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W杯観戦で壁にテレビを掛けただけなのに…退去時に待っていた“想定外の請求”に青ざめた

  • 2026.7.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以来10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。現在、北中米でサッカーのワールドカップが開催され、世界中が熱い戦いに沸いています。

スタジアムの熱気を自宅でも味わうために、大画面のテレビで観戦したいと考える方は多いのではないでしょうか。ここでは、前回のワールドカップ時に賃貸マンションで大型テレビを壁掛けにし、退去時に思わぬ費用を請求されてしまったエピソードを紹介します。

前回のW杯で大画面に大満足!しかし退去時に突きつけられた現実

30代の会社員であるMさんは、2022年の秋に都内の賃貸マンションへ入居しました。室内の壁紙であるクロスは、入居の直前に新しく張り替えられたばかりです。

入居直後の11月にカタールで開幕した前回のワールドカップに合わせ、Mさんはリビングの壁に大型テレビを設置することに決めます。迫力ある大画面での観戦に大満足していました。

それから約3年半が経過した2026年の春、Mさんは転勤に伴いマンションを退去することになります。退去の立ち会い当日、管理会社の担当者がリビングの壁にあるネジ穴を指摘しました。

「テレビを壁掛けにしたので、そのときの穴です」

そう答えるMさんに対し、担当者は原状回復費用として、クロスの張り替え費用に加えて下地ボードの補修費用も請求すると告げました。

下地ボードの張り替えが必要な穴は借主負担になる

賃貸マンションを退去する際、壁に開けた穴の補修費用を誰が負担するかは、穴の大きさや深さによって変わります。ポスターやカレンダーを留めるための画鋲やピンによる小さな穴は、生活する上での通常の使用範囲とみなされ、貸主の負担になることが一般的です。

一方で、大型テレビの重量を支えるためにビスやアンカーを打ち込んだくぎ穴やネジ穴は、通常の使用を超える損傷と判断されます。壁の奥にある石膏ボード(下地ボード)の張り替えや補修が必要になるため、補修費用は借主の負担となるのです。

クロスの張り替え費用には、年数に応じた計算の仕組みがあります。クロスは6年で残存価値が1円になるものとして扱われ、年数が経つほど借主の負担割合は下がっていきます。

しかし経過年数の起算点は、クロスが新しく張られた時点となるのです。Mさんの場合は、入居時に張り替えられていたため、2年半分の価値がまだ残っていました。

そのため、Mさんは破損部分を含む一面分のクロス張り替え費用の一部を負担することになります。さらにクロスの費用とは別に、下地ボードの補修費用を実額で請求され、想定外の出費となってしまいました。

壁を傷つけずに大画面を楽しむ方法もある

賃貸マンションで大型テレビを設置する際は、事前に契約書や特約をしっかりと確認しておきましょう。物件によっては壁への穴あけ自体を禁止している場合や、退去時の修繕費用に関して、借主の負担範囲の広い特約が設けられている場合もあります。

契約内容を先に把握しておくことで、退去時に慌てずに済みます。もし壁掛けが難しい契約であれば、壁を傷つけずに大画面テレビを楽しむ方法を選びましょう。

自立するタイプのテレビスタンドを使用すれば、床に置くだけで壁掛けに近いすっきりとした見た目を実現できます。壁と天井の間に突っ張り棒のように固定するラックを活用するのも効果的です。

これから壁掛けテレビを考えている方は、契約書や特約を確認したうえで、最適な設置方法を選んでみてください。

参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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