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「見た目がきれいだったので…」40代男性がフリマで買った中古タイヤ、プロが装着をお断りした“見えない異変”

  • 2026.7.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「まだ溝も十分あるし、お得に買えました」

そう笑顔で話してくださったのは、個人売買で購入した中古タイヤの組み替えを希望して来店されたHさん(40代・男性)です。

近年はフリマアプリやオークションサイトなどを利用して、中古タイヤを手頃な価格で購入する人も増えてきました。新品より安く手に入ることは大きな魅力であり、状態の良いタイヤに出会えれば費用を抑えられるというメリットもあります。

一方で、写真だけでは判断できない劣化や損傷が隠れているケースもあるため、購入後には十分な点検が欠かせません。

「きれいだから大丈夫」と思ったタイヤに異変が

Hさんが持ち込まれたタイヤは、一見すると状態は良好でした。

溝も十分残っており、外側から見える部分に大きな傷やひび割れもありません。中古タイヤとしては比較的きれいな印象で、「これならまだまだ使えそうだ」と感じる人も少なくないでしょう。

しかし、タイヤをホイールへ組み替える前の点検で、内側の側面に小さなこぶが見つかりました。このような膨らみは、タイヤ内部にあるコード(補強材)が損傷している可能性が高い状態です。

タイヤはゴムだけでできているわけではなく、内部には強度を保つためのコードが何層にも組み込まれています。縁石への強い接触や大きな衝撃などによってコードが切れたり傷んだりすると、その部分だけ内圧に耐えられなくなり、外側へ膨らんでしまうことがあります。

見た目は「少し膨らんでいるだけ」のように見えても、安全性の面では使用を続けられる状態ではありません。

高速道路ではバーストにつながる危険も

今回見つかったこぶは、外側からは確認しづらい位置にありました。

Hさんも購入前の写真では気付かなかったそうで、「見た目がきれいだったので安心していました」と驚かれていました。

個人売買の出品者が意図的に隠しているわけではなくても、写真では写りにくい場所だったり、撮影だけでは分からない内部の損傷があったりすることも少なくありません。しかし、このタイヤをそのまま装着して走行していた場合、特に高速道路ではタイヤ内部へ大きな負荷がかかります。損傷した部分が耐えられなくなると、突然バーストを起こす危険性も否定できません。

バーストは車両のコントロールを失う原因にもなり、高速走行中であれば重大事故につながる可能性があります。そのため今回は、安全性を最優先に考え、タイヤの取り付けをお断りしました。

購入したばかりだったHさんにとっては残念な結果でしたが、安全に走行するためにはやむを得ない判断でした。

中古タイヤは「溝」だけでは判断できない

中古タイヤを選ぶ際、多くの人が最初に確認するのは溝の深さではないでしょうか。もちろん溝は重要ですが、それだけではタイヤの安全性は判断できません。

購入時には次のような点も確認しておきたいところです。

  • 側面に傷や膨らみ(こぶ)がないか
  • ひび割れやゴムの硬化が見られないか
  • 偏った摩耗をしていないか
  • 製造年(製造週)が極端に古くないか
  • 修理歴がないか

ただし、これらも写真だけでは判断が難しいケースがあります。特に、タイヤ内部の損傷や、過去に大きな衝撃を受けた履歴などは、外観だけでは分からないことも少なくありません。

そのため、中古タイヤを購入した際には、装着前に整備工場やタイヤ専門店で点検を受けることをおすすめします。

装着前の点検で異常に気付くことができれば、大きな事故を防げる可能性があります。

「安く買えた」が結果的に高くつくことも

個人売買には、店舗よりも安価で中古タイヤを購入できるという魅力があります。

状態の良いタイヤを手頃な価格で入手できるケースもあり、上手に活用すれば費用を抑えられるでしょう。しかし、その一方で写真では確認しきれない内部の劣化や損傷などのリスクも伴います。今回のHさんのケースでは、取り付け前の点検で異常が見つかったため装着には至りませんでしたが、もし気付かず使用していれば重大なトラブルにつながっていた可能性もありました。

また、安全性に問題があるタイヤであれば、結局は新しいタイヤを購入し直すことになり、当初の節約分以上の出費になることもあります。タイヤはクルマが唯一、路面と接している重要な部品です。

価格だけで選ぶのではなく、安全性も含めて判断することが大切です。

中古タイヤを購入した際は、「見た目がきれいだから大丈夫」と思い込まず、一度プロの点検を受けることが、安心してドライブを楽しむための第一歩といえるでしょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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