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初めての飛行機なのに彼女に『慣れたフリ』をする男性客…不自然な言動の数々に、CAが取った“粋な対応”とは?

  • 2026.7.17
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

皆さんは、大切な方との「初めてのご旅行」で、飛行機を利用されたことはありますか?

異性の前で「少しでも格好いい姿を見せたい」、「スマートにリードしたい」と、つい背伸びをしてしまうのは、よくあることかと思います。

特に、機内という「非日常を感じる空間」では、そんな微笑ましい瞬間に遭遇することがあります。

今回は、あるカップルのエピソードを通して、お客様のプライドを傷つけることなく、CAが影の「黒子」としてフォローした実例をご紹介します。

お客様の「最高の思い出」を実現するために、CAがついた「優しい嘘」とは。

完璧に見えた「スマートなエスコート」

それは、沖縄へと向かう機内でのことでした。

上位クラスに、カップルと思われる若い男女のお客様が搭乗され、男性は私たちがお声がけするより先に「席はここで、ここに荷物を入れてね」と、女性をエスコートしていました。

「沖縄は何回目なの?飛行機によく乗るんだね」などと、頼もしそうに男性を見つめる女性。

仲睦まじいお二人の「特別な空間」を邪魔しないよう、私はあえて先回りのご案内はせず、最低限のアプローチに留めることにしました。

しかし、離陸に向けた安全確認が始まっても、男性はリクライニングやテーブルを出したままなのです。

「忘れているのかもしれない」と思いしばらく様子を見たものの、一向に戻す気配はありません。

男性にさりげなく声をかけると、「あ、忘れていたよ」と、焦った様子で戻し始めました。

しかし元の位置に戻す方法がわからないといった様子で、最終的に私がお手伝いし、そのときから私は違和感を覚え始めていました。

「いくらだっけ?」→黒子に徹するCA

その後も、すべて無料のドリンクやお食事のサービスに伺うと、「いくらだっけ?」と金額を尋ねる男性と、不思議そうに目を向ける女性。お二人の間に、少し張り詰めたような緊張感が漂い始めたように感じられました。

「女性をエスコートしたい男性を助けなくては」

そう思った私は、男性のプライドを守る「黒子」になろうと心に決めたのです。

男性がお手洗いに立たれると、私は「ご案内しますね」とさりげなく近づき、男性が迷うことのないよう誘導しました。

そしてその後も、女性が席を外したタイミングで、男性に「お連れ様とは初めての沖縄なんですか?」と声をかけてみたのです。

男性は、交際して1ヶ月の記念で沖縄へ旅行することを、照れくさそうに話してくださいました。

私たちCAは到着前、お二人の初めてのご旅行が素敵なものとなるよう、メッセージカードを書いてお渡しすることにしました。

平和のための「優しい嘘」

カードをお渡しすると、お二人はとても喜んでくださり、到着後、男性は私のもとへやってこられました。

「カードの『いつもご利用ありがとうございます』という言葉、ありがとうございました。気付いているかもしれませんが、実は僕は初めての飛行機だったんです」

はにかみながらこっそりそう教えてくださり、女性をエスコートしながら、嬉しそうに降りていかれました。

それは、あえて付け加えた一文に込めた、私たちの「想い」が届いた瞬間でした。

お客様を守るホスピタリティ

お客様の「小さな背伸び」を優しく包み込み、「黒子」に徹してお客様のプライドを守り抜くことも、旅を「最高の思い出」に変えるためのホスピタリティなのだと思います。

「優しい嘘」が、「温かい時間」に変わるのだとしたら、必ずしも「真実」を追求する必要はないのだと感じた出来事でした。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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