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元教員「やむを得ない時代の流れだと思います」夏休みの“自由研究”に対する元教員のホンネとは…

  • 2026.8.19
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元小学校教員のみずいろ文具です。

夏休みの宿題といえば、何を思い浮かべますか?

ドリルに絵日記、読書感想文。そして、かつて定番だったのが「自由研究」です。

私が勤務していた学校でも、夏休み明けの教室には、子どもたちが一生懸命取り組んだ作品がずらりと並びました。

旅行の思い出をまとめたもの、実験の記録、工作、料理に挑戦した日記……。

一つひとつの作品を見ていると、その子がどんな夏休みを過ごしたのかまで、目に浮かぶようでした。

始業式の日、教室には作品がずらり

夏休み明けの始業式。

子どもたちは大きな荷物を抱えて登校してきます。

「先生、これ自由研究!」

「見て!お父さんと作ったんだよ!」

子どもたちは、得意げに取り組んだ作品を見せてきます。

旅行先について調べた旅行記、毎日の料理を写真付きでまとめた料理日記、植物や生きものを観察した記録。

歴史上の人物について調べた新聞や、実験結果をまとめた模造紙もありました。

工作もさまざまです。

市販の工作キットを使って丁寧に仕上げた作品もあれば、段ボールやペットボトルなど、身近な材料を組み合わせて作ったユニークなおもちゃもあります。

思い出の写真を飾った写真立てなど、その子らしさが伝わってくる作品もありました。

作品から見える、それぞれの夏休み

自由研究を見ていると、作品の完成度だけではなく、その子が夏休みに何をしていたのかが伝わってきます。

「へぇ~!北海道に行ったんだね」

「料理、自分でこんなに作ったの?すごいわ~」

声をかけると、子どもたちはうれしそうに話してくれました。

「お母さんと一緒に作った!」

「旅行先で気になったから、帰ってから調べたんだ」

そこには、家族と一緒に試行錯誤した時間や、自分の「やってみたい」を形にした経験がありました。

作品から夏休みの一場面を知ることができるのも、私にとって楽しみの一つでした。

みんなの前で自由研究を発表

私が勤務していた学校では、夏休み明けに自由研究の発表会も行っていました。

一人ずつ前に出て、自分が取り組んだことを紹介します。

「どんなところが大変だったのか」
「やってみて何がわかったのか」

実物投影機で作品を拡大して見せながら、自分の言葉で説明してもらいました。

面白い写真付きの旅行記で、どっと笑いが起きることも。

工作に取り組んだ子は、何度も失敗しながら工夫して作っていたことがわかることもありました。

自由研究は、完成に至るまでの過程にも、その子らしさが表れます。

選ばれた作品は校内の作品展へ

発表が終わると、作品はしばらく教室や廊下の展示棚に並べていました。

休み時間になると、子どもたちはキラキラした目で友達の作品を眺めます。

「ここ、どうやって作ったの?」

「ちょっと触ってもいい?」

自分では思いつかなかったアイデアに驚いたり、友達の作品から刺激を受けたりする姿も見られました。

さらに、子どもたちの投票で選ばれた作品は、校内の別室で行われる「夏休み作品展」へ。

選ばれた子どもたちは、誇らしそうな表情をしていました。

自由研究から見えていたもの

夏休みと言えどお盆休み以外は両親ともずっと仕事という家庭も多くなりました。

自由研究は、子どもだけでなく家庭に負担がかかる宿題です。

現在では、必須の宿題にしなかったり、取り組み方を見直したりする学校が増えています。

私自身も、担任として全員の提出を確認し、発表会や展示の準備をするのは大変なことでした。

自由研究が無くなっていくのは、やむを得ない時代の流れだと思っています。

それでも、ずらりと並んだ作品を見るのは毎年ひそかな楽しみでした。

子どもが何に興味を持ち、誰とどんな時間を過ごし、何を頑張ったのか。

自由研究には、その子のまたとない「夏休み」がぎゅっと詰まっていました。

今でも夏休み明け頃は、作品を抱えて得意げに教室へ入ってきた、子どもたちの表情を思い出すのでした。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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