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宅配員「不在かな…?」不在票を書こうとした瞬間…ガチャリと開いたドア。出てきた5歳児の“無邪気な一言”に「背筋が凍った」ワケ

  • 2026.7.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

「いつもなら家にいるはずなのに、今日に限って留守にしてしまい、不在票が入っていた」
そんな経験は、誰しも一度くらいあるのではないでしょうか。

予定が急に変わってしまうことは、誰にでも起こり得ることです。
荷物を届ける側としても、いつもと違う雰囲気の家に着くと、少し身構えるものがあります。

今日は、そんな「いつもと違う」ことがきっかけとなった、忘れられない配達での出来事をお話しします。

いつもと違う、静かな玄関

ある日のことです。
16時から18時の時間帯指定の荷物をお届けにあがったときのことでした。

私が担当していたのは山間部のエリアで、公共交通機関のバスは通っているものの本数が少なく、自家用車が生活に欠かせない土地柄です。一家に一台ではなく、家族一人ひとりが車を持っているという家庭も珍しくありません。

その日訪れたお宅は、いつもであれば同じ時間帯に在宅されていて、荷物を受け取ってくださるお客さまでした。
ところが、いつも停まっているはずの車が見当たらず、家の周りもどこか静かな様子でした。

車がなければ不在の可能性が高くなります。
それでも時間指定の荷物だったため、指定時間内に一度はお届けに伺うルールがあります。

念のためチャイムを押し、声をかけてみました。
案の定、返事はありません。

すぐに不在と判断し、不在票の準備を始めながら、次の配達先へ気持ちを切り替えようとしていたところでした。

突然開いた玄関、そこにいたのは

そのとき、玄関のドアがガチャリとわずかに開きました。
不在だと思っていたところに動きがあり、驚きながらも「こんにちは、宅配便です」と声をかけました。

ゆっくりと開いたドアの向こうにいたのは、5歳くらいの小さな男の子でした。
大人用の大きなサンダルを履き、ニコニコとした表情でドアを開けてくれました。

「こんにちは、おうちの人はいますか?」

家の中に他の家族がいて、チャイムに気付かずこの子が先に出てきてしまったのではないか、そう考えながら男の子に尋ねました。

「あのね、ママ、ニィニのおむかえにいってるよ」

その一言に、これまでとは違う緊張感が走りました。
まさか5歳の子どもが一人で留守番をしているとは想定していなかったのです。
念のため、もう一度確認してみました。

「ぼく、ひとりでお留守番してたの?」
「うん。テレビ見てたの」

これで、他に大人がいない状況がほぼ確実になりました。

幼児が一人でお留守番をしていることもですが、堂々と出てきてしまった状況に、背筋が凍る思いがしました。
内心、「出てきちゃダメだよー!」と叫んでいました。

荷物より大切なもの

小さな子ども一人しかいない状況で、荷物を渡すという判断はできません。
しかもその日の荷物は冷蔵品でした。

夕方とはいえ夏なので、まだ外気は高めです。
冷凍品ではないものの、冷蔵品も温度管理の必要な荷物です。

中身は「食品」となっているだけでどのようなものかわかりません。
早めに冷蔵庫での保管が必要であり、ここは一旦持ち戻るべきだと判断しました。

そこで、先ほど用意していた不在票を、男の子に手渡すことにしました。

「ママが帰ってきたら、この紙をママに渡してね。あと、ママやパパがいないときは、玄関を開けたらだめだよ」
「うん、またねー」

素直に返事をしてくれた男の子が家の中に入り、ドアが閉まるのを見届けてから、その場を離れました。

おうちの方にとっては、ほんの数分のつもりで留守番をさせていたのかもしれません。
家事の合間にちょっとテレビを見ていてもらう、そんな延長線上の感覚だったとも考えられます。
子どもはテレビに集中し出すと、時間を忘れてしまうこともあるものです。

それでも、小さな子ども一人だけの留守番には、思いがけない出来事がつきまといます。
玄関を開けてしまったことも、その一つといえるでしょう。

お迎えに向かっていたお母さんも、内心では不安を抱えていたかもしれません。

その後30分もしないうちに男の子のお母さんから連絡があり、同じ日の18時過ぎに再配達をすることになりました。
無事に不在票を渡してくれたことに安堵しつつ、一人で玄関を開けることは今後控えてほしいという思いも残りました。

「渡さない」という判断も、宅配員の仕事のうち

穏やかな地域であっても、事故や思いがけない出来事がいつ起こるかは誰にもわかりません。
大人でも不安になる状況を、小さな子どもが一人で乗り越えるのは簡単なことではないでしょう。

夏休みなどの長期休暇中や急な用事で、お子さまだけで留守番をお願いしなければならない場面もあるかと思います。
そうしたときは、玄関の鍵を必ずかける、チャイムや電話が鳴っても出ないなど、ご家庭内でのルールをあらかじめ決めておくと、いざというときの安心材料になります。

実際に、インターホン越しに「いま大人がいないので出られません」と受け答えをしてくれるお子さんに出会ったこともあります。

荷物を受け取っていただくことよりも、ご家族の安全のほうがずっと大切です。
安心して受け取っていただける状況を待ってお届けする、そうした判断も宅配員の仕事のひとつです。

これからも、安心してお届けするために

宅配は、荷物を届けるだけの仕事ではありません。
その場の状況をきちんと見て、必要であれば時間をおいて出直す。そうした判断も含めて、日々の配達は成り立っています。

お客様のご家庭の事情もそれぞれ異なりますが、これからも、荷物を受け取る方にとっても、届ける宅配員にとっても、お荷物を渡すわずかな時間が安心できる時間であれば嬉しく思います。

そして、宅配業界に関わるすべての人と、荷物を待つすべてのご家族が、これからも温かい気持ちで繋がっていけますようにと、心から願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた“宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。 荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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