1. トップ
  2. 住まい
  3. 1階・専用庭付きで水災補償を外した40代Kさん、ゲリラ豪雨後に届いた保険会社の"厳しい回答"

1階・専用庭付きで水災補償を外した40代Kさん、ゲリラ豪雨後に届いた保険会社の"厳しい回答"

  • 2026.7.18
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。家計の負担を少しでも減らすため、固定費である保険料の見直しを考える方は多いのではないでしょうか。

インターネット上でも、さまざまな保険料の節約術が発信されています。今回は、SNSの「マンションに水災補償はいらない」という言葉を信じて補償を外してしまい、ゲリラ豪雨で手痛い出費を負った居住者の事例を紹介します。

「マンションだから不要」と外し、大雨で数十万円の自費

都内の分譲マンションの1階(専用庭付き)に住む40代のKさんは、ある日SNSで火災保険に関する投稿を目にしました。そこには「マンションに水災補償はいらない」「水災特約は無駄」という声が何度も書き込まれていました。

「マンションは戸建てより水害に強いというし、大丈夫だろう」

そう納得したKさんは、保険の更新時に保険料を下げるため、水災補償を外す手続きを行いました。しかしその年の夏、予想を超えるゲリラ豪雨が地域を襲います。

近くの排水が追いつかず、道路にあふれた雨水が敷地内に流れ込み、河川の氾濫ではなく街の中に水があふれる「内水氾濫」が起きたのです。この氾濫によって、Kさんの住む1階と専用庭は、床上まで浸水してしまいました。

家具や床などの内装が水浸しになりました。慌てて保険会社に連絡をしたものの、返ってきたのは厳しい回答でした。水災補償を外していたため、今回の浸水による家財や内装の被害はすべて補償の対象外となります。

結局、修理や家具の買い替えは自費になり、数十万円の負担が重くのしかかりました。

混同しやすい「水災」と「水濡れ」の違いと新しい保険料の仕組み

ここで整理したいのが、火災保険における「水災」と「水濡れ」の違いです。両者は混同されやすいものの、補償される内容は全く別です。まず水災とは、台風や集中豪雨による洪水や土砂崩れなどで、建物や家財が受ける床上浸水などの損害のことです。

一方で水濡れは、給排水設備や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水などによる損害を指します。水災による損害は、水濡れ補償では支払われません。

では「マンションに水災補償はいらない」という主張は、本当に正しいのでしょうか。実は2024年10月から、火災保険の水災料率が建物のある市区町村ごとに「1等地」から「5等地」までの5区分に細分化されました。

区分が細分化されたことで、地域の水災リスクに応じて保険料に差がつくようになります。最も高い地域と最も低い地域で保険料を比較すると、その差は約1.2倍です。

そのため、水災リスクの低い地域や、浸水の心配が小さい高層階の専有部なら、水災補償を外す判断も合理的であり、SNSの声が当てはまる場面もあります。

ハザードマップと自身の住戸条件を照らし合わせる

一方で1階などの低層階や専用庭、さらには地下のトランクルームがある場合は、浸水被害に遭いやすく補償が必要な場面が多いでしょう。また、建物全体を守る管理組合の火災保険でも、安易に水災を外すのは禁物です。

共用部にあるエントランスや地下の電気設備が浸水すると、居住者全体の生活に甚大な影響が及びます。保険料を下げたいからと一律に水災補償を外すのではなく、立地と階数のリスクを確かめたうえで、必要な補償は残しておきましょう。

まずは自分の物件が建つ場所のハザードマップ(浸水想定区域図)で、浸水のリスクを確認してみることをおすすめします。そのうえで、部屋の階数や専用庭、地下の有無といった住戸の条件と照らし合わせ、必要な補償を選んでみてください。

参考:
「水災」と「漏水などによる水濡れ(みずぬれ)」の違いは何ですか?(損保ジャパン)
水災料率の細分化について教えてください。(損保ジャパン)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ