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老夫婦「葬儀会場はどこですか?」繁忙期に駅員15年超のベテランが思わず困惑した"想定外の一言"

  • 2026.7.23
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出典:photoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

夏休みなどの長期休暇に入ると、駅は旅行や帰省に向かう人々で混雑します。普段から電車に乗り慣れている通勤・通学のお客様とは異なり、不慣れな場所を訪れる方が増えるこの時期、駅員に寄せられる問い合わせの数は増え、その内容も多岐にわたるようになります。

ごく普通の道案内もあれば、時には駅員すら困惑してしまうような問い合わせが飛び出すことも少なくありません。今回は、筆者が実際に駅の現場で体験したエピソードや、多くの鉄道会社で行われている案内業務の様子を交えながら、繁忙期の駅の裏側をご紹介します。

多岐にわたる一般的な問い合わせと各社の対応

慣れない駅に降り立ったお客様から寄せられる質問の定番といえば、「○○行きのバス乗り場はどこか」「○○線への乗り換え口はどっちか」「近くにATMはあるか」といった、駅構内や周辺施設に関するものです。

こうした数多くの問い合わせに対し、多くの鉄道会社ではさまざまな案内体制を整えています。駅構内の案内サインを多言語対応にして、視覚的にわかりやすいピクトグラムに統一したり、主要駅では案内専門のコンシェルジュを配置したりしています。また最近では、駅員がタブレット端末を携帯し、案内アプリや翻訳アプリを使って日本人だけでなく外国人観光客からの問い合わせにもスムーズに対応できるような工夫が行われています。

ただ、説明を増やせば伝わるのかといえばそうでもなく、あまりに多すぎたり長すぎたりする説明は見ていただけず、また、駅のスペース等にも限りがあるため、企業としては現実的な運用も考えなくてはなりません。そんな中でのわかりやすい案内とは一体何なのかを考えると限りはなく、永遠の課題といえるのかもしれません。

駅員も困惑!「聞いたことのないホテル」

どれだけ案内体制を整え、街の地理に精通した駅員であっても、思わず困惑してしまうような想定外の問い合わせはやってきます。

その代表が特定の小さなお店や聞いたこともないようなホテルへの道案内です。駅周辺の有名な観光地や大型ホテル、ランドマークとなるような施設であれば駅員もすぐにご案内できます。しかし最近特に増えているのが、スマートフォンを片手に「ここに行きたい」と見せられる、一般のマンションやアパートを利用した民泊と思われる住所や、SNSで話題になったらしい非常にマイナーな施設に行くための問い合わせです。

駅員はその街で働いてはいますが、個人の住所やすべての店舗を網羅したナビアプリではありません。わかる範囲でご案内するのが精一杯ということも多々あります。

さらに驚きのエピソード「○○家の葬儀会場」

過去の経験で筆者がさらに驚き、そして困惑したのが、ある老夫婦からの問い合わせでした。

改札口にやってきたお二人は、「○○家の葬儀会場はどこですか?」と尋ねてこられたのです。当然ながら、駅員が地域の個別の葬儀のスケジュールを把握しているはずがありません。とはいえ、老夫婦は見知らぬ土地で本当に困り果てているご様子でした。

そこで、「お手元の葬儀の案内状を見せていただけますか?」とお声がけして、そこに書かれていた「○○斎場」という会場名と住所を確認し、その会場の最寄りまで行く路線のバス乗り場をお調べしてご案内しました。

なお、ここでお伝えしておきたいのが、これは筆者がたまたま業務の合間に対応できた、あくまで一例にすぎないということです。私たちもできる限りのお手伝いはしたいものの、どの駅、どの鉄道会社でも、個別のイベントやプライベートな目的地の検索まで必ず対応できるわけではなく、混雑状況によってはここまで踏み込んだお調べができないことも多いため、どうかご理解をお願いいたします。

スムーズな旅のために「事前の下調べ」を

数々の問い合わせに対応していて強く感じるのは、「とりあえず最寄り駅まで行けば、駅員に聞くなどしてなんとかなるだろう」と考えている方が想像以上に多いということです。

確かに、行き当たりばったりの旅の楽しさもありますし、調べてどうしてもわからない時に人に聞くのは決して悪いことではありません。また、先述のように、鉄道会社は駅での案内に工夫を凝らしていますが、どうしても完璧な案内ができているわけではなく、最終的には人に頼らなくてはならないのも現実です。

しかし、初めて訪れる不慣れな場所だからこそ、スマートフォンの地図アプリで目的地へのルートをあらかじめ確認しておく、乗るべきバスの系統や乗り場をメモしておくといった事前の下調べが大切です。

特に繁忙期は、駅員も他のお客様の対応や安全確認に追われており、一人ひとりにゆっくりと道案内をする時間が取れないこともあります。皆さまの移動がよりスムーズで快適なものになるよう、出発前のほんの少しのご準備を、駅員からのお願いとして心よりお願い申し上げます。


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、同業界に15年以上従事。鉄道部門だけでなく、タクシーやバス、小売りといった関連事業にも幅広く携わる。現在はWebライターとしても、広報を担当した経験を活かし、コラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


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