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「どう見ても犬のものじゃない…」新築マンションで新卒1年目が遭遇した“茶色い物体”の思わぬ正体

  • 2026.7.17
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社して以来10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。マンションの共用部では、思いもよらないトラブルが起こることがあります。

ただ、その時の出来事は私の想像を大きく超えるものでした。今回は、引き渡し前の新築マンションで私が遭遇した事件についてお話しします。

誰も住んでいないマンションの風除室に茶色い物体

入社して半年ほどたった新卒1年目、私は都内の総戸数30戸の新築マンションの販売を担当していました。完成した建物の一室をモデルルーム兼販売事務所にする「竣工売り」の現場です。

引き渡し前で入居者はおらず、平日は1人で常駐し、来客対応や館内の掃除、チラシの投函までこなす毎日でした。ある日の午後、館内点検で1階へ下りると、風除室(エントランスの外扉とオートロックの内扉に挟まれた小さな空間)の床に茶色い物体が見えました。

絶望的な予感を抱えて近寄ると、間違いなく“フン”であることが分かります。

「いや、どう見ても犬のものじゃないよな…」

誰もいないエントランスに、独り言が漏れます。そもそも、なぜここにあるのか。「誰かの嫌がらせか」など考えましたが、答えは出ません。

風除室はオートロックの外側にあり、日中は外扉を開けており誰でも入れる場所ではあります。

先輩の答えは「片付けるしかない」

どうすべきか分からず、ちょうど電話の予定があった先輩社員に相談しました。

「あの、風除室に人糞のようなものが落ちているんです。どうしたらいいでしょうか」

電話口の先輩は少し間を置いて、こう答えます。

「うーん、それは片付けるしかないんじゃない」

現場には管理員も日常清掃スタッフもまだおらず、動けるのは常駐の私だけです。一瞬絶望しましたが、意を決して掃除をすることにしました。さっそく事務所と管理員室で道具を探します。

まず手袋が見つかり、心からホッとしました。ポリ袋と洗剤、大量のペーパータオルに「何かに使えるかもしれない」と段ボールの切れ端も持っていきます。現場に戻ると「この段ボールがちりとり代わりに使える」と思いつきました。

フンをすくい取ってポリ袋へ入れ、ペーパーで床面を何度も拭き取ります。そのあとは洗剤も使い、手持ちの道具でできる限りの応急処置として掃除を行いました。ひととおり作業が終わると、臭いは気にならなくなっています。

念のため、新品の芳香剤を隅に置いておきました。物件の責任者へ事の次第を電話報告したころには終業の時間となり、そのまま現場を後にします。

後になって、自分の応急処置について、大理石にあの洗剤でよかったのか、消毒は要らなかったのかと頭をよぎることもあります。しかしながら、新人の毎日は目の前の仕事で手いっぱいで、ほどなく担当も替わり、そのマンションに入ることは二度とありませんでした。

共用部の汚物は自分で処理せず管理会社へ連絡を

居住中のマンションで汚物を見つけても、自分で処理するのは避けてください。何が潜んでいるか分かりません。例えば、ノロウイルスに感染した人のふん便には大量のウイルスが含まれ、ごくわずかな量でも感染すると厚生労働省も注意を促しています。

処理には使い捨ての手袋やマスクの着用と、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤の成分)による消毒が必要です。

また、掃除の仕方によっては床材を傷めるリスクもあります。住居用洗剤には、変色やツヤ落ちのおそれから天然の大理石に使えない製品もあります。自己流の清掃は、かえって高価な床を傷める結果になりかねません。

見つけたら管理員に報告し、管理員が不在の時間帯はエントランスの掲示などにある管理会社の連絡先へ一報を入れてください。汚物の処理は普段の清掃とは別に、管理会社が専門業者を手配する特別清掃で対応するのが一般的です。

報告後は掲示などで立ち入りを控える案内が出ますから、対応が済むまでサブエントランスなど別の動線でやり過ごしましょう。

参考:
ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)
【使用方法】「マジックリン」で大理石や人工大理石のカウンタートップなどをふいてもいいの?(花王)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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