夫婦関係、そして創作の源泉として見つめられることへの複雑な感情。そこには、愛と誇りと嫉妬と不安が混ざり合っているはずだ。

さらに、吉岡里帆演じる重子との対比も大きな見どころになる。控えめで楚々とした重子と、華やかで危うい松子。月と太陽のように対照的な姉妹が、谷崎という存在をめぐってどのように揺れていくのか。菊地の登場によって、その関係性にはより濃い陰影が生まれそうだ。

彼女は、言葉にならない欲望や孤独を、眼差しと身体で語れる俳優だ。突然の代役出演という難しい状況であっても、松子という人物に新しい説得力を与えてくれるのではないか。


出典:ドラマ10「デンジャラス」出演者変更のお知らせ|NHK公式サイトより

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

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